【教育・研究活動】【10/16】高エネルギー加速器研究機構 宮原房史氏と坂木泰仁氏による加速器人材育成のための講演会を開催しました。
令和7年10月16日(木)、高エネルギー加速器研究機構(KEK)加速器研究施設の准教授・宮原 房史 氏及び放射線科学センター助教・坂木 泰仁 氏をお招きし、加速器人材育成を目的とした講演会(題目:加速器科学で切り拓く先端量子技術)を開催しました。本講演会は電気情報工学科4年生を中心に全学科の学生を対象として実施し、オンラインで全国の国立高専にも同時配信を行いました。
加速器とは、電子などの電荷をもつ粒子を光の速度近くまで加速する装置です。もともとは素粒子の性質を解明するために開発され、加速した粒子同士を正面衝突させたり、物質に衝突させたりすることで、宇宙初期の高温高密度状態における物理現象を研究することができます。近年では、この技術が医療分野にも応用され、加速粒子でがん細胞を破壊する治療装置として利用されています。さらに、材料の構造解析や文化財の非破壊検査など、幅広い分野で活用されています。
宮原氏は、KEKにおいて加速器の開発や運転に携わる研究者で、講演では、加速器の基本的な仕組みや、その技術が活用されている最新の研究について紹介がありました。一方、坂木氏は、加速器で生成される放射線の安全対策を担当する放射線科学の専門家で、講演では、放射線の性質や、物質中での挙動を予測するシミュレーション研究について解説されました。また、両氏からは、加速器科学や放射線科学を学んだ後にどのような分野で活躍できるのかといったキャリアパスについても紹介があり、学生にとって将来を考える貴重な機会となりました。
講演会の終わりには質疑応答の時間が設けられ、会場及びオンラインの参加者から多くの質問が寄せられました。活発な意見交換が行われ、加速器や放射線に対する理解をより深める貴重な機会となりました。なお、この講演会はKEK加速器科学国際育成事業(IINAS-NX)の支援により開催することができました。



