校長挨拶

校長メッセージ

「技術で羽ばたけ 世界へ未来へ ~新居浜高専~」

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新居浜高専は、昭和37年(1962)に国立高等専門学校の第1期校として、別子銅山の歴史文化を受け継ぐ工都新居浜の地に創設され、令和4年度(2022)には創設60周年を迎えました。そして輩出する卒業生・専攻科修了生の合計はまもなく1万人に届きます。彼ら卒業生は、愛媛県はもとより日本全国、世界各地に送り出されて、その活躍は社会から高い評価を得ており、わが国の経済発展を持続的に支えてきました。

新居浜高専の本科には現在、機械工学科・電気情報工学科・電子制御工学科・生物応用化学科・環境材料工学科のそれぞれ入学定員40名の5つの専門学科のほか、共通の教育を担当する数理科と一般教養科があります。

平成4年(1992)には、5年間のこれら本科の上に修学期間2年の生産工学専攻(平成16年度に生産工学専攻及び生物応用化学専攻に改組)及び電子工学専攻の専攻科が設置され、教育の高度化を推進してきました。卒業後の進路につきましては、20倍を超える求人を頂き、就職率はほぼ100%であります。また5年間の本科卒業後に、4年制大学の3年次に編入する学生や、更に慣れ親しんだ専攻科へ進む学生も含めると約1/3が進学をしております。

この15歳からの5年間あるいは7年間の一貫した専門教育を行う高等教育機関は、海外でも高い評価を得ており、そのユニークで独創的な高専教育モデルを導入する国々が現れております。海外では「KOSEN」という言葉で認識され、新居浜高専でも高専機構の指示のもと、教員を現地に派遣して教員への指導・研修や学生への教育を行っています。

多くの産業活動、研究活動が世界規模で展開される今、新たな技術の発展、研究の展開には地球規模で未来を考えなくては立ちゆかないという考え方が必要となってきています。この社会的要請に対しては、技術や研究に関わる人材としてグローバルな感覚を持った技術者研究者が求められているのです。

今人類は新型コロナウイルスによる感染症拡大などと闘っています。また地球温暖化に伴う気候変動、欧州における新たな国際紛争など、21世紀になってもまだ解決が出来ない数多くの課題に直面しています。このままでは、人類が安定して地球で暮らし続けることができなくなる心配があります。世界中の人々が話し合い課題を整理し解決方法「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)」を推進していくことが必須となりました。またSociety 5.0に代表される産業構造変化、デジタルトランスフォーメーションという新たな考え方や技術も利用して、社会の要請を受けて柔軟に変化していく必要があります。ここには「創造性のある実践的技術者の育成」を役割とした高専生が活躍できる場があります。そのための実験や実習を重視した教育プログラム、早期教育の利点を活かしたものづくり実践教育の実施、問題解決型グループ学習(PBL)の積極的な導入など、常に時代の先端を行く教育の実現をめざしています。

本校は「技術で羽ばたけ 世界へ未来へ ~新居浜高専~」をキャッチコピーとし、実践的で創造的な技術者の育成に向かって、地域とともに歩む信頼される学校をめざしています。今後も本校の発展により一層ご支援くださいますようお願い申しあげます。

 

新居浜高専 校長 鈴木康司

 

◎過去の入学式・卒業式校長式辞集