【9/20】生物応用化学科で実施しているビデオ教材開発と反転授業に関する教育論文が学会誌に掲載されました。

中国・四国地区のうち化学系学科をもつ4高専の協働共有事業による共通シラバスの作成とビデオ教材開発に関する教育活動をまとめた論文が、本校生物応用化学科教員を主著者として学会誌「工学教育」に掲載されました。

本事業は、平成27年度に、本校を幹事校として高知高専、米子高専、宇部高専が協働して開始したものです。生物応用化学科の授業「化学工学」の授業内容を4高専で共通化して一定レベル以上に維持するとともに、これに対応するビデオ教材を作成してアクティブラーニングにも活用することを狙いとしています。平成29年度から段階的に授業に導入し、現在までに50本弱のビデオ教材を作成しました。本校では、作成したビデオ教材を用いて反転授業を行っています。反転授業とは、ビデオ教材で授業内容を予習してきて、授業中は学生同士が教え合いながら演習問題を解くスタイルの授業です。学生からは「ビデオは何度でも繰り返し見られるのでよい」「自分で教科書を読むより予習しやすい」などの声が聞かれました。今年度は、新型コロナウイルス感染症対策のため遠隔授業を余儀なくされましたが、すでにビデオ教材を作成済みだったため、容易に実施することができました。また、高専機構が運用する高専教材共有システムにビデオ教材を登録して他高専にも紹介し、反響を得ています。

ビデオ教材を用いた反転授業は、学生の主体的な学びを深めるのに有効な手法として注目されています。今後も新たな授業方法を積極的に取り入れ、さらなる授業改善に取り組んでいきます。

 

【文献情報】
掲載誌:工学教育 Vol.68, No.5, pp.15-20(2020)
題名:高専間協働共有事業による「化学工学」の共通シラバス作成およびビデオ教材開発
著者:衣笠 巧、西井靖博 他7名