平成29年度 シラバス
授業科目
材料物理化学
担当教員
真中俊明
開講期
通年
科目番号
151407
対象学年・学科・コース
4年 環境材料工学科
単位区分
選択必修
学修単位
単位数
2単位
授業概要・授業方針
前期:材料物理化学は、材料の性質や挙動を理解する際の基本的となる科目であり、なかでも普遍的な科学大系の一つである熱力学を十分に学習することが極めて重要である。本講義では、3年次の基礎的な物理化学の知識を踏まえ、材料工学に関連する基礎的な熱力学を主眼に解説する。
後期:鉄鋼および非鉄金属製錬では低品位の鉱石から金属を抽出し、新合金等を製造する場合が多い。製錬反応や合金製造で最も重要なのは熱力学であるので、応用的な熱力学に重点を置く。
到達目標
  1. 熱力学の第1法則の概要について説明できること。
  2. エンタルピ−と比熱について理解できること。
  3. 断熱変化と等温変化について説明できること。
  4. 熱力学第1および第2法則を簡単な図と式を用いて説明できること。
  5. ヘスの法則を実例の反応式を例に挙げて説明できること。
  6. エントロピ−について理解できること。
  7. 化学ポテンシャルと活量について理解できること。
  8. 生成自由エネルギ−について説明できること。
  9. 平衡計算が出来ること。
  10. 状態図を理解できること。
教科書
教科書 金属物理化学 (日本金属学会)
参考書
材料の物理化学I D.V.Ragone 著・寺尾光身 訳(丸善)
工学のための熱力学 後藤佐吉 著(朝倉書店)
鉄冶金熱力学 大谷 正康 著  (日刊工業新聞社)
授業要目 到達目標
との対応
自己点検
前期
1 熱力学第一法則の概要 1
2 系と外界および系のエネルギ− 1
3 閉じた系と熱力学的記号 1
4 示強性と示量性、エンタルピ− 1,2
5 定積、定容比熱 3
6 状態方程式、断熱圧縮および断熱膨張1 3
7 状態方程式、断熱圧縮および断熱膨張2 3
8 生成エンタルピ−変化とヘスの法則 4,5
9 中間試験
10 熱力学第二法則の概要 6
11 エントロピ−の定義 6
12 エントロピ−変化1 6
13 エントロピ−変化2 6
14 化学ポテンシャル 7
15 生成自由エネルギ− 8
16 期末試験
17 試験返却、復習 1-8
後期 自己点検
1 自由エネルギ−・温度図1 7,8
2 自由エネルギ−・温度図2 7,8
3 自由エネルギ−・温度図3 7,8
4 熱力学的諸関係式1 1-8
5 熱力学的諸関係式2 1-8
6 活量1 7
7 活量2 7
8 活量と化学ポテンシャル 7
9 中間試験
10 相平衡 7,8,9
11 化学平衡と自由エネルギ−1 7,8,9
12 化学平衡と自由エネルギ−2 7,8,9
13 化学平衡と自由エネルギ−3 7,8,9
14 部分モル量と活量 8.9
15 理想溶液と非理想溶液 8,9,10
16 期末試験
17 試験返却、復習 1-10
到達達成度の指標(ルーブリック)
到達
目標
理想的なレベル(A)の目安 標準的なレベル(B)の目安 未到達なレベル(C)の目安 自己評価
1 熱力学の第1法則が成立することを示し、その内容について実例を挙げて具体的に説明できる 熱力学の第1法則の概要について説明できる 熱力学の第1法則の概要について説明できない A・B・C
2 内部エネルギ−、エンタルピ−および定積、定容比熱について具体的に説明できる 内部エネルギ−、エンタルピ−および定積、定容比熱について説明できる 内部エネルギ−、エンタルピ−および定積、定容比熱について具体的に説明できない A・B・C
3 断熱変化と等温変化についてPV線図を用いて具体的に説明でき、それらの変化についての関連公式の誘導ができる 断熱変化と等温変化について説明できる 断熱変化と等温変化について説明できない A・B・C
4 熱力学第1および第2法則を簡単な図と式を用いて実例を挙げて説明できる 熱力学第1および第2法則を簡単な図と式を用いて説明できること。 熱力学第1および第2法則を簡単な図と式を用いて説明できない A・B・C
5 ヘスの法則を実例の反応式を例に挙げて説明できる ヘスの法則について説明できる ヘスの法則について説明できない A・B・C
6 エントロピ−の概念の必要性とその内容についてマクロ的かつミクロ的に理解し、説明できる エントロピ−について理解できる エントロピ−について理解できない A・B・C
7 化学ポテンシャルのをGibbsの自由エネルギ−の全微分式から定義でき、化学ポテンシャルと活量との関係について説明できる 化学ポテンシャルと活量との関係について数式を用いて説明できる 化学ポテンシャルと活量について理解できない A・B・C
8 生成自由エネルギ−について説明でき、その自由エネルギ−と平衡定数との関係についての式を誘導できる 生成自由エネルギ−と平衡定数との関係について説明できる 生成自由エネルギ−と平衡定数との関係について説明できない A・B・C
9 平衡計算について具体的反応について応用ができる 平衡計算ができる 平衡計算ができない A・B・C
10 状態図について具体例を挙げて説明できる 状態図を理解できる 状態図が理解できない A・B・C
到達度評価
この科目は学修単位科目であるので、(90時間−講義時間)以上の自学自習を必要 とする。したがって、科目担当教員が課した課題の内、{(90時間−講義時間)×3 /4}時間以上に相当する課題提出がないと単位を認めない。(各課題ごとの時間は 担当教員が設定する。)
定期試験80%、課題提出10%、小テスト10%として評価する。
履修上の注意
本科目は材料工学科において極めて重要な専門基礎科目のうちの一つであるから、2〜3年次の化学と物理化学の復習を十分に行うこと。「授業内容」に対応する教科書およびプリントの内容を事前に学習しておくこと。問題演習は適宜行うので、電卓を必ず持参のこと。出来るだけ個々に指導を行う ので、板書を写すだけでなく、疑問点があればその都度、質問して欲しい。ノ−トチェックを適宜行う。知識の定着度と理解力の調査のため、小テストを行う。
事前学習・自己学習・関連科目
本科目は材料工学科において極めて重要な専門基礎科目のうちの一つであるから、2〜3年次の化学と物理化学の復習を十分に行うこと。「授業内容」に対応する教科書およびプリントの内容を事前に学習しておくこと。問題演習は適宜行うので、電卓を必ず持参のこと。出来るだけ個々に指導を行う ので、板書を写すだけでなく、疑問点があればその都度、質問して欲しい。ノ−トチェックを適宜行う。知識の定着度と理解力の調査のため、小テストを行う。
学習・教育目標
(生産工学・機械工学コース) B
(生産工学・環境材料工学コース) B-2
(生物応用化学)
(電子工学)