【5/14】“PM2.5を低温で燃焼除去”本校教員の研究成果が日刊工業新聞に掲載されました。

本校生物応用化学科 中山 享 教授の研究成果が、日刊工業新聞(令和3年5月14日(金)27面)に「低温でPM2.5燃焼除去-新居浜高専、フィルター開発」の見出しで掲載されました。

 

この研究は、300℃以下の低温で集塵された炭素微粉を完全に燃焼分解除去できるセラミックスフィルターの開発に関するものです。炭素は大気中660℃以上に置くことで燃焼しますが、酸化ビスマス粉末に数重量パーセントの酸化タリウムを添加した炭素燃焼触媒を用いた場合は大気中230℃付近で炭素燃焼が可能です。この触媒をコートした多孔質セラミックスのフィルター上に堆積させた炭素微粉が、大気中230℃の条件下にて完全に燃焼除去できることを確認しました。

石炭火力発電所の煙道内やディーゼル車のマフラー内の温度のみで、フィルターに集塵されたPM2.5の主成分である炭素微粉を自然に燃焼除去でき、フィルターのメンテナンスが不要になる画期的技術です。

酸化タリウムの300℃以下での爆発的な炭素燃焼技術はすでに特許登録済みです。

 

本研究成果は、令和3年5月5日に英国科学誌『サイエンティフィック・リポーツ(Scientific Reports)』の電子版(オープンアクセス)に掲載されました。以下のURLから誰でも論文全内容の閲覧が可能です。
https://www.nature.com/articles/s41598-021-88776-6

 

また、日本語概要は以下のURLから読むことができます。
https://www.chem.niihama-nct.ac.jp/~nakayama/catalyst-2.pdf

 

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