電力工学B シラバス

授業科目電力工学B	担当教員加藤　克巳		開講期通年
科目番号 121522	対象学年・学科・コース 5年電気情報工学科 (電気工学コース)	単位区分	単位数 2単位

授業概要・授業方針

三相送電、直流送電、線路定数、安定性、保護装置、故障計算、系統運用などの学習を通して、送電、配電の仕組みを修得する。

到達目標

三相送電の特性を電気回路的に説明できる
電力系統の安定度向上や過電圧、過電流保護など運用に不可欠な事項を説明できる
対称座標法を用いて不平衡故障計算ができる
電力系統が周囲環境に及ぼす影響を説明できる
直流送電の仕組みと利点が説明できること
配電の基本構成を説明し、基本特性が計算できる

教科書: よくわかる送配電工学　田辺茂著（電気書院）
参考書: 新訂版　送配電

授業要目	到達目標との対応	自己点検
前期

1	ガイダンス
2	三相送電方式、電力系統構成、送電電圧の変遷	1,5
3	架空送電線の構造	1
4	地中送電線の構造、線路定数（抵抗）	1
5	線路定数（インダクタンス、静電容量）	1
6	送電線の等価回路（短距離）	1
7	復習とまとめ	1
8	中間試験
9	送電線の等価回路（中距離）	1
10	送電線の等価回路（長距離）	1
11	電力円線図、調相	2
12	単位法	2
13	電力系統の安定度	2
14	安定度向上対策	2
15	復習とまとめ	1,2
16	期末試験
17	試験返却と前期まとめ、後期ガイダンス	1,2

後期

自己点検

1	無効電力制御と電圧安定性	2
2	対称座標法の概要、対称分インピーダンス、発電機の基本式	3
3	対称座標法を用いた故障計算(1)	3
4	対称座標法を用いた故障計算(2)	3
5	中性点接地方式、有効接地系	2,3
6	過電圧と絶縁協調	2
7	復習とまとめ	2,3
8	中間試験
9	電力系統の保護	2,3
10	電力損失と低減対策	4
11	電力系統による障害	4
12	直流送電	5
13	配電１	4,6
14	配電２	6
15	復習とまとめ	2,3,4,5,6
16	期末試験
17	試験返却と総まとめ	1,2,3,4,5,6

到達達成度の指標（ルーブリック）

到達目標	理想的なレベル（Ａ）の目安	標準的なレベル（Ｂ）の目安	未到達なレベル（Ｃ）の目安	自己評価
1	送電線の基本構成を理解し、等価回路を用いた三相回路計算ができる	送電線の基本構成を理解し、等価回路が書ける	送電線の基本構成を理解できない	Ａ・Ｂ・Ｃ
2	電力系統の運用に不可欠な項目とそのために必要な技術項目を挙げ、説明できる	電力系統の運用に不可欠な項目を挙げ、説明できる	電力系統の運用に不可欠な項目を挙げることができない	Ａ・Ｂ・Ｃ
3	対称座標法を用いた故障計算ができ、不平衡成分から過電圧・過電流が計算できる	対称座標法を用いた故障計算を行い、不平衡成分を求めることができる	対称座標法を用いた故障計算ができない	Ａ・Ｂ・Ｃ
4	電力系統が周囲環境に及ぼす影響を挙げ、対策を説明できる	電力系統が周囲環境に及ぼす影響を挙げることができる	電力系統が周囲環境に及ぼす影響を挙げることができない	Ａ・Ｂ・Ｃ
5	直流送電の基本構成とその役割を説明できる	直流送電の基本構成を説明できる	直流送電の基本構成を説明できない	Ａ・Ｂ・Ｃ
6	配電の基本構成を説明し、等価回路を用いた特性計算ができる	配電の基本構成を説明できる	配電の基本構成を説明できない	Ａ・Ｂ・Ｃ

到達度評価

試験80％、小テストと課題提出物20％で評価する。

履修上の注意

電気を送るのに対して、故障対策、安定性、雷対策、環境対策などさまざまなことを考慮してシステムが出来上がっていることを学習して欲しい。電気工事士・電気主任技術者関連科目である。

事前学習・自己学習・関連科目

　電力工学Bは、前年度に学習した電力工学Aや電気法規とともに電気主任技術者認定に必ず必要な科目の一つである。将来、電気主任技術者の認定を受けよう考えている人は必ず修得すること。回路理論1～3、電磁気学1、2の知識が必要となるのでよく復習しておくこと。

学習・教育目標

（生産工学・機械工学コース）
（生産工学・環境材料工学コース）
（生物応用化学）
（電子工学）