授業科目 物理化学2 |
担当教員 河村 秀男 |
開講期 通年
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科目番号 140410 |
対象学年・学科・コース 4年 生物応用化学科 |
単位区分 必修 学修単位 |
単位数 2単位 |
授業概要・授業方針
物理化学の柱の1つである熱力学について、その基本原理である熱力学第一法則、第二法則、第三法則とこれらの法則の化学への応用についての授業をおこなう。熱力学の知識を用いることで、これまでに学んできた物理変化や化学変化を統一して、定量的に説明できることを理解させる。図や具体例を用いた説明、演習問題を解かせることで、基礎的問題を理解して解くことができる学力を身につけさせる。
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到達目標
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授業要目 | 到達目標 との対応 |
自己点検 |
前期 |
1 | 熱力学で使用される用語:系、外界、状態量、状態変数 | 1 | |
2 | 体積変化に伴う仕事と温度変化に伴う熱量 | 2 | |
3 | 熱力学第一法則:熱量、仕事、内部エネルギー | 3 | |
4 | 準静的過程:体積変化に伴う仕事 | 3 | |
5 | 内部エネルギー変化とエンタルピー変化:定圧条件と定積条件 | 4 | |
6 | 熱容量:定圧条件と定積条件 | 2,4 | |
7 | 温度変化に伴う熱量 | 2,4 | |
8 | 中間試験 | ||
9 | 理想気体の並進運動エネルギー、回転運動エネルギー、平均速度 | 4 | |
10 | ジュールの実験:内部エネルギーの分子論的解釈、マイヤーの関係式 | 4,12 | |
11 | 理想気体の断熱変化:ポアソンの式 | 4,12 | |
12 | 化学反応に伴う標準反応熱 | 5 | |
13 | 化学反応に伴う任意の温度における反応熱:キルヒホッフの式 | 5,12 | |
14 | 熱力学第一法則(エネルギー保存則)では説明できない現象 | 6 | |
15 | 熱力学第二法則:トムソンの原理とクラウジウスの原理 | 6 | |
16 | 期末試験 | ||
17 | 試験返却、復習 |
後期 | 自己点検 |
1 | 熱機関とカルノーサイクル | 7 | |
2 | カルノーサイクルの効率 | 7 | |
3 | 熱力学第二法則:エントロピー | 6 | |
4 | 状態変化に伴うエントロピー変化:理想気体の体積変化 | 8 | |
5 | 温度変化に伴うエントロピー変化:定圧条件と定積条件 | 8 | |
6 | 相変化に伴うエントロピー変化 | 8 | |
7 | 混合に伴うエントロピー変化:理想気体の混合 | 8 | |
8 | 中間試験 | ||
9 | 熱力学第三法則:ネルンストの熱定理とプランクによる表現 | 9 | |
10 | エントロピーの分子論的解釈:ボルツマンによる表現 | 9 | |
11 | 化学反応に伴う標準エントロピー変化、任意の温度におけるエントロピー変化 | 10 | |
12 | 断熱系における可逆変化と不可逆変化に伴うエントロピー変化 | 11 | |
13 | 等温・定圧条件における可逆変化と不可逆変化に伴うギブズエネルギー変化 | 11 | |
14 | 等温・定積条件における可逆変化と不可逆変化に伴うヘルムホルツエネルギー変化 | 11 | |
15 | 熱力学の関係式:マクスウェルの関係式とギブズ‐ヘルムホルツの式 | 12 | |
16 | 期末試験 | ||
17 | 試験返却、復習 |
到達達成度の指標(ルーブリック) |
到達 目標 |
理想的なレベル(A)の目安 | 標準的なレベル(B)の目安 | 未到達なレベル(C)の目安 | 自己評価 |
1 | 状態量について説明でき、示量性状態量と示強性状態量の違いと例を挙げることができる。状態量の微小変化を全微分を用いて表すことができる。 | 状態量について説明でき、示量性状態量と示強性状態量の違いと例を挙げることができる。 | 状態量について説明できない。示量性状態量と示強性状態量の違いと例を挙げることができない。 | A・B・C |
2 | 可逆過程、不可逆過程における体積変化に伴う仕事と温度変化に伴う熱量が計算できる。 | 可逆過程における体積変化に伴う仕事、温度変化に伴う熱量が計算できる。 | 体積変化に伴う仕事、温度変化に伴う熱量が計算できない。 | A・B・C |
3 | 熱力学第一法則の内容を説明でき、数式で表すことができる。第一種永久機関の装置の例を挙げ、説明できる。 | 熱力学第一法則の内容を説明でき、数式で表すことができる。 | 熱力学第一法則の内容を説明できず、数式でも表すことができない。 | A・B・C |
4 | 温度と熱容量の関係式を用いて、温度変化に伴う内部エネルギー変化とエンタルピー変化が計算できる。 | 温度によって変化しない熱容量の値を用いて、温度変化に伴う内部エネルギー変化とエンタルピー変化が計算できる。 | 温度によって変化しない熱容量の値を用いて、温度変化に伴う内部エネルギー変化とエンタルピー変化が計算できない。 | A・B・C |
5 | 標準反応熱と温度と熱容量の関係式を用いて、任意の温度における反応熱が計算できる。 | 標準反応熱と温度によって変化しない熱容量の値を用いて、任意の温度における反応熱が計算できる。 | 標準反応熱と温度によって変化しない熱容量の値を用いて、任意の温度における反応熱が計算できない。 | A・B・C |
6 | 熱力学第二法則の内容を説明でき、数式で表すことができる。第二種永久機関の例を挙げ、説明できる。 | 熱力学第二法則の内容を説明でき、数式で表すことができる。 | 熱力学第二法則の内容を説明できず、数式で表すことができない。 | A・B・C |
7 | カルノーサイクルについて説明でき、効率を与える式を導出し、計算ができる。 | カルノーサイクルについて説明でき、効率が計算できる。 | カルノーサイクルについて説明できず、効率が計算できない。 | A・B・C |
8 | 理想気体の体積変化、温度変化、相変化に伴うエントロピー変化を与える式を導出し、計算ができる。理想気体の混合に伴うエントロピー変化が計算できる。 | 理想気体の体積変化と混合、温度変化、相変化に伴うエントロピー変化が計算できる。 | 理想気体の体積変化と混合、温度変化、相変化に伴うエントロピー変化が計算できない。 | A・B・C |
9 | 熱力学第三法則の内容を説明でき、数式で表すことができる。残余エントロピーの計算ができる。 | 熱力学第三法則の内容を説明でき、数式で表すことができる。 | 熱力学第三法則の内容が説明できず、数式で表すことができない。 | A・B・C |
10 | 標準エントロピー変化と温度と熱容量の関係式を用いて、任意の温度におけるエントロピー変化が計算できる。 | 標準エントロピー変化と温度によって変化しない熱容量の値を用いて、任意の温度におけるエントロピー変化が計算できる。 | 標準エントロピー変化と温度によって変化しない熱容量の値を用いて、任意の温度におけるエントロピー変化が計算できない。 | A・B・C |
11 | エントロピー、ギブズエネルギー、ヘルムホルツエネルギーを用いて、自発変化の方向と平衡条件を表すことができる。 | エントロピー、ギブズエネルギー、ヘルムホルツエネルギーを用いて、平衡条件を表すことができる。 | エントロピー、ギブズエネルギー、ヘルムホルツエネルギーを用いて、平衡条件を表すことができない。 | A・B・C |
12 | 熱力学第一法則、第二法則と定義式から、内部エネルギー、エンタルピー、ギブズエネルギー、ヘルムホルツエネルギーの微小変化を与える式を導き、マクスウェルの関係式を導出することができる。これらの関係式を用いて、ギブズ‐ヘルムホルツの式など、他の関係式を導くことができる。 | 熱力学第一法則、第二法則と定義式から、内部エネルギー、エンタルピー、ギブズエネルギー、ヘルムホルツエネルギーの微小変化を与える式を導き、マクスウェルの関係式を導出することができる。 | 熱力学第一法則、第二法則と定義式から、内部エネルギー、エンタルピー、ギブズエネルギー、ヘルムホルツエネルギーの微小変化を与える式を導くことができず、マクスウェルの関係式を導出することができない。 | A・B・C |
到達度評価
中間試験と期末試験の結果を80%、小テストを10%、各授業において課したレポートを10%として評価する。 |
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履修上の注意
この科目は学修単位であるので、(90時間‐講義時間)以上の自学自習を必要とする。したがって、科目担当教員が課した課題の内、{(90時間‐講義時間)x 3/4}以上に相当する課題提出がないと単位を認めない。 |
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事前学習・自己学習・関連科目
偏微分と全微分をよく使用するので、3年生の数学(数学A-3)の授業で学習した偏導関数の内容を復習しておくこと。式を暗記すること以上に式の物理的意味を理解しようとすることが大切です。なぜそうなるのかということを常に意識しながら、レポート、課題を自分で解いてください(定期試験の勉強にもなります)。 |
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学習・教育目標
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