令和4年度 第57回卒業式・第30回専攻科修了式校長式辞

今年の冬は10年来の厳冬との報道もありましたが、ここ新居浜の地でも梅香が漂い、桜のつぼみも日々大きくなって、季節が変わったことを感じられるようになりました。

この暖かき良き日に、新居浜工業高等専門学校の卒業証書を授与された 本科196名の卒業生の皆さん、また修了証書を授与された 専攻科19名の修了生の皆さん、卒業・修了おめでとうございます。教職員を代表して 心からお慶び申し上げます。そして卒業生、修了生を今日まで支え、励ましてこられました保護者の皆様、ご家族の皆様にも心からお祝いを申し上げますと共に、本校に対してのこれまでのご支援、ご協力に対し深く感謝申し上げます。

 

また、竹林新居浜市教育委員会事務局総括次長をはじめご来賓の皆様には、お忙しい中、卒業式にご臨席賜り厚くお礼申しあげます。

 

新居浜高専は、昭和37年に全国で最も早く創立された12高専のひとつで、今年度は創立より60年目の節目の年度でした。本校専攻科も国内最初に創立されてから30年目となりました。この間の歴史の中で、本校を卒業・修了をしたOB、OGの諸先輩方は、国内はもとより世界の発展にも活躍されていることは周知の通りであり、その伝統を引き継ぐ皆さん方にも大きな期待がかけられております。

 

新居浜高専では、ディプロマポリシーという卒業認定および修了認定の方針を示しています。そこで教養、専門知識、問題解決能力、社会性などを身につけさせて、卒業・修了を認定しています。その高いハードルをすべてクリアさせるために教職員も一緒になって皆さんの育成に力を注ぎ、あなた方の多大な努力によって見事それをクリアしたのです。ですから新居浜高専の卒業生であることに誇りと自信を持って、自分が進むこれからの道を歩んでください。

 

そして一緒に勉学に励み、苦労も共にした友をこれからも大切にしてください。今後あなたが困った時にはその友を頼ってください。頼られた時はその友を助け上げてください。もちろんその友の中には教職員も含まれています。今はまだ気が付いていないかもしれませんが、築き上げてきた出会いは大変に貴重なものとなっており、今後のあなたの人生を支えてくれるはずです。併せて皆さんの母校、新居浜高専はこれからも皆さんを応援し続けていきます。

 

さて、この3年間は新型コロナウイルスによる感染症拡大との闘いでもあり、皆さんの学生生活にもいろいろな制限がかかってしまいました。その中でもmRNAワクチンや新たな治療薬も開発されて致死率は大幅に下がり、人類はwithコロナを更に受け入れていくものだと考えます。また地球温暖化に伴う気候変動、欧州における新たな国際紛争など、21世紀になってもまだ解決が出来ない数多くの課題にも直面しています。このような課題解決に、創造性のある実践的技術者の育成を受けた高専卒業生が活躍できる場があると考えます。未来はあなた方の活躍によって大きく変えられるということも今後の目標の一つとしてください。

 

最後になりましたが、海外から来られた五人の留学生は、母国から遠く離れた新居浜の地での学生生活に多くのご苦労があったことだと思います。それを乗り越えて卒業、修了を成し遂げたこと、心より敬意を表してお祝い申し上げます。いつまでも新居浜での想い出を忘れず、母国と日本の親善友好の架け橋となっていただくことを切にお願いいたします。

 

以上、卒業生・修了生の皆さんのご健勝を祈念すると共に、社会での益々の活躍を期待して、式辞といたします。

 

令和5年3月16日
新居浜工業高等専門学校長
鈴木 康司