【授業紹介】材料創成デザイン演習<環境材料工学科>


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担当教員:志賀信哉、松英達也、平澤英之/対象:4年生/開設期:後期/単位数:2


ものづくりで創造力を鍛える!

 環境材料工学科4年生で開講されている「材料創成デザイン演習」では、通常の座学や実習とは異なる、高専ならではのオリジナリティ溢れるものづくり教育に取り組んでいるようです。今年度から新しく企画した「授業レポート」では、この「材料創成デザイン演習」について、授業担当教員にお話を伺いました。

 

★授業の目的を教えてください!

 この授業では、4~5人でチームを組んで、与えられた課題をクリアする製作物を自分たちで考えて作り上げます。自由な発想で創意工夫をして問題発見・解決に取り組むことで、学生の創造力を育成することを目的としています。

★どんなものを作るのですか?

 具体的な課題としては、例えば「衝撃吸収ケース作製」。これは、A4サイズのケント紙2枚で直径46mmのスーパーボールを収納し、校舎3Fから落下させても跳ねないケースを作るというものです。まるで地面に吸い付くように、まったく跳ねないケースを作製したチームも出ましたよ。

完成したぞ~!

完成したぞ~!

 他には「廃棄自転車を再生利用した水力発電装置の開発」。これは、使命を終えた自転車一台のあらゆる部品を活用して、川の流水によって発電する装置を作り上げるものです。紙工作とは違って、工作機械を使って切断したり穴を開けたり、さらには溶接で組み上げたり、実践的なものづくり技術が要求される課題です。完成品は地域貢献の一環として、高専近くの用水路に設置し小中学生の通学路をLEDライトで照らすことを試みました。この取り組みが新聞やテレビで報道されたことを知った学生たちは、自分たちの活動が認められた気持ちになって大喜びでした。

 

いよいよ発電装置を水路へ設置 点灯するかなぁ (^o^)

いよいよ発電装置を水路へ設置
点灯するかなぁ (^o^)

★すべて学生が考えて作るのですか?

 はい、学生たちが主体となって構想を練り、自分たちで作り込んでいきます。教員はアドバイザーの立場で立ち会うようにしています。作製期限があるので、学生たちはみんな懸命に考えていますよ。作製途中に不具合が見つかって大きな方向転換を迫られたチームが、どちらに舵を切るかをメンバー全員で議論している姿はとても頼もしく輝いて見えました!

★学生の反応はどうでしたか?

 アイデアに行き詰っている時は本当に辛そうでしたが、多くの難題を乗り越えて完成にたどり着いた時には溢れんばかりの笑顔だったのが印象的で、高専生は底力を持っていると感じました。授業終了後の感想をいくつか紹介します。「水路に何度も持って行って、その度に改善方法を話し合った結果、少しの間だったがライトが点灯する発電装置を作ることができました。一生懸命作製した甲斐がありました。」「この授業で学んだことは、ものづくりの大変さと楽しさです。作業が進むと問題点が見つかって、それを解決して、また問題点が見つかって・・・これを繰り返すことでより良い製品を作ることができると感じました。また、それを解決する時や考えている時は大変だけど、とても楽しく充実していました。」

 

この授業で身に付けた創造力を発揮して羽ばたいて欲しいです!