【授業紹介】創造化学実験<生物応用化学科>


担当教員:桑田茂樹、冨岡寛治、河村秀男、早瀬伸樹、衣笠巧、西井靖博/
対象:4年生/開設期:生物応用化学実験3、4期間中


生物応用化学科の「売り」の授業です!

 生物応用化学科4年生で実施されている「創造化学実験」は、専門知識だけでなく、プレゼン力、コミュニケーション力、主体性などの分野横断的能力を総動員して取り組むPBL型科目です。どんな内容で実施されているか、授業担当教員にお話を伺いました。

 

★授業の目的を教えてください!

 下図に示すように、共通の課題に対してチームで情報収集、アイデア発想を行い、そのアイデアの検討をします。それに基づいて実験やものづくりを行い、そこで出てきた問題点や改善点を挙げ問題解決を行うことを繰り返すことで最終成果物を得るというプロセスを勉強します。そのためには主体的にチームでコミュニケーションをとりながら議論し合意形成することが必要です。これらのことは通常の座学では身につけることができません。このような活動をPBL(Problem Based Learning)と言い、高専や大学では必須の活動となっています。

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★どんな活動をするのですか?

 「小中学校の出前授業を企画する」というテーマでクラス40名全員の学生が10グループに分かれて行います。小中学校の教科書、理科教材カタログを参考にして理科教材の作製を中心に45分の出前授業を企画します。成果発表として、クラスメートを小中学生に見立てて模擬出前授業を行います。今年度はESD対応の出前授業を作っており、学生は17個のSDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発のための目標)について情報収集したり、勉強したりしながらテーマに落とし込んでいます。これにより今地球上で起こっているさまざまな問題を真剣に考え、解決する糸口を探る機会ともなっています。企画されたテーマ例としては「災害時の水の浄化」や「ミニチュア地震から被害と対策を学ぼう」などがあります。

【昨年度の模擬出前授業の様子】

オリジナル入浴剤の作製

オリジナル入浴剤の作製

炎色反応の実験

炎色反応の実験

どんな能力が身につくのですか?

 理科教材の作製を通じて、情報調査能力や問題解決能力、計画立案能力が身に付いた、成果発表を通じて、プレゼンテーション能力やコミュニケーション能力、現場対応力などが身に付いたという自己評価結果が得られました。それ以外にもSDGsを学ぶことで多面的思考力も身に付けられます。

★今後の展開はありますか?

 この活動は、学生主体型出前授業ともリンクしており、実習で作製した新規の出前授業を小中学校で実施した実績があります。今後はさらにその事例を増やすことを目指しています。また交流協定を結んでいる海外の大学と連携して、交換出前授業を行えないか検討しています。グローバル教育と地域貢献を組み合わせるまったく新しい試みです。今後にご期待ください。