授業科目 応用倫理学 |
担当教員 濱井 |
開講期 通年
| |
科目番号 104210 |
対象学年・学科・コース 5年生年 全学科 |
単位区分 同時開講 |
単位数 2単位 |
授業概要・授業方針
本科1年の「倫理」の授業で学習したことを基盤として,哲学・倫理学の先人達及び現代の思想家の考え方を用いて,現代社会の様々な問題を考えてみましょう。本授業では,「技術者倫理」を除く代表的な応用倫理学分野,「生命倫理」「戦争倫理」「多文化社会論」「環境倫理」等を幅広く採りあげます。
|
到達目標
|
|
授業要目 | 到達目標 との対応 |
自己点検 |
前期 |
1 | 哲学と倫理,そして応用倫理 | 1~4 | |
2 | 多文化社会論への導入:グローバリズムとリベラリズム | 1 | |
3 | ロールズの正義論 | 1 | |
4 | タブーと境界:倫理の民俗学的考察 | 1 | |
5 | ケベック問題から考える | 1 | |
6 | テイラーのコミュニタリアニズム | 1 | |
7 | ウォルツァーのコミュニタリアニズム | 1 | |
8 | 戦争倫理への導入:現代の戦争 | 2 | |
9 | カントの永遠平和論 | 2 | |
10 | ヘーゲルの戦争論 | 2 | |
11 | ウォルツァーの正戦論:開戦法規 | 2 | |
12 | ウォルツァーの正戦論:交戦法規 | 2 | |
13 | 保護する責任と人道的介入 | 2 | |
14 | 人間の安全保障論 | 2 | |
15 | 期末試験 | 1~2 |
後期 | 自己点検 |
1 | 生命倫理学への導入:人間の尊厳 | 3 | |
2 | トロッコ問題:功利主義と厳格主義 | 3 | |
3 | 生きる権利と死ぬ権利 | 3 | |
4 | 安楽死・尊厳死問題の現在 | 3 | |
5 | どこからが人間か?:人工妊娠中絶 | 3 | |
6 | どこまでが人間か?:脳死と臓器移植 | 3 | |
7 | 優生学とエンハンスメント | 3 | |
8 | 環境倫理学への導入:自然とは何か? | 4 | |
9 | なぜ解決しないのか?:人間中心主義 | 4 | |
10 | 自然を道徳の対象に:自然中心主義 | 4 | |
11 | 滅びよ人類!?:自然中心主義の行きつく果て | 4 | |
12 | 自然中心主義の妥協:自然の代理訴訟 | 4 | |
13 | 人間中心主義の復権:環境プラグマティズムと都市の環境倫理 | 4 | |
14 | 応用倫理学と現代社会 | 1~4 | |
15 | 期末試験 | 3~4 |
到達達成度の指標(ルーブリック) |
到達 目標 |
理想的なレベル(A)の目安 | 標準的なレベル(B)の目安 | 未到達なレベル(C)の目安 | 自己評価 |
1 | 多文化共生に必要な考え方を理解し,自由や平等などの近代以後の西洋的価値観を客観的に捉えて,異文化との実践的諸問題に有効な解答を考察することができる。 | 我々が普段当たり前だと考えている自由や平等などの価値観が,決して中立ではなく,ある場面では別種の不自由や不平等を生み出すことを理解し,多文化共生への問題意識を記述することができる。 | 自由や平等などの近代以後の西洋的価値観を無批判に受け入れ,それに反する考え方を単に間違っている,あるいは劣っていると見なしている。 | A・B・C |
2 | 諸外国や国連と日本の行動原理の違いとそれぞれの問題点を理解し,現代の紛争,内戦等の実践的問題を考察することができる。 | 戦時国際法や正戦論等,諸外国が戦争に対して日本とは異なった思想,行動原理を有していることを理解し,事例を分析することができる。 | 戦争について論じる際に,その背景構造と論点を理解せずに単に平和への感情を綴ることしかできない。 | A・B・C |
3 | 生命倫理的諸問題に対して,当事者やその家族,医療関係者当等の視点から考察すべき論点を多面的に抽出し,問題の全体像を把握したうえで自身の見解を述べることができる。 | 自己決定権やQuality of life等,人間の尊厳を巡る諸概念の意味を理解し,生命倫理的事例における論点の対立構造を記述することができる。 | 生命を巡る問題に際して,倫理的問題として取り組むのではなく単に自身の主観的な好き,嫌いでしか考察できない。 | A・B・C |
4 | 人間中心主義,自然中心主義の双方の立場を総体的に把握し,実践的な環境問題に対してそれらを応用的に用いて自身の見解を述べることができる。 | 人間中心主義,自然中心主義の長所と短所について理解し,それぞれの思想についてその特徴を記述することができる。 | 環境問題を単に技術的問題,あるいは個々人のボランティア精神に依存した問題として捉え,政治・社会的問題として捉える視点に欠けている。 | A・B・C |
到達度評価
期末試験(記述式)(70%),レポート課題(30%)により評価します。
|
||||||||||||
履修上の注意
本授業では,現代社会が実際に直面し,乗り越えなければならない実践的な問題を主に四つの領域に区分して考察します。日々ニュースになる話題においても,授業で学んだことを活かして考え,自分の意見をはっきりと表現できるようにしておきましょう。
|
||||||||||||
事前学習・自己学習・関連科目
提示された課題に取り組む際にも,講義プリント以外に図書館で本を借りる等,積極的な情報収集を心掛けましょう。 |
||||||||||||
学習・教育目標
|