平成26年度 入学式校長式辞

新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。

 

新居浜市内至るところで桜が咲き誇り、新居浜高専の自慢の桜も皆さんのご入学を歓迎するように満開となっています。

 

今日この良き日に、本科新入生211名、専攻科新入生30名、本科編入生1名、留学生2名、あわせて244名の皆さんを新居浜工業高等専門学校にお迎えすることができましたことは、教職員の等しく喜びとするところであり、心より歓迎いたします。

 

また、ご列席の保護者、ご家族の皆様にも心からお慶び申し上げます。石川新居浜市長をはじめご来賓の方々には、お忙しい中この入学式にご臨席賜り、ありがとうございました。篤くお礼申し上げます。

 

新入生の皆さんは、今日新居浜高専の門をくぐり、これから始まる学園生活に胸をときめかせておられることと思います。皆さんは、立派な技術者になるという高い志をもって新たな出発をされました。この初心を忘れることなく、 有意義な学生生活を送ってほしいと思っています。また、新居浜高専というたな新たな環境で、新しい友達や先生方に出会うことになります。この人との出会いを大切にし、共に、人間として大きく成長していただきたいと思います。

 

新居浜市は南は赤石山系、北は燧灘に挟まれた穏やかで美しい場所にあり、別子銅山の採鉱・精錬を支える工業技術を基に工業都市として発展してきました。このため、多くの企業に多様な技術が蓄積されており、ものづくりの技術を学ぶには大変良い環境にあります。このような地域のものづくりを支える技術者を養成することを目的に、新居浜高専は今から52年前の1962年(昭和37年)に高専教育制度の1期校として設立されました。

 

高専教育制度の最大の特徴は、専門の早期教育と、5年間一貫の教育の二つにあります。頭が柔軟な中学を卒業したばかりの時から工学の専門教育を行う高専の早期教育は、同じ高等教育機関である大学における工学教育とは異なる教育ルートです。そう言う意味で高専生には、ひと味違った発想をする技術者になることが期待されています。また、5年間一貫教育であるため、途中で受験がなく落ち着いて勉学ができます。5年間という比較的長い時を同級生と過ごすことや、実験・実習などのグループ学習が多いこと、あるいは寮生活があることで、一生の友達を作る機会に恵まれています。皆さんには、喜びや苦しみ・悲しみをともに分かち合える、人生の友をつくってほしいと願っています。

 

新居浜高専は、「知恵・行動力・信頼」を教育理念とし、「学びと体験を通して、未来を切り開く知恵と行動力を持った信頼される技術者を育てる」ことを教育の基本方針としています。皆さんは新入生から学生として、また一人の大人として扱われ、自由な行動が許されます。ただ、自由には必ず責任が伴い、自由を享受するためには責任ある行動が基本であることを忘れないでいただきたいと思います。ルール、マナーを尊重し、いつも礼儀正しい行動をす ることが大人への第一歩です。

 

また、自分から学び自分から習う、自学自習の精神を心がけてください。学校は学ぶ意思のあるものの集う場所であります。受験という制約がない特徴を生かして、クラブ活動や各種行事にも自ら積極的に参加し、おおいに楽しむ中で、人間の幅を広げて下さい。本学の教職員はそのような学生を全力で支援していくつもりです。

 

次に、遠く祖国を離れマレーシア及びモンゴルから来られた2名の留学生の皆さん。

 

早く新居浜の生活になじみ、日本人の学生や地域の人々と交流を深めるとともに、祖国の発展に貢献できる技術者に成長されることを期待しています。

 

また、専攻科の30名の皆さんには、技術者としての創造力と実践力を一層磨き上げ、国際的に通用するエンジニアを目指してほしいと思います。また、勉学だけでなく人格向上についても自己研鑽に励み、本科の学生の模範となられることを期待しております。

 

最後になりましたが、保護者の皆様にお願いを申しあげます。

 

本日はご子息のご入学、誠におめでとうございます。夢は大きければ大きいほど、時として試練に出会うことがあるものです。そういう時は、どうかお子さんを温かく見守り、励ましていただきたいと思います。本校と致しましても教職員を挙げて、お子様の教育に全力を尽くす所存でございます。 ただ、教育は学校だけでは十分な効果を挙げることはできません。ご家庭の皆様のご協力が必要です。皆様方の学校運営へのご支援、ご協力をお願いいたします。

 

結びにあたり、新入生の皆さんのこれからの学生生活が、本当に充実したものとなりますよう心から祈念して、式辞と致します。

 

平成26年4月3日
新居浜工業高等専門学校長
鈴 木 幸 一