平成24年度 第47回卒業式・第20回専攻科修了式校長式辞

国領川の岸の青草に新生の息吹を感じるようになったこの良き日に、ただ今新居浜高専の卒業証書を授与された本科生173名の卒業生、修了証書を授与された専攻科生28名の修了生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。

 

教職員を代表して心からお慶び申し上げます。

 

また、入学以来今日まで卒業される皆さんを支え、励ましてこられた保護者、ご家族の方にも心からお祝い申し上げますとともに、学校に対するこれまでのご支援、ご協力に対し深く感謝申し上げます。

 

また、ご多忙の中この晴れの式典にご臨席賜りました石川新居浜市長はじめ、ご来賓の皆様に篤くお礼申し上げます。

 

高専通り周辺はこの5年間で大きく変わりました。皆さんが入学された頃から新居浜駅前の再開発が本格的に始まり、そのとき開通した高専通り周辺には確実に家が増えてきています。日常気づかないかもしれませんが、皆さんもこの5年間で着実に成長したと思います。中学卒業直後から、ゆっくりとしかし着実に変化して今の皆さんに成長しました。これは苦しいこともあったかも知れませんが、友達と励まし合って勉強を継続してきた賜物です。

 

皆さんが学んだ新居浜高専は、高専としては全国に先駆け昭和37年(1962年)に創立され、昨年の4月には皆さんとともに創立50周年を祝いました。皆さんは永い歴史の中でこの記念すべき創立50周年という大きな節目に、新居浜高専の更なる出発とともに社会に巣立っていかれます。

 

いろいろな記念イベントを行う中で、皆さんの積極的な参加によって、母校の歴史や伝統を感じていただくとともに、新居浜高専への母校愛もはぐくんで頂いたものと感じています。

 

新居浜高専の建学の精神は、校歌の一節にある“叡知を磨き技を練り、われら新しき世の扉敲かん”であると思います。この“高度な理論を 修得し、更に実践的技術を身に付けた上で、ともに新しい世の発展に尽くしていこう”という高い志は、新居浜高専の伝統として今後とも引き継いでいきたいと思います。

 

新居浜高専は、これまで取り巻く社会情勢の変化にも適切に対応しながら、この実践的技術者の養成という使命を継続して果たしてきました。50周年記念事業を通して新居浜高専の歴史を振り返って改めて感じさせられたことは、組織であれ個人であれ、何かを成就するために最も重要なことは少しづつでも継続して努力することであるということでした。今後50年、先人の足跡を引き継ぎ、さらに発展させるためには卒業生となられる皆さんのご支援もいただきながら、学校としての組織のたゆまぬ工夫と努力が欠かせません。

 

皆さんがこれから社会に出て、仕事であれ、趣味であれ、何かを成就しようとするとき、必要なことはすぐにあきらめたり止めてしまうことなく継続していくことです。継続していると目立たないけれども永い年月には着実に変化していきます。いくら能力の有る人でも短期間で目標を達成できることはほとんどありません。目標に向かって着実にこつこつと継続して努力することこそが大きな力であると思います。

 

卒業生の皆さんのこれからの人生は大変長い道のりです。その人生行路の中でこれまでにもまして“継続こそが力なり”を実践していただきたいと思います。そして、いつか全ての皆さんに何らかの達成感を感じるような人生を送っていただきたいと思います。

 

高専卒業生は寮生活や同じ仲間との長期勉学などで生涯の友を得た人も多いと思います。この絆を大切にするとともに、同窓会組織などを通じて仲間の輪を広げていくことも新しい技術情報の交換に有益なだけでなく、人生の幅を広げることになると信じています。そのために、新居浜高専はいつまでも卒業生を見守り、できるだけの支援を続けるつもりです。それとともに、新たに卒業する皆さんが社会において諸先輩の活躍を引き継がれることも、母校の発展には不可欠です。

 

卒業生・修了生の皆さん、新居浜高専において5年間あるいは7年間で磨いた叡智と訓練で身に付けた技・実践力に自信を持って、大きく社会に羽ばたいてください。また、新居浜高専で学んだという誇りをいつまでも持ち続けてください。

 

最後になりましたが、留学生の皆さんは母国から遠い日本とくに新居浜の地での勉学生活にはご苦労があったことと思います。ご卒業、心よりお祝い申し上げます。いつまでも新居浜での想い出を忘れず、皆さんの母国と日本の親善友好の架け橋となっていただくことを切にお願い致します。

 

以上、卒業生・修了生の皆さんの健勝を祈念すると共に、社会での益々の活躍を期待して、式辞と致します。

 

平成25年3月18日
新居浜工業高等専門学校長
鈴 木 幸 一