令和3年度　第56回卒業式・第29回専攻科修了式校長式辞

柔らかな日差しと国領川岸辺の青草に新生の息吹を感じるようになったこの良き日に、新居浜工業高等専門学校の卒業証書を授与された本科202名の卒業生の皆さん、卒業おめでとうございます。また、修了証書を授与された専攻科23名の修了生の皆さん、修了おめでとうございます。

教職員を代表して心からお喜び申し上げます。

入学以来今日まで、卒業、修了される皆さんを支え、励ましてこられた保護者、ご家族の方にも心からお祝い申し上げますとともに、学校に対するこれまでのご支援、ご協力に対し深く感謝申し上げます。

また、ご多忙の中この晴れの式典にご臨席賜りました石川新居浜市長はじめ、ご来賓の皆様に、篤くお礼申し上げます。

皆さんが学んだ新居浜高専は、国立高専としては全国に先駆け、昭和３７年（１９６２年）に創立された一期校で、今年度は創立より６０年目の年度でした。この間、科学技術創造立国を標榜する日本の発展に必要とされる多数の実践的創造的技術者を、社会に送り出してきました。これら皆さんの先輩は、日本の産業界を支えてきています。

すでに卒業した皆さんを含め、社会のめまぐるしい変化にも適切に対応しながら、今日の新居浜高専の発展を築いてきています。来年度の６０周年という大きな節目に、これまでの歴史を振り返り、新たな未来を構想することは、今後の新居浜高専の更なる発展を模索する上で大変重要です。また、地域のあり方も、工都からスマートシティへ望ましい未来をかたちづくっていくことでしょう。

新居浜高専は基本方針・教育理念として「知恵・行動力・信頼」を掲げています。皆さんの学びは机上のみではなく、社会や地域と連携して日々の積み重ねにより自身が獲得されたものと思います。こうした「経験知」（経験による叡智）は、高専という学校種における教育成果の大きな部分を占めていると思います。

卒業生、修了生の皆さんは、本校を巣立ち、社会のお医者さん＝ソーシャルドクターとして、様々な場面で課題解決に取り組んでください。コロナ禍での経験を踏まえ、ピンチをチャンスにする高専卒の意気込みを期待しています。普通でなかったことが普通になっている現代社会の変化を前向きに活かしていただきたいと思います。

最後になりましたが、モンゴルとマレーシア出身の二人の留学生は母国から遠く離れた新居浜の地での学生生活にはご苦労もあったことと思います。ご卒業、心よりお祝い申し上げます。

いつまでも新居浜での想い出を忘れず、母国と日本の親善友好の架け橋となっていただくことを切にお願いいたします。

以上、卒業生･修了生の皆さんのご健勝を祈念すると共に、社会での益々の活躍を期待して、式辞といたします。

令和４年３月１８日
新居浜工業高等専門学校長
八木　雅夫