現代社会と法シラバス

授業科目現代社会と法	担当教員芥川　祐征		開講期前期
科目番号 600104	対象学年・学科・コース 2年全専攻	単位区分選択必修・同時開講学修単位	単位数 2単位

授業概要・授業方針

本授業は、受講者が現代日本における社会問題について背景を理解したうえで、規制立法の趣旨と訴訟を通じた法使用の効果を解明し、調査票による実態調査から明確な根拠をもとに解決方策を提示していくための技能を修得することを目的とする。本年度の社会調査については、「学生アルバイトにおける労働問題」を扱う。なお、授業は講義＋演習＋ゼミ形式で行い、講義内容についてはプリントアウトして配布する。

到達目標

現代日本における社会問題の背景について経年的に理解している。
社会科学における調査の理論と基礎的な方法論について理解している。
社会調査を実施し、現代日本における社会問題の実態を析出することができる。
調査結果をもとに集団内で合意形成を図り、解決策を提示することができる。

教科書: 石川明・池田真朗・宮島司・安冨潔・三上威彦・大森正仁・三木浩一・小山剛編『法学六法’17』信山社、2017
参考書: 角田猛之『日本社会と法：〈法と社会〉のトピック分析』晃洋書房、2013; 村山眞維・濱野亮『法社会学（第2版）』有斐閣アルマ、2012; 大谷信介・木下栄二・後藤範章・小松洋編『新・社会調査へのアプローチ：論理と方法』ミネルヴァ書房、2013; 中村隆英『昭和史Ⅱ：1945-89』東洋経済新報社、1993; 水町勇一郎『労働法（第3版）』有斐閣、2010; 大内裕和・今野晴貴『ブラックバイト』堀之内出版、2015

授業要目

到達目標
との対応

自己点検

1	法社会学の現代的意義と課題	1
2	現代日本における立法過程と行政過程	1,2
3	現代日本における労働法制と労働者の権利	1,2
4	課題発表（1）：国会会議録分析と立法の趣旨	1,2,3
5	戦前・戦中期：国家統制経済と垂直的生産体制	1
6	戦後復興期：GHQ/SCAP主導による労働改革	1
7	高度成長期：完全雇用の達成と所得水準向上	1
8	安定成長期：公共事業の拡大と雇用の国際化	1
9	バブル崩壊後：長期デフレ不況と雇用の流動化	1
10	課題発表（2）：裁判所判例分析と法使用の効果	1,2,3
11	社会調査：調査倫理と定量的・定性的データ分析	1,2
12	調査設計：ワーディングとサンプリングの方法論	1,2
13	調査実施：データの集計・加工・分析と仮説検証	1,2
14	課題発表（3）：調査票調査と社会問題の実態	1,2,3
15	総括：学生のアルバイト労働実態と改善策提言	1,2,3,4
16	期末試験
17	試験返却・復習

到達達成度の指標（ルーブリック）

到達目標	理想的なレベル（Ａ）の目安	標準的なレベル（Ｂ）の目安	未到達なレベル（Ｃ）の目安	自己評価
1	現代日本にみられる社会問題の変容過程について、経時的因果関係を理解している。	現代日本にみられる社会問題について、戦後からの主要な出来事を理解している。	現代日本にみられる社会問題について、主要な出来事の相互関係を理解していない。	Ａ・Ｂ・Ｃ
2	社会調査の理論と方法論を理解したうえで、社会調査を企画・設計することができる。	社会調査の理論に加えて、調査を実施するための方法論についても理解している。	社会調査の理論と方法論を理解しておらず、社会調査を企画・設計できない。	Ａ・Ｂ・Ｃ
3	企画・設計どおりに調査を実施し、現代日本の社会問題の実態を析出することができる。	調査倫理に従って社会調査を実施し、実態把握のための資料を収集することができる。	調査倫理に反したり、企画・設計どおりに社会調査を実施できすることができない。	Ａ・Ｂ・Ｃ
4	データの分析結果について集団内で合意形成を図り、解決策を提示することができる。	調査で得られたデータを正当かつ妥当な方法で分析し、解決策を考察することができる。	調査で得られたデータから解決策を提示できず、主張に偏見やバイアスが含まれている。	Ａ・Ｂ・Ｃ

到達度評価

試験70％　　課題発表・集団討論30％

履修上の注意

各課題において受講者はレジュメの作成と報告を行うが、ゼミ形式によりグループ・ディスカッションを行うため、積極的に議論をする習慣をつけること。受講者の調査テーマについては、初回授業時に決定する。また、授業に関する内容を検索するために、スマートフォン・タブレット端末の持込は許可するが、授業目的外での使用は禁止する。

事前学習・自己学習・関連科目

事前学習：各単元で扱う戦後日本の労働法制について、当該授業日までに六法または電子政府総合窓口「法令データ提供システム」（http://law.e-gov.go.jp/cgi-bin/idxsearch.cgi）に掲載してある関係条文を確認しておくこと。
自己学習：課題報告（3回）ごとにレジュメの作成を課す。内容については別途授業中に指示する。
関連科目：地理、倫理、歴史１、歴史２、政治・経済、応用倫理学、法学、歴史特論、日本国憲法、社会科学概論

学習・教育目標

（生産工学・機械工学コース）		D-1
（生産工学・環境材料工学コース）		D-1
（生物応用化学）		D-1
（電子工学）		C-1