平成25年度 入学式校長式辞

新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。

 

今年は桜の開花が早く、桜の木々には若緑の葉が一斉に伸び、道前の野に新生の息吹が満ち満ちています。

 

今日この良き日に、本科新入生209名、専攻科新入生18名、本科編入生4名、留学生2名、あわせて233名の皆さんを新居浜工業高等専門学校にお迎えすることができましたことは、教職員の等しく喜びとするところであり、心より歓迎いたします。

 

また、ご列席の保護者、ご家族の皆様にも心からお慶び申し上げます。石川新居浜市長をはじめご来賓の方々には、お忙しい中この入学式にご臨席賜り、ありがとうございました。篤くお礼申し上げます。

 

新入生の皆さんは、今日新居浜高専の門をくぐり、これから始まる学園生活に胸をときめかせておられることと思います。皆さんは、立派な技術者になるという高い志をもって新たな出発をされました。この初心を忘れることなく、 有意義な学生生活を送ってほしいと思っています。また、新居浜高専という新たな環境で、新しい友達や先生方に出会うことになります。この人との出会いを大切にし、共に、人間として大きく成長していただきたいと思います。

 

新居浜市は別子銅山の採鉱・精錬を支える工業技術を下に工業都市として発展してきました。このため、多くの企業に多様な技術が蓄積されており、ものづくりの技術を学ぶには大変良い環境にあります。このような地域のものづくりを支える実践的技術者の養成を目的に、新居浜高専は1962年(昭和37年)に高専教育制度の1期校として設立され、昨年4月には創立50周年を迎えました。皆さんは、高専教育制度の新たな50年の一歩を踏み出される記念すべき学生となられました。これからも進化する高専の下で、グローバルに活躍できる実践的で創造的な技術者に成長していただきたいと考えています。

 

高専教育制度の最大の特徴は、専門の早期教育と、5年間一貫の教育の二つにあります。頭が柔軟な中学を卒業したばかりの時から専門教育を行う高専の早期教育は、大学における専門教育とは異なる教育ルートです。そう言う意味で高専生には、ユニークな発想をする技術者になることが期待されていると思います。また、5年間一貫教育であるため、途中で受験がなく落ち着いて勉学ができます。5年間という比較的長い時を同級生と過ごすことや、実験・実習などのグループ学習が多いこと、あるいは寮生活があることで、一生の友達を作る機会に恵まれています。皆さんには、喜びや苦しみ・悲しみをともに分かち合える、人生の友をつくってほしいと願っています。

 

高専では皆さんは新入生から学生として、また一人の大人として扱われ、自由な行動が許されています。ただ、自由には必ず責任が伴い、自由を享受するためには責任ある行動が基本であることを忘れないでいただきたいと思います。ルール、マナーを尊重し、いつも礼儀正しい行動をすることが大人への第一歩です。

 

また、自分から学び自分から習う、自学自習の精神を心がけてください。学校は学ぶ意思のあるものの集う場所であります。受験という制約 がない特徴を生かして、クラブ活動や各種行事にも自ら積極的に参加し、おおいに楽しむ中で、人間の幅を広げて下さい。本学の教職員はそのような学生を全力 で支援していくつもりです。

 

次に、遠く祖国を離れマレーシア及びカンボジアから来られた2名の留学生の皆さん。

 

早く新居浜の生活になじみ、日本人の学生や地域の人々と交流を深めるとともに、祖国の発展に貢献できる技術者に成長されることを期待しています。

 

また、専攻科の18名の皆さんには、技術者としての創造力と実践力を一層磨き上げ、国際的に通用するエンジニアを目指してほしいと思います。また、勉学だけでなく人格向上についても自己研鑽に励み、本科の学生の模範となられることを期待しております。

 

最後になりましたが、保護者の皆様にお願いを申しあげます。

 

本日はご子息のご入学、誠におめでとうございます。夢は大きければ大きいほど、時として試練に出会うことがあるものです。そういう時は、どうかお子さんを温かく見守り、励ましていただきたいと思います。本校と致しましても教職員を挙げて、お子様の教育に全力を尽くす所存でございます。 ただ、教育は学校だけでは十分な効果を挙げることはできません。ご家庭の皆様のご協力が必要です。皆様方の学校運営へのご支援、ご協力をお願いいたします。

 

結びにあたり、新入生の皆さんのこれからの学生生活が、本当に充実したものとなりますよう心から祈念して、式辞と致します。

 

平成25年4月8日
新居浜工業高等専門学校長
鈴 木 幸 一