平成29年度 シラバス
授業科目
有機工業化学
担当教員
(前期)兵田 俊治・(後期)堤 主計
開講期
通年
科目番号
140503
対象学年・学科・コース
5年 生物応用化学科
単位区分
選択必修
学修単位
単位数
2単位
授業概要・授業方針
現在、身の回りの生活用品の8 割以上が有機化合物から製造されている。有機工業化学では、有機化学及び合成化学で学んだ基礎知識を基にして、石油化学製品の反応や製造法を学び、さらに高分子物質及び機能性物質の標準的な製造法及び基礎的な性質を学ぶ。さらに、有機工業化学と特許等の知的財産権の関連性を学び、自ら化学技術者として化学工業、社会に貢献できる実践的な知識・素養を身に付けることを目標とする。
到達目標
  1. 有機工業化学における石油製品や有機工業製品の製造について説明できること
  2. 石油コンビナート等災害防止法、公害対策防止法などの工場の操業における安全対策の基礎事項について説明できること
  3. 有機工業化学製品の基本的な化合物の名称および構造式を書くことができ、著名な製造プロセスについて説明できること
  4. 物質収支の計算ができ、その結果からコストを認識し、プロセス改良に活用できること
  5. 知的財産権に関する知識を身につけることができること
教科書
有機工業化学  園田昇 他編  (化学同人) および配布プリント
参考書
有機工業化学概論  吉田高年 他著  (培風館)
産業財産権標準テキスト 総合編・特許編 (工業所有権情報・研修館)
授業要目 到達目標
との対応
自己点検
前期
1 有機工業化学とは 1,2
2 炭化水素の熱分解:物質収支(1)(エステル誘導体反応プロセス) 1,4
3 芳香族炭化水素の製造法:物質収支(2)(フローシート計算−反応・蒸留) 1,4
4 エチレンからの誘導体の合成:物質収支(3)(フローシート計算−反応・蒸留) 1,4
5 プロピレンからの誘導体の合成:物質収支(4)(原単位) 1,4
6 環状脂肪族炭化水素の利用:物質収支(5)(比例費) 1,4
7 芳香族炭化水素からの誘導体、新しい化学原料体系:物質収支(6)(エステル誘導体物質収支の計算) 1,4
8 中間試験
9 高分子合成法、および知的財産権:特許になる発明とは 3,5
10 プラスチック、および知的財産権:特許電子図書館(IPDL)による検索 3,5
11 熱可塑性樹脂、および知的財産権:特許請求の範囲と明細書の書き方(1) 3,5
12 熱硬化性樹脂、および知的財産権:特許請求の範囲と明細書の書き方(2) 3,5
13 ゴム、エラストマー、および知的財産権:特許出願後の手続 3,5
14 繊維、および知的財産権:外国に特許を出願する場合 3,5
15 機能性高分子、および知的財産権:日本特許とU.S.P.との比較 3,5
16 期末試験
17 答案返却、復習
後期 自己点検
1 石油の組成と性状 1,2
2 石油の精製と転化 1,2
3 石油化学工業における環境問題と対策(1)(学生によるプレゼン) 1,2
4 石油化学工業における環境問題と対策(2)(学生によるプレゼン) 1,2
5 合成基礎原料の製造 3
6 エチレンからの誘導体の合成方法 3
7 プロピレンからの誘導体の合成方法 3
8 中間試験
9 芳香族炭化水素からの誘導体の合成方法 3
10 石油化学工業(プラスチック)(1) 3
11 石油化学工業(プラスチック)(2) 3
12 石油化学工業(油脂)(1) 3
13 石油化学工業(油脂)(2) 3
14 石油化学工業(染料) 3
15 石油化学工業(香料) 3
16 期末試験
17 答案返却、復習
到達達成度の指標(ルーブリック)
到達
目標
理想的なレベル(A)の目安 標準的なレベル(B)の目安 未到達なレベル(C)の目安 自己評価
1 有機工業化学における各種製品の製造について理解し、説明ができる 有機工業化学における各種製品の製造について理解している 有機工業化学における各種製品の製造について理解できない A・B・C
2 安全対策の基礎事項について理解し、説明ができる 安全対策の基礎事項について理解している 安全対策の基礎事項について理解できない A・B・C
3 有機工業化学製品の名称と構造式、そして製造プロセスについて理解し、説明ができる 有機工業化学製品の名称と構造式、そして製造プロセスについて理解している 有機工業化学製品の名称と構造式、そして製造プロセスについて理解できない A・B・C
4 物質収支計算からコストを認識し、プロセス改良に活用できる 物質収支の計算ができる 物質収支の計算ができない A・B・C
5 知的財産権を理解し、その明細書を読みとることができる 知的財産権を理解している 知的財産権を理解できない A・B・C
到達度評価
前期中間:定期試験(75%)、課題提出物(25%)
前 期 末 :定期試験(75%)、課題提出物(15%)、知的財産プレゼン(10%)
後期中間:定期試験(70%)、課題提出物(20%)、プレゼン(10%)
学 年 末 :定期試験(70%)、課題提出物(30%)
履修上の注意
身の回りのほとんどが工業製品、中でも有機工業製品で構成されている。それらは、どんな物質で構成されているか、どのようにして作るのか、どんな性質を有しているか、どんな用途が有るか、使い勝手はどうか、工業化への道のりはどのようになっているか、いろいろ考える所に進歩があり、次の課題を見つけることができる。大学・公的機関・会社での研究・仕事を通して社会に貢献する為の基礎として、有機工業化学は有意義な科目である。地球温暖化と化石燃料の関係、代替エネルギーについても考えよう! 技術者に必須である知的財産権の権利と責任について学びましょう!
この科目は学修単位科目であるので、(90時間−講義時間)以上の自学自習を必要とする。したがって、科目担当教員が課した課題の内、(90時間−講義時間)× 3/4 時間以上に相当する課題提出がないと単位を認めない。
事前学習・自己学習・関連科目
有機化学1,2 や合成化学の知識が必要となるので復習をしておくこと。また、生物応用化学専攻の高分子化学概論、理論有機化学、有機合成化学、および化学特許概論へ続く。
学習・教育目標
(生産工学・機械工学コース)
(生産工学・環境材料工学コース)
(生物応用化学) A-1、B-4、C-1
(電子工学)