【教育・研究活動】【4/6】田窪准教授らのグループが「ブレークスルー賞」を受賞しました。

 令和7年4月5日(日本時間4月6日(日))に米グーグルの創業者らが出資するブレークスルー財団が主催する自然科学の国際的な学術賞「ブレークスルー賞」が発表され、基礎物理学部門で、欧州合同原子核研究機関(CERN)にある大型ハドロン衝突型加速器(LHC)で行われている4つの国際共同実験(ALICE、ATLAS、CMS、LHCb)が受賞しました。ATLAS実験には、電気情報工学科・准教授の田窪洋介准教授が参加しており、検出器の開発・運転とデータ解析に貢献してきました。

 LHCは周長27kmの粒子加速器で、時計回りと反時計回りに周回する陽子または重イオンを衝突させ、そこで起こる物理現象を研究しています。計70か国以上から1万3千人以上の研究者が参加しており、2024年7月までに執筆されたLHC Run-2(2015年から2018年の第2期運転)データに基づいた論文の成果が評価されました。4つの国際共同実験への受賞理由は、「質量生成の対称性破れのメカニズムを実証するヒッグス粒子の特性の詳細測定、強い相互作用をする新粒子の発見、稀少プロセスと物質・反物質非対称性の研究、最も短い距離と最も極端な条件での自然の探求」です。ATLAS実験とCMS実験は2012年、万物に質量を与える素粒子であるヒッグス粒子を発見しました。理論を提唱したピーター・ヒッグス博士、フランソワ・アングレール博士は翌2013年、ノーベル物理学賞を受賞しています。