平成29年度 シラバス
授業科目
生物物理化学2
担当教員
勝浦 創
開講期
前期
科目番号
140501
対象学年・学科・コース
5年 生物応用化学科
単位区分
選択必修
学修単位
単位数
1単位
授業概要・授業方針
4年生の物理化学2において学習した熱力学の化学、生物化学への応用として、化学平衡と相平衡について授業をおこなう。化学ポテンシャルによる化学平衡と相平衡の条件式から出発し、質量作用の法則、ルシャトリエの法則が熱力学的に成り立つことを示す。
到達目標
  1. 平衡の条件をギブズエネルギー・ヘルムホルツエネルギーや化学ポテンシャルを用いて表すことができること。
  2. 標準ギブズエネルギーと平衡定数の関係式を示すことができること。
  3. 熱力学データから反応の平衡定数を計算できること。
  4. ファントホッフの式を用いて、反応熱や任意の温度における平衡定数を計算できること。
  5. 圧力変化と平衡定数の関係式を示し、任意の圧力における平衡定数を計算できること。
  6. ギブズの相律の式を示し、自由度を計算できること。
  7. クラペイロンの式・クラペイロン‐クラウジウスの式を気‐液平衡、固‐液平衡、固‐気平衡に適用できること。
教科書
基礎物理化学 杉原剛介 他著 (学術図書出版)
生物物理化学2配布プリント 勝浦作成
参考書
化学・生命科学系のための物理化学 レイモンド・チャン 著 岩澤康裕 他訳 (東京化学同人)
生命科学のための物理化学(上)  アイゼンバーグ・クロサーズ 著 西本吉助 他訳  (培風館)
化学熱力学 原田義也 著 (裳華房)
化学を学ぶ人のための基礎数学 ピータ・デビット 著 北浦和夫 他訳(化学同人)
授業要目 到達目標
との対応
自己点検
1 ヘルムホルツエネルギーとギブズエネルギー 1
2 熱力学の関係式:マックスウェルの関係式、ギブズ‐ヘルムホルツの式  1
3 開いた系と化学ポテンシャルの性質 1
4 理想気体の化学ポテンシャル 1
5 質量作用の法則:標準ギブズエネルギー変化と平衡定数の関係 2
6 圧平衡定数の表し方、圧平衡定数と濃度平衡定数の関係 3
7 標準生成ギブズエネルギーと反応における標準ギブズエネルギー変化の計算 3
8 中間試験
9 試験返却・解説
10 標準状態における平衡定数と平衡組成の計算 3
11 平衡定数の温度変化:ファントホッフの式、ル・シャトリエの原理 4
12 任意の温度での平衡定数の計算 4
13 平衡定数の圧力変化:ル・シャトリエの原理 5
14 ギブズの相律の導出:自由度の計算 6
15 クラペイロンの式・クラペイロン‐クラウジウスの式の導出:気相−液相平衡、気相−固相平衡、液相−固相平衡  7
16 期末試験
17 試験返却・解説・復習
到達達成度の指標(ルーブリック)
到達
目標
理想的なレベル(A)の目安 標準的なレベル(B)の目安 未到達なレベル(C)の目安 自己評価
1 平衡の条件をギブズエネルギー・ヘルムホルツエネルギーや化学ポテンシャルを用いて論理的に説明できる。 平衡の条件をギブズエネルギー・ヘルムホルツエネルギーや化学ポテンシャルを用いて表すことができる。 平衡の条件をギブズエネルギー・ヘルムホルツエネルギーや化学ポテンシャルを用いて表すことができない。 A・B・C
2 標準ギブズエネルギーと平衡定数の関係式を導くことができる。 標準ギブズエネルギーと平衡定数の関係式を示すことができる。 標準ギブズエネルギーと平衡定数の関係式を示すことができない。 A・B・C
3 熱力学データから反応の平衡定数を計算できる。 熱力学データから簡単な反応の平衡定数を計算できる。 熱力学データから反応の平衡定数を計算できない。 A・B・C
4 ファントホッフの式を用いて、反応熱や任意の温度における平衡定数を計算できる。 ファントホッフの式を用いて、簡単な反応の反応熱や任意の温度における平衡定数を計算できる。 ファントホッフの式を用いて、反応熱や任意の温度における平衡定数を計算できるない。 A・B・C
5 圧力変化と平衡定数の関係式を示し、任意の圧力における平衡定数を計算できる。 圧力変化と平衡定数の関係式を示し、簡単な反応の任意の圧力における平衡定数を計算できる。 圧力変化と平衡定数の関係式を示し、任意の圧力における平衡定数を計算できない。 A・B・C
6 ギブズの相律の式を導き、自由度を計算できる。 ギブズの相律の式を示し、自由度を計算できる。 ギブズの相律の式を示し、自由度を計算できない。 A・B・C
7 クラペイロンの式・クラペイロン‐クラウジウスの式を導け、気‐液平衡、固‐液平衡、固‐気平衡に適用できる。 クラペイロンの式・クラペイロン‐クラウジウスの式を気‐液平衡、固‐液平衡、固‐気平衡に適用できる。 クラペイロンの式・クラペイロン‐クラウジウスの式を気‐液平衡、固‐液平衡、固‐気平衡に適用できない。 A・B・C
到達度評価
成績は、中間試験と期末試験の結果を90%、レポートを10%として評価する。
履修上の注意
この科目は学修単位科目であるので、(45時間―講義時間)以上の自学自習を必要とする。したがって、科目担当教員が課した課題の内、{(45時間―講義時間)x3/4}以上に相当する課題提出がないと単位を認めない。
事前学習・自己学習・関連科目
事前学習:物理化学1、2の復習を行うこと。
自己学習:配布プリントを予習・復習し課題を自分で考えて解くこと。
関連科目:化学工学、分析化学、無機化学、有機化学、生物化学
学習・教育目標
(生産工学・機械工学コース)
(生産工学・環境材料工学コース)
(生物応用化学) B-4
(電子工学)