平成29年度 シラバス
授業科目
生物物理化学1
担当教員
橋本 千尋
開講期
前期
科目番号
140409
対象学年・学科・コース
4年 生物応用化学科
単位区分
選択必修
学修単位
単位数
1単位
授業概要・授業方針
物理化学は大きく分類すると、平衡論と速度論からなる。本科で学ぶ物理化学の主な内容は、物理化学2で学習する化学熱力学を中心とした平衡論であるが、本科目では速度論について授業をおこなう。速度論を学ぶことで、平衡論では得られない反応機構に関する知識を得ることができる。具体例として、酵素反応を取り上げる。さらに生体内で起こる現象を理解する上で重要である界面とコロイドについても概説する。
到達目標
  1. 与えられた素反応から速度式を示すことができ、1次反応と2次反応については積分型速度式を導くことができること。
  2. 積分型速度式から半減期や速度定数の計算ができること。
  3. 可逆反応と逐次反応の素反応について、公式を使って積分型速度式を導くことができること。
  4. 定常状態近似を用いてミカエリスーメンテン式を導くことができること。
  5. アレニウスの式を用いて、活性化エネルギーの計算ができること。
  6. コロイドの定義、分類、実例、およびその運動を説明できること。
  7. 界面の定義と特徴、表面張力の測定法・計算法を説明できること。
教科書
PEL物理化学  福地賢治編著  (実教出版)
生物物理化学1配布プリント 橋本作成
参考書
アトキンス 物理化学(下) (東京化学同人)
入門コロイドと界面の科学 鈴木四郎・近藤保 著(三共出版)
授業要目 到達目標
との対応
自己点検
1 ガイダンス、反応速度式の立て方 1
2 反応式と反応次数の関係、反応次数の実験的決定法 1-2
3 積分型速度式の導出:1次反応と2次反応 1-2
4 半減期の定義:1次反応と2次反応における半減期 1-2
5 素反応の速度式:可逆反応の速度式の立て方と積分型速度式の導出 3
6 素反応の速度式:逐次反応の速度式の立て方と積分型速度式の導出 3
7 定常状態近似について 4
8 中間試験 1-4
9 中間試験の復習 1-4
10 酵素反応:反応速度式の立て方 4
11 ミカエリスーメンテン式の導出 4
12 反応速度の温度依存性:アレニウスの式 5
13 活性化エネルギーの求め方 5
14 コロイドの定義、分類、運動(ブラウン運動沈降、粘度、拡散) 6
15 表面張力の定義、表面張力の測定法・計算法 7
16 期末試験 1-7
17 期末試験の復習 1-7
到達達成度の指標(ルーブリック)
到達
目標
理想的なレベル(A)の目安 標準的なレベル(B)の目安 未到達なレベル(C)の目安 自己評価
1 与えられた素反応から速度式を示すことができ、1次反応と2次反応(一般型)については積分型速度式を導くことができる。 与えられた素反応から速度式を示すことができ、1次反応と2次反応(同一分子同士の反応のみ)については積分型速度式を導くことができる。 与えられた素反応から速度式を示すことができない。 A・B・C
2 積分型速度式から半減期や速度定数の計算ができる。 積分型速度式から半減期や速度定数の簡単な計算ができる。 積分型速度式から半減期や速度定数の簡単な計算ができない。 A・B・C
3 可逆反応と逐次反応の素反応について、公式を使って積分形速度式を導くことがでる。公式の証明も行うことができる。 可逆反応と逐次反応の素反応について、公式を使って積分形速度式を導くことができる。 可逆反応と逐次反応の素反応について、公式を使って積分形速度式を導くことができない。 A・B・C
4 定常状態近似を用いてミカエリスーメンテン式を導くことができ、式の意味を説明することができる。 定常状態近似を用いてミカエリスーメンテン式を導くことができる。 定常状態近似を用いてミカエリスーメンテン式を導くことができない。 A・B・C
5 アレニウスの式を説明することができ、アレニウスの式を用いて活性化エネルギーの計算ができる。 アレニウスの式を用いて、活性化エネルギーの計算ができる。 アレニウスの式を用いて、活性化エネルギーの計算ができない。 A・B・C
6 コロイドの定義、分類、実例、およびその運動を十分に説明できる。 コロイドの定義、分類、実例、およびその運動を説明できる。 コロイドの定義、分類、実例、およびその運動を説明できない。 A・B・C
7 界面の定義と特徴、表面張力の測定法・計算法を十分に説明できる。 界面の定義と特徴、表面張力の測定法・計算法を説明できる。 界面の定義と特徴、表面張力の測定法・計算法を説明できない。 A・B・C
到達度評価
この科目は学修単位科目であるので、(45時間―講義時間)以上の自学自習を必要とする。したがって、科目担当教員が課した課題の内、{(45時間―講義時間)x3/4}以上に相当する課題提出がないと単位を認めない。
成績は、中間試験と期末試験の結果を80%、小テストを10%、各授業において課したレポートを10%として評価する。
履修上の注意
レポートと課題は納得するまでよく考え、自分で解くことが大切です(定期試験の準備にもなります)。
事前学習・自己学習・関連科目
積分型速度式の導出において、微分型方程式を解くことが必要となります。3年生の数学(数学B‐3)の授業で学習した変数分離形と1階線形微分方程式の解き方を復習しておくこと。
学習・教育目標
(生産工学・機械工学コース)
(生産工学・環境材料工学コース)
(生物応用化学) B-1、B-4
(電子工学)