平成29年度 シラバス
授業科目
生物化学特論 
担当教員
牛尾 一利
開講期
後期
科目番号
630011
対象学年・学科・コース
1年 生物応用化学専攻
単位区分
必修
単位数
2単位
授業概要・授業方針
まず、タンパク質の機能のうち特に触媒機能に焦点をあて、触媒による反応加速の基本的化学機構につき理解を深める。また、タンパク質の機能として、その解明がますます重要性を増している受容体についても、特に神経系における情報伝達物質と受容体に焦点をあて理解を深める。
到達目標
  1. 触媒の基本原理について説明できること
  2. 酵素反応速度論をしっかりと説明できること
  3. 各種触媒機構(酸塩基触媒、共有結合触媒、新電子触媒等)についてしっかりと説明できること
  4. 実際の酵素における触媒機構に関して基礎的な説明ができること
  5. 脂質の脳神経系における重要な働きについて説明できること
  6. いくつかのレセプターとその働きについて説明できること
教科書
特になし
参考書
酵素サイエンス  相阪和夫 著  (幸書房)
酵素反応の有機化学  大野惇吉 著  (丸善)
酵素―科学と工学  堀越弘毅 著  (講談社)
分子細胞生物学  カープ 著  (東京化学同人)
コーン・スタンプ生化学  田宮信雄・八木達彦 訳  (東京化学同人)
酵素の科学  大西正健 著  (学会出版センター)
授業要目 到達目標
との対応
自己点検
1 酵素の基本特性: 反応加速のしくみ 1
2 酵素の基本特性: 基質特異性−誘導適合説を中心に議論 1
3 酵素反応速度解析の実際 2
4 酵素反応と酸塩基触媒1 3
5 酵素反応と酸塩基触媒2 ブレンステッド則 3
6 酵素反応と求核触媒1(単なる酸塩基触媒ではなく共有結合反応が起こる触媒機構について考察する) 3
7 酵素反応と求核触媒2 3
8 加水分解酵素の反応機構(トリプシン等の反応機構を考える) 3,4
9 酵素と求電子触媒(ルイス酸触媒を利用している酵素反応をいくつか検討する) 3,4
10 金属酵素の反応機構(ウレアーゼやSODの酵素反応機構について考察する) 4
11 受容体(レセプター)の生化学 6
12 脂質と脳 5
13 神経細胞とシナプス;記憶のメカニズムに関する進歩 5,6
14 神経伝達物質と受容体1 6
15 神経伝達物質と受容体2 6
16 期末試験
17 答案返却
到達達成度の指標(ルーブリック)
到達
目標
理想的なレベル(A)の目安 標準的なレベル(B)の目安 未到達なレベル(C)の目安 自己評価
1 触媒の基本原理について物理化学的理論式を用いて説明できる 触媒の基本原理について説明できる 触媒の基本原理について説明できない A・B・C
2 酵素反応速度論をいくつかの機構仮説に基づいて関係式を誘導し説明できる 酵素反応速度論を概略説明できる 酵素反応速度論を説明できない A・B・C
3 各種触媒機構(酸塩基触媒、共有結合触媒、新電子触媒等)について複数の例を挙げながら説明できる 各種触媒機構(酸塩基触媒、共有結合触媒、新電子触媒等)について説明できる 各種触媒機構(酸塩基触媒、共有結合触媒、新電子触媒等)について説明できない A・B・C
4 複数の酵素における触媒機構に関して基礎的な説明ができる 実際の酵素における触媒機構に関して例を挙げて基礎的な説明ができる 実際の酵素における触媒機構に関して基礎的な説明ができない A・B・C
5 脂質の脳神経系における重要な働きについて総合的に説明できる 脂質の脳神経系における重要な働きについて説明できる 脂質の脳神経系における重要な働きについて説明できない A・B・C
6 複数のレセプターとその働きについて説明できる レセプターとその働きについて例を挙げて説明できる レセプターとその働きについて例を挙げて説明できない A・B・C
到達度評価
期末テストの成績(100%)で評価する。
履修上の注意
生物における触媒や情報伝達系の基礎をよく理解することは化学・生物両分野の技術者にとって不可欠事項である。自分で生物化学現象の具体的イメージを持てるよう研鑽されたし。
事前学習・自己学習・関連科目
事前学習及び関連科目としては、生物化学1、および生物化学2&3と生体触媒工学あるいは生物化学概論の修得が必要である。その他、生物物理化学1&2、理論有機化学などを履修していることが望ましい。
学習・教育目標
(生産工学・機械工学コース)
(生産工学・環境材料工学コース)
(生物応用化学) B-4
(電子工学)