【7/17】真鍋家住宅音声ガイド装置を更新しました。

四国中央市 切山地区は、香川県との県境付近の山中に位置し、平家落人伝説の里として知られています。かつて本校では、この地区の住民の皆様からの依頼に基づき、地区の観光案内をするロボットを製作・設置しました。

 

設置場所は、愛媛県最古の民家とされ、昭和45年に国指定重要文化財に指定された「真鍋家住宅」です。この住宅は、落人末裔の家である真鍋家の第16第当主である真鍋 潤氏が、管理、修復しながら守り継いでいます。

 

<ロボット製作・設置の経緯>
●平成16年:当該地区の重要文化財・真鍋家住宅に音声ガイド装置を設置
http://www.niihama-nct.ac.jp/backnumber/2004/6_10/index.html

●平成17年:音声ガイド装置を文字情報付きに改良
http://www.niihama-nct.ac.jp/backnumber/no34/manabe.html

●平成18年:平家落ち武者型観光案内ロボットを設置
http://www.niihama-nct.ac.jp/backnumber/2006/4_9/index.html

 

設置以来、平家落人伝説の里として知られる切山地区の観光案内・地域活性化に一役買ってきました。

 

設置から12年以上が経過し、音声ガイド装置にも落ち武者型ロボットにも、動作に不具合が見え始め、この度全面リニューアルをすることとなりました。落ち武者型ロボットの更新にはしばらく時間がかかるものと思われますが、まず手始めとして、真鍋家住宅音声ガイド装置を新しく作り直し、平成30年7月17日(火)、真鍋家住宅に設置しました。

 

国指定重要文化財 真鍋家住宅

国指定重要文化財 真鍋家住宅

設置に向かう出口教授と真鍋氏

設置に向かう出口教授と真鍋氏

落ち武者型ロボット設置予定場所

落ち武者型ロボット設置予定場所

設置した音声ガイド装置の前で (左:出口教授、右:真鍋氏)

設置した音声ガイド装置の前で
(左:出口教授、右:真鍋氏)

 

実践的工学技術を扱う本校としては、持てる技術を以って地域社会に貢献することは、本来の重要な使命であると考えています。本校で製作した物が、実際に地域社会で稼働し、住民の皆様に喜んでいただけることは、この点において極めて意義深いことだと言えます。

 

四国には、八十八か所霊場遍路に代表されるように、全国的に見ても、歴史的にも、非常に重要な文化遺産が数多くあります。平家落人伝説で知られる切山地区の住民の皆様も、これらの貴重な歴史・文化を現代に受け継ぐ生き証人として、強い誇りを持って生活しておられます。自分のアイデンティティをしっかり持って生きることが、人生を歩む上でいかに重要なことか、ということを学生ともども学ばせていただいています。

 

今回の音声ガイド装置設置に立ち会われた真鍋氏は設置後に、「今後、この住宅を個人として守り継いでいくには限界が見え始めています。出口先生のようにご厚意で協力してくださる方は本当に貴重な存在で有難い限りです。」と話してくださいました。

 

科学や工学技術は日進月歩・分進秒歩であり、最先端を見失わないことも重要ではあります。しかし、今回のように地域の方々と直接触れ合うことで、自分たちの周りや足元をしっかり見据えるスタンスを忘れてはならない、と自戒させられます。高専教育では、このことを実践を通して学生に伝えることも重要な教育の意義であると考えています。