令和3年度 入学式校長式辞

春爛漫の季節を迎え、今日の良き日に、本科新入生206名、専攻科新入生21名、本科編入生5名、留学生3名、合わせて235名の皆さんを新居浜高専に迎えることができました。教職員一同の大いなる喜びであり、心から歓迎します。

 

ご列席の保護者の皆様、ご家族の皆様にも心からお喜び申し上げます。

 

また、石川新居浜市長をはじめご来賓の皆様には、お忙しい中、入学式にご臨席賜り、厚くお礼申し上げます。

 

新入生の皆さんは、本日、豊かな歴史文化を有する工都というにふさわしい新居浜の地で育まれた新居浜高専の一員となりました。これから始まる高専の生活に胸をときめかせ、立派な技術者になることを夢見て入学式を迎えたことと思います。

 

新居浜高専は1962年(昭和37年)に創設された高専第一期12校のうちの一つであり、創立以来8500名近くの卒業生を輩出してきました。卒業生は技術者として、あるいは研究者として、様々な分野で活躍し、実績を積み重ねてきました。今年度は60年目の年となります。目前となった60周年という大きな節目に、これまでの歴史を振り返り、新たな未来を構想することは、今後の新居浜高専の更なる発展を導く上で大変重要と考えます。

 

現代は、社会の変化、とりわけ科学技術の進歩は著しく、超スマート社会と言われるSociety5.0の時代に求められるグローバル化やデジタルトランスフォーメーションが推進され、高専を取り巻く環境も大きく変化してきました。

 

新居浜高専は時代の変化に対応し、「社会実装教育を基盤とする地域の次世代型技術者(人財)の育成」事業において、特別課程を3年前に開講し、新たな教育を展開しています。また、昨年グローバル教育センターを設け、タイ高専プロジェクト推進校となるなど、グローバルマインドの育成に努めています。

 

5年間の教育において「知恵・行動力・信頼」を教育理念とし、「学びと体験を通して、未来を切り拓く知恵と行動力を持った信頼される技術者を育てる」ことを教育の基本方針としています。自ら学ぶことの大切さを身に付け、知識や能力をどんどん吸収し、グループやチームでコミュニケーションを深めながら柔軟な発想で課題解決をめざします。本科の5年間は、いわゆる受験勉強に飲み込まれることなく、各自がめざす勉学にじっくりと励むことができ、心身の成長にも好影響を与えることが期待されます。さらに、在学中に育まれる友人関係は一生の宝と言えるでしょう。

 

高専は、高等学校と同じ年代を含みますが、学校教育法において、大学と同じ高等教育機関であり、生徒ではなく学生と呼びます。学生と呼ばれるにふさわしい品性や礼儀を身につけていただきたいと思います。

 

次に、留学生として来られた3名の皆さん、早く新居浜の生活になじみ、日本人学生や新居浜の人々との交流を深めてください。これらの交流を通して、学内全体でグローバルマインドを形成し、新居浜高専はもちろんのこと、地域のグローバル化にも協力してください。皆さんが母国や世界の発展に貢献できる技術者に成長されることを期待しています。

 

また、本科編入生の5名の皆さんは、新居浜高専の環境に早く慣れ親しめるように、これまでの経験を活かして、在来生と交流を図ってください。

 

さらに、専攻科に入学された21名の新入生の皆さん。国立高専の専攻科は、平成4年に、全国でまず2校のみに設置されました。その2校の一つが新居浜高専です。これまでに700名近くの修了生を輩出しております。皆さんは、この伝統ある専攻科で学ぶことに誇りを持って、技術者としての創造力と実践力を一層磨いて、国際的に通用する技術者を目指して下さい。

 

最後に、昨年来の新型コロナウィルス感染症によるパンデミック状態は、いまなお続いています。一人一人が協力し合いながら、継続して感染予防、感染拡大防止に努める必要があります。日常生活の中で、安全、安心、健康を心がけ、自覚を持って行動してください。

 

結びに当たり、改めて、入学おめでとうございます。新入生の皆さんが初心を忘れることなく、有意義な高専生活を送られることを期待して、式辞といたします。

 

 

令和3年4月5日
新居浜工業高等専門学校長
八 木 雅 夫