生産工学専攻

生産工学専攻においては、高等専門学校の課程における機械・材料系学科の5年間の教育を基礎として、その上に高度な技術社会に対応できる幅広い専門的知識を有し、国際的に活躍できる技術者を育成することを目的としている。

機械工学コース

機械工学コースは、基礎知識を有機的に組み合わせ、ICTを活用する能力を持ち、広範な工業分野のニーズに対応できるアイデアを生み出す能力を持つ技術者を育成する。

「育成する技術者像」

ものづくりにおいては、開発・設計・生産の各現場で担当者どうしが目的を共有し、それぞれの意見やアイデアを出し合って、カイゼンのための設計情報を調整していく作業が不可欠であり、このような調整(すりあわせ)がきめ細かく行えることが、複雑な設計情報を製品へと具現化していくためには必要となる。これらのことから、機械工学コースでは、「カイゼン力(よりよいものへと深く考える力)」と「すりあわせ力(議論する力)」を併せ持つ技術者の育成を目指し、グループでのプロジェクト学習(ものづくり実習・体験)や地元の企業および機関と連携しながら、以下に示す能力を涵養する。

  1. 数学・自然科学の知識の習得と応用する能力
  2. 機械工学分野の基礎知識の習得とそれらを応用する能力
  3. 企画・立案し、計画を遂行する能力
  4. 設計情報を明確化できる能力
  5. 問題発見と解決のためのカイゼン能力
  6. 製品開発支援ICT(CAD、CAEなど)の活用能力
  7. 豊かな教養と、技術が社会や自然環境に及ぼす影響に配慮できる能力
  8. 自分の考えを論理的に示すことができる能力

環境材料工学コース

環境材料工学コースは、環境問題や循環型社会に配慮しつつ、材料工学に関する専門知識と技術を有し、ものづくりに応用できる技術者を育成する。

「育成する技術者像」

今日の高度な技術社会を支え、発展させるため、ものづくりの根本を担う材料に対する要望はますます厳しいものとなっている。工業製品の小型・軽量化、高機能化に対する社会の要求に応えるとともに、環境・エネルギー問題や循環型社会の構築に配慮した視点を併せ持つ問題解決能力が求められている。
環境材料工学コースでは、地球環境にやさしい工業製品の生産のために、出発点である金属材料、無機材料、高分子材料等の工業材料について、開発段階から生産、加工、消費、廃棄に至るまでの一連の過程を含めた材料設計(材料工学)のできる実践的な応用能力を持つ技術者の育成を目指して、以下に示す能力を涵養する。

  1. 数学・自然科学・情報技術の基礎知識を理解し、材料工学分野に応用する能力
  2. 材料工学分野に関する基礎知識・技術を理解し、材料機能の向上に活用する能力
    ・材料機能の発現メカニズムについて説明できる
    ・材料の生産時に環境負荷やエネルギー消費を考慮できる
    ・材料の複合化および材料機能の向上に応用できる
  3. 材料工学分野に関する専門知識を活用し、問題解決に向けて自主的に考え、計画を立案、実行する能力
    ・環境に配慮した材料の機能設計ができる
    ・地球環境を認識し、生産から加工、消費、廃棄に至るまでの過程を考慮した問題解決ができる
  4. 豊かな教養をもち、技術が社会や自然環境に及ぼす影響に配慮する能力
  5. 論理的表現ができ、相手の話を理解し自分の考えを示す能力

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