平成29年度 シラバス
授業科目
電磁気学1
担当教員
加藤 茂
開講期
通年
科目番号
121303
対象学年・学科・コース
3年 電気情報工学科
単位区分
専門基礎
単位数
2単位
授業概要・授業方針
電荷によって生ずる電界や電束を、電気力線や電束を表す仮想の線で表現し、ガウスの定理を用いて計算する。また、力で定義される電界とエネルギーで定義される電位を、微分・積分を用いて相互に関係づけ、導体を含む系の電界と電位から、コンデンサの静電容量とこれに蓄えられるエネルギーを導出する。誘電体の分極と、静電容量、誘電率・比誘電率の関係を明らかにする。
到達目標
  1. クーロンの法則により電荷に働く力を計算できること。
  2. ガウスの定理等により、電界を計算できること。
  3. 電位や電位差を計算できること。
  4. 静電容量や蓄えられているエネルギーを計算できること。
  5. 異なる誘電体を含む場合に、電束密度、電界、電位差等を計算できること。
教科書
やくにたつ電磁気学 第3版 平井紀光 著 (ムイスリ出版)
参考書
詳解 電磁気学演習  後藤憲一、山崎修一郎 著 (共立出版)
授業要目 到達目標
との対応
自己点検
前期
1 電荷、電荷間の力、クーロンの法則 1
2 電界の定義 1,2
3 電気力線による電界の表し方 2
4 ガウスの定理 2
5 電荷が球状に分布している場合の電界計算 2
6 電荷が円筒状に分布している場合の電界計算 2
7 電荷が無限平面状に分布している場合の電界計算 2
8 中間試験
9 静電誘導 1
10 平行平板導体の電界 2
11 誘電体と誘電率(1) 2
12 誘電体と誘電率(2) 2
13 電束密度と電界の関係 2
14 電束密度とガウスの定理 2
15 前期の復習 1,2
16 期末試験
17 試験返却と総まとめ 1,2
後期 自己点検
1 異なる誘電体を含む場合の電束密度、電界の計算(1) 5
2 異なる誘電体を含む場合の電束密度、電界の計算(2) 5
3 電位と電位差 3
4 真空の場合の電位、電位差の計算 3
5 誘電体を含む場合の電位、電位差の計算 5
6 電位差と電界の関係 2,3
7 電気影像法 1,2
8 中間試験
9 静電容量 4
10 静電容量とコンデンサの接続 4
11 コンデンサに蓄えられるエネルギー 4
12 静電容量の計算(1)平行板 4
13 静電容量の計算(2)同心球、同心円筒 4
14 点電荷による電位の重ね合わせ 3
15 後期の復習 2,3,4,5
16 期末試験
17 試験返却と総まとめ 2,3,4,5
到達達成度の指標(ルーブリック)
到達
目標
理想的なレベル(A)の目安 標準的なレベル(B)の目安 未到達なレベル(C)の目安 自己評価
1 クーロンの法則に関する複雑な問題を解くことができる クーロンの法則に関する単純な問題を解くことができる クーロンの法則の問題の計算ができない A・B・C
2 電界に関する複雑な問題を解くことができる 電界に関する単純な問題を解くことができる 電界の計算ができない A・B・C
3 電位や電位差に関する複雑な問題を解くことができる 電位や電位差に関する単純な問題を解くことができる 電位や電位差の計算ができない A・B・C
4 静電容量や蓄えられているエネルギーに関する複雑な問題を解くことができる 静電容量や蓄えられているエネルギーに関する単純な問題を解くことができる 静電容量や蓄えられているエネルギーの計算ができない A・B・C
5 異なる誘電体を含む場合の、電束密度、電界、電位差等の複雑な問題を解くことができる 異なる誘電体を含む場合の、電束密度、電界、電位差等の単純な問題を解くことができる 異なる誘電体を含む場合の、電束密度、電界、電位差等の計算ができない A・B・C
到達度評価
定期試験の成績を70%、小テスト及び課題提出などを30%の割合で評価する。
履修上の注意
電磁気学は電気工学の基礎となる原理や法則をまとめたものです。したがって、その内容は電気工学を学ぶ者として、どうしても身につけておく必要があります。特に、電界、電位、静電容量などの物理量の意味をしっかりと身につけて、自分自身の言葉でその説明ができるように心がけて下さい。
事前学習・自己学習・関連科目
この科目は4年の「電磁気学 2」に続き、また、5年の「電力工学 B」では、送電線の放電現象と静電容量の計算に必要です。また、多くの大学、専攻科の電気系学科等への進学に際し、その学力試験には電磁気学が課せられています。本科目は、無線従事者・電気工事士・電気主任技術者関連科目です。