平成29年度 シラバス
授業科目
法学
担当教員
芥川 祐征
開講期
通年
科目番号
104220
対象学年・学科・コース
5年 全学科
単位区分
選択必修・同時開講
単位数
2単位
授業概要・授業方針
本授業は、受講者が法学の基礎的な知識を修得したうえで、現代日本にみられる多様な法現象について複眼的に思考・判断し、法的な葛藤状況について明確な根拠をもとに解決方策を考察していくための技能を修得することを目的とする。なお、授業は講義+演習形式で行い、講義内容についてはプリントアウトして配布する。
(※生物応用化学科については,選択必修科目として扱う)
到達目標
  1. 現行法規に関する理論的背景をふまえて主要な解釈・判例について理解している。
  2. 社会における法の経験的機能をふまえて法と社会の総合作用について理解している。
  3. 法的な葛藤状況について正当性・妥当性・合理性のある主張をすることができる。
  4. 課題ごとに集団内での討論を通じて合意形成し、解決方策を提示することができる。
教科書
石川明・池田真朗・宮島司・安冨潔・三上威彦・大森正仁・三木浩一・小山剛編『法学六法’17』信山社、2017
参考書
末川博『法学入門(第6版補訂版)』有斐閣双書、2014
松井茂記・松宮孝明・曽野裕夫『はじめての法律学:HとJの物語(第4版)』有斐閣アルマ、2014
池田真朗・犬伏由子・野川忍・大塚英明・長谷部由起子『法の世界へ(第6版)』有斐閣アルマ、2014
南野森編『フリッジブック法学入門(第2版)』信山社、2014
宮澤節生・武藤勝宏・上石圭一・大塚浩『ブリッジブック法システム入門(第2版)』信山社、2011
授業要目 到達目標
との対応
自己点検
前期
1 法解釈学:法秩序の維持と解釈・正義 1
2 法制史:歴史・理論・体系の変容過程 2,3
3 憲法(1):近代国家の統治と権力分立 1,2,3
4 憲法(2):基本的人権と法の下の平等 1,3,4
5 憲法(3):違憲審査と国法秩序 1
6 立法過程:法律案の作成と国会審議 2,3
7 司法過程:裁判所の組織と構成 2,3
8 法律専門職:裁判官・検察官・弁護士 2
9 民事訴訟法:民事訴訟の手続と訴訟回避 1
10 刑法:違法性・責任と刑罰の類型 1,3,4
11 刑事訴訟法:刑事訴訟の手続と厳罰化 1,3
12 裁判外紛争処理(ADR)による自主的解決 2
13 行政過程:行政の法執行と地方自治 2,3,4
14 行政法:現代型としての行政訴訟制度 1,3
15 法社会学(1):法意識・法文化と相互作用 2,3,4
16 期末試験
17 試験返却・復習
後期 自己点検
1 民法:典型契約の種類と物権・債権 1,3
2 財産法(1):市民生活における契約の自由 1,3
3 消費者法:消費者被害の構造と救済措置 1,2,3
4 財産法(2):財産侵害による不法行為責任 1
5 知的財産権法:著作権の保護と利用範囲 1
6 家族法(1):結婚・離婚と親子関係 1
7 少年法:非行と家裁調査による観護措置 1,3,4
8 家族法(2):高齢化社会における扶養と相続 1
9 社会保障法:医療保障と給付行政 1,3,4
10 情報法(1):社会的名誉とプライバシー権 1
11 情報法(2):インターネット規制と表現の自由 1,3
12 労働法(1):雇用社会の変化と労働法制 1,3,4
13 労働法(2):労使協定における労働条件 1,3
14 労働法(3):労働組合と団体交渉・団体行動 1
15 法社会学(2):新しい権利の獲得と政策形成 2,3,4
16 期末試験
17 試験返却・復習
到達達成度の指標(ルーブリック)
到達
目標
理想的なレベル(A)の目安 標準的なレベル(B)の目安 未到達なレベル(C)の目安 自己評価
1 現行法規に関する理論を構造的にとらえ、主要な解釈や判例について理解している。 現行法規に関する一般的解釈について、判例の具体的内容からその特徴を理解している。 現行法規の背景にある理論と判例の内容について、対応させて理解していない。 A・B・C
2 法と社会の相互作用とその影響・機能について、通時的・共時的に理解している。 法使用の社会変化に対する影響と、法意識・法文化の法使用に対する影響を理解している。 法と社会の相互作用について個別現象としてとらえており、構造的に理解していない。 A・B・C
3 法的な葛藤状況について、正当性・妥当性・合理性を兼ね備えた主張をすることができる。 法的な葛藤状況について明確な根拠を提示したうえで、主張することができる。 法的な葛藤状況について根拠を提示できず、主張に偏見やバイアスが含まれている。 A・B・C
4 集団内での討論において合意形成を図ったうえで、解決方策を提示することができる。 集団内での討論において明確な根拠に基づいて、解決方策を提示することができる。 集団内での討論において合意が形成できず、解決方策も提示することができない。 A・B・C
到達度評価
試験50%  提出課題30%  集団討論20%
履修上の注意
各授業後に課題ワークシートの提出を求め、必要に応じて設定された課題に関してグループ・ディスカッションを通じた成果発表を行うため、他学科の学生とも積極的に議論をする習慣をつけること。また、授業に関する内容を検索するために、スマートフォン・タブレット端末の持込は許可するが、授業目的外での使用や他学生に対する学習権の侵害行為は禁止する。なお、年度末に追加課題・追試験その他補習などは行わない。
事前学習・自己学習・関連科目
事前学習・自己学習:各単元で扱う内容について、当該授業日までに六法または電子政府総合窓口「法令データ提供システム」(http://law.e-gov.go.jp/cgi-bin/idxsearch.cgi)に掲載してある関係条文を確認しておくこと。
関連科目:地理、倫理、歴史1、歴史2、政治・経済
学習・教育目標
(生産工学・機械工学コース) D-1
(生産工学・環境材料工学コース) D-1
(生物応用化学) D-1
(電子工学) D-3