平成29年度 シラバス
授業科目
技術者倫理
担当教員
平田 傑之・内藤 出・占部 弘治・牛尾 一利・松原 靖廣・濱井 潤也
開講期
後期
科目番号
121510
対象学年・学科・コース
5年 全学科
単位区分
必修
学修単位
単位数
1単位
授業概要・授業方針
 科学技術の進歩に伴い、技術者の判断が社会や環境に与える影響について知り、技術者としての解決策の提案および実行を行わなければならないことを理解する。また、その解決策を選択するための価値 (判断)について学ぶ。
 科学技術が関わる事故が起こるたびに企業倫理が問題にされるが、その本質は技術者個人のモラルにある。倫理の問題に絶対的な正解はなく、ある解答には必ず反対意見があり、議論を尽くしてより優れた解答を求めることが我々のできる最善です。技術者の意思決定にはこのような倫理的側面がつきまとうことを理解し、広い視野を持つことと自分で考えることの重要性を認識してほしいと思います。
 授業は、教科書を中心に、様々な事例を紹介しながら、説明や討論を交えて授業を進める。ほぼ毎回課題を与える。
到達目標
  1. 技術的解決の結果が、社会や自然に与える影響の範囲と大きさを理解できる。
  2. 技術者として意思決定の際に、セブンステップガイド法などを用いて判断できる。
  3. リスクマネージメントの基本を理解できる。
  4. 技術者として倫理規定に基づいた判断ができる。
  5. 製造物に対する技術者の責任の基本的概念を理解できる。
  6. 組織の中のエンジニアとしてすべきことを考えることができる。
  7. 技術者として知的財産権(特に特許権と著作権)の必要性を説明できる。
教科書
はじめての工学倫理 第3版 斉藤 了文、坂下 浩司 編 (昭和堂)
参考書
第二版大学講義技術者の倫理入門 杉本 泰治、高城 重厚 著 (丸善)
実践的工学倫理 中村 収三 著 (化学同人)
技術者倫理の世界 藤本 温 編 (森北出版)
技術者倫理入門 谷垣 昌敬 監修、吉村 忠与志、戸島 貴代志 著 (オーム社)
はじめての工学倫理 初版、第2版 斉藤 了文、坂下 浩司 編 (昭和堂)
授業要目
 ([]内は対応する到達目標の番号)
第1回:序論(なぜ技術者倫理か?) [1]
第2回:工学の倫理概念について(倫理問題の解決法) [2]
第3回:応用倫理(環境倫理と工学倫理) [1]
第4回:リスク・マネージメント [3]
第5回:セクシャル・ハラスメント [4、6]
第6回:安全性と設計 [1、4、5]
第7回:企業秘密 [1、4、6]
第8回:倫理規定 [4]
第9回:工程管理 [1、4、5、6]
第10回:知的財産権 [4、7]
第11回:Profession(技術者)としての責任 [1、4、5]
第12回:製造物責任法 [4、5]
第13回:企業の社会的責任 [1、4、5]
第14回:技術者と組織の対立 [4、6]
第15回:内部告発の是非 [4、6]
到達達成度の指標(ルーブリック)
到達
目標
理想的なレベル(A)の目安 標準的なレベル(B)の目安 未到達なレベル(C)の目安 自己評価
1 技術的解決の結果が、社会や自然に与える影響の範囲と大きさを理解し、自らの工学分野に適用して考えることができる。 技術的解決の結果が、社会や自然に与える影響の範囲と大きさを一般論として説明できる。 技術的解決の結果が、社会や自然に与える影響の範囲と大きさを一般論として説明できない。 A・B・C
2 技術者として意思決定の際に、セブンステップガイド法などを用いて判断できる。 技術者として意思決定の際に使用するセブンステップガイド法などを説明できる。 技術者として意思決定の際に使用するセブンステップガイド法などを説明できない。 A・B・C
3 リスクマネージメントの基本を理解し、自らの工学分野に適用して考えることができる。 リスクマネージメントの基本を説明できる。 リスクマネージメントの基本を説明できない。 A・B・C
4 技術者として倫理規定に基づいた判断ができる。 技術者として必要な倫理規定を説明できる。 技術者として必要な倫理規定を説明できない。 A・B・C
5 製造物に対する技術者の責任の基本的概念を理解し、自らの工学分野に適用して考えることができる。 製造物に対する技術者の責任の基本的概念を説明できる。 製造物に対する技術者の責任の基本的概念を説明できない。 A・B・C
6 組織の中のエンジニアとしてすべきことを考え、その中で適切な考えを選択することができる。 組織の中のエンジニアとしてすべきことを考えることができる。 組織の中のエンジニアとしてすべきことを考えることができない。 A・B・C
7 技術者として知的財産権(特に特許権と著作権)の必要性を理解し、自らの工学分野に適用して考えることができる。 技術者として知的財産権(特に特許権と著作権)の必要性を説明できる。 技術者として知的財産権(特に特許権と著作権)の必要性を説明できない。 A・B・C
到達度評価
 レポート (提出物)の内容を 100%として評価する。
履修上の注意
 本科目は、学修単位科目であるので、(45時間−講義時間)以上の自学自習を必要とする。したがって、科目担当教員が課した課題の内、{(45時間−講義時間)×3/4}時間以上に相当する課題提出がないと単位を認めない。
事前学習・自己学習・関連科目
【関連科目】「環境と人間」
学習・教育目標
(生産工学・機械工学コース)
(生産工学・環境材料工学コース)
(生物応用化学)
(電子工学)