平成29年度 シラバス
授業科目
物理化学特論
担当教員
勝浦 創
開講期
後期
科目番号
630013
対象学年・学科・コース
1年 生物応用化学専攻
単位区分
必修
単位数
2単位
授業概要・授業方針
 活量の概念を理解し、実在溶液の熱力学についての理解を深めさせる。また近年進歩が激しいナノ粒子の挙動についての理解させる。最後に化学反応の速度論までを物理化学の観点から総括的に理解させることを目的とする。
到達目標
  1. 活量と活量係数について説明できること。
  2. 非イオン性溶液の活量係数について説明できること。
  3. イオン性溶液の取り扱い、特にデバイ・ヒュッケルの極限則について説明できること。
  4. 電気二重層の概念を説明できること。
  5. ギブズの吸着の式を説明できること。
  6. コロイド分散系の熱力学について説明できること。
  7. 界面の熱力学について説明できること。
  8. 気体分子の衝突について説明できること。
  9. 衝突理論を理解してアレニウスプロットを説明できること。
  10. 活性錯合体理論を理解してアイリングプロットを説明できること。
  11. 様々な化学反応の速度式を導けること。
  12. 束一性を化学ポテンシャルの観点から説明できること。
教科書
アトキンス物理化学(上)第8版 アトキンス 著 千原秀昭 他訳  (東京化学同人)
物理化学特論配布プリント 勝浦作成
参考書
アトキンス物理化学(下)第8版 アトキンス 著  千原秀昭 他訳   (東京化学同人)
マッカーリ サイモン 物理化学(下) 分子論的アプローチ  千原秀昭 他訳  (東京化学同人)
分子間力と表面力第3版 イスラエルアチヴィリ 著  近藤 他訳  (朝倉出版)
コロイド科学の基礎 エベレット著  関集三 他訳  (化学同人)
化学・生命科学系のための物理化学 レイモンド・チャン 著 岩澤康裕 他訳(東京化学同人)
授業要目 到達目標
との対応
自己点検
1 活量と活量係数・非イオン性溶液の取り扱い 1、2
2 イオンの活量とデバイーヒュッケルの法則(1) 3
3 イオンの活量とデバイーヒュッケルの法則(2) 3
4 電気二重層とDLVO理論 4
5 界面の熱力学 5
6 コロイド分散系の熱力学 6
7 乳化と表面層の熱力学 7
8 中間試験
9 気体の分子運動 8
10 衝突理論(1) 9
11 衝突理論(2) 9
12 活性錯体理論 10
13 活性錯体理論の熱力学的解釈 10
14 様々な化学反応 11
15 束一性と化学ポテンシャル(1) 12
16 束一性と化学ポテンシャル(2) 12
17 期末試験
到達達成度の指標(ルーブリック)
到達
目標
理想的なレベル(A)の目安 標準的なレベル(B)の目安 未到達なレベル(C)の目安 自己評価
1 活量と活量係数について式と言葉を用いて論理的に説明できる。 活量と活量係数について言葉で説明できる。 活量と活量係数について説明できない。 A・B・C
2 非イオン性溶液の活量係数について式と言葉を用いて論理的に説明できる。 非イオン性溶液の活量係数について言葉で説明できる。 非イオン性溶液の活量係数について説明できるない。 A・B・C
3 イオン性溶液の活量係数について式と言葉を用いて論理的に説明できる。 イオン性溶液の活量係数について言葉で説明できる。 イオン性溶液の活量係数について説明できない。 A・B・C
4 電気二重層について式と言葉を用いて論理的に説明できる。 電気二重層について言葉で説明できる。 電気二重層について説明できない。 A・B・C
5 ギブズの吸着式について式と言葉で論理的に説明できる。 ギブズの吸着式について概念的に説明できる。 ギブズの吸着式について説明できない。 A・B・C
6 コロイド分散系の熱力学について具体的な例をあげて論理的に説明できる。 コロイド分散系の熱力学について概念的に説明できる。 コロイド分散系の熱力学について説明できない。 A・B・C
7 界面の熱力学について式と言葉を用いて論理的に説明できる。 界面の熱力学について言葉で説明できる。 界面の熱力学について説明できない。 A・B・C
8 気体分子の衝突について式と言葉を用いて論理的に説明できる。 気体分子の衝突について説明できる。 気体分子の衝突について説明できない。 A・B・C
9 衝突理論を理解してアレニウスプロットを式と言葉を用いて論理的に説明できる。 衝突理論を理解してアレニウスプロットを説明できる。 衝突理論を理解してアレニウスプロットを説明できない。 A・B・C
10 活性錯合体理論を理解してアイリングプロットを式と言葉を用いて論理的に説明できる。 活性錯合体理論を理解してアイリングプロットを説明できる。 活性錯合体理論を理解してアイリングプロットを説明できない。 A・B・C
11 様々な化学反応の速度式を導け、その積分形の速度式も導ける。 様々な化学反応の速度式を導ける。 様々な化学反応の速度式を導けない。 A・B・C
12 束一性を化学ポテンシャルの観点から式と言葉を用いて論理的に説明できる。 束一性を化学ポテンシャルの観点から説明できる。 束一性を化学ポテンシャルの観点から説明できない。 A・B・C
到達度評価
定期試験の結果を100%として評価する。
履修上の注意
ナノ粒子や反応速度論などは各々のトピックスを関連性を持たせつつ、熱力学の総論的な講義になっている。しかし、そのどれもが重要なものであり、しっかりと理解して自分のものにしてもらいたい。
事前学習・自己学習・関連科目
事前学習:数学的に難しいところも出てくるので、しっかりと予習しておくこと。
自己学習:授業で導出した式を自分でもう一度導出してみること。
関連科目:本科目は熱力学の総仕上げの科目である。化学反応の理解を通して、有機化学、無機化学、生物化学、分析化学などと関連している。
学習・教育目標
(生産工学・機械工学コース)
(生産工学・環境材料工学コース)
(生物応用化学) B-1、B-2、B-4
(電子工学)