平成29年度 シラバス
授業科目
回路理論1
担当教員
加藤 克巳
開講期
通年
科目番号
121202
対象学年・学科・コース
2年 電気情報工学科
単位区分
専門基礎
単位数
2単位
授業概要・授業方針
正弦波交流の電圧・電流を、瞬時値、ベクトル、複素数を用いて表し、基本的な回路素子の性質と、代表的な接続法に対する電圧・電流の計算法を学習する。また、交流電力と共振現象の計算法を学習する。最後にこれを応用した交流回路網の計算法を学び、簡単な回路網計算を行う。
到達目標
  1. 正弦波交流の周波数、位相、実効値などを計算できる。
  2. R、L、C素子における正弦波交流電圧と電流の関係を説明できる。
  3. 記号法を用いて交流回路計算を行い、ベクトル図で表すことができる。
  4. 交流電力の計算ができる。
  5. 直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。
  6. 交流回路網の計算法を理解し、回路計算に応用できる。
教科書
例題と演習で学ぶ電気回路 服藤憲司(森北出版)
電気基礎(上)  宇都宮敏男 ほか監修  (コロナ社)
トレーニングノート 電気基礎(上)  (コロナ社)
トレーニングノート 電気基礎(下)  (コロナ社)
参考書
特に指定しないが、関連書籍は数多く出版されている。
授業要目 到達目標
との対応
自己点検
前期
1 ガイダンス、正弦波交流の基礎 1
2 正弦波交流の合成 1
3 R,L,C単独回路における交流電圧と交流電流 2
4 複素数の基礎、複素数の指数表示 3
5 複素数の四則計算 3
6 複素数のベクトル表記、共役複素数 3
7 復習とまとめ 1,2,3
8 中間試験
9 記号法 3
10 R,L,C単独回路の複素数表示と複素インピーダンス 2,3
11 R,L,C組み合わせ素子の交流回路計算 2,3
12 RLC直列回路 2,3
13 アドミタンス、コンダクタンス、サセプタンス 2,3
14 RLC並列回路 2,3
15 復習とまとめ 2,3
16 期末試験
17 試験返却、前期総復習、後期ガイダンス 2,3
後期 自己点検
1 RLC直並列回路(1) 2,3
2 RLC直並列回路(2) 2,3
3 RLC直並列回路(3) 2,3
4 交流の有効電力、無効電力、皮相電力、力率 4
5 複素電力 4
6 直列共振回路、並列共振回路 5
7 復習とまとめ 2,3,4,5
8 中間試験
9 交流のキルヒホッフの法則 6
10 枝電流法 6
11 閉路電流法 6
12 節点電位法 6
13 Y-Δ変換 6
14 ブリッジ回路 6
15 復習とまとめ 6
16 期末試験
17 試験返却、全体総復習 1,2,3,4,5,6
到達達成度の指標(ルーブリック)
到達
目標
理想的なレベル(A)の目安 標準的なレベル(B)の目安 未到達なレベル(C)の目安 自己評価
1 正弦波交流の諸量の関係式を理解し、計算に用いることができる 正弦波交流の諸量の関係式を答えることができる 正弦波交流の諸量の関係式を答えることができない A・B・C
2 RLC混在回路における電圧と電流の大きさの関係、位相の関係を説明できる RLC単独回路における電圧と電流の大きさの関係、位相の関係を説明できる RLC単独回路における電圧と電流の大きさの関係、位相の関係を説明できない A・B・C
3 記号法によるベクトル表記を用いて回路計算を行い、ベクトル図に表すことができる 記号法によるベクトル表記を用いた回路計算を行うことができる 記号法によるベクトル表記を用いた回路計算を行うことができない A・B・C
4 交流回路計算の結果を用いて有効電力、無効電力、皮相電力、力率の計算ができる 有効電力、無効電力、皮相電力、力率の相互の関係を説明できる 有効電力、無効電力、皮相電力、力率の相互の関係を説明できない A・B・C
5 共振とは何かについて説明し、共振回路における電圧、電流の様相を計算、説明できる 共振とは何かについて説明し、共振周波数を求めることができる 共振とは何かについて説明し、共振周波数を求めることができない A・B・C
6 交流回路網の各種計算法の原理を理解し、回路計算に用いることができる 交流回路網の各種計算法の原理について説明できる 交流回路網の各種計算法の原理について説明できない A・B・C
到達度評価
試験90%、課題提出物10% で評価する。
履修上の注意
正弦波交流の取扱いでは、記号法による複素数の計算とベクトル図による位相の表示が不可欠です。そのため「回路理論演習」と合わせて、電気的な感覚と計算力を養います。単なる知識や公式の暗記にとどまることなく、演習問題を解くことによって、公式等を回路計算に応用できる基礎能力を身につけてください。
なお授業では関数電卓が必要となりますので準備しておいてください。
無線従事者・電気工事士・電気主任技術者関連科目です。
事前学習・自己学習・関連科目
(1)1年次の「電気情報基礎」「電気情報基礎演習」の学習内容、1、2年次の数学の学習内容が必要になりますので、事前によく復習しておくこと。
(2)3年の「電気電子計測」「回路理論2」、4年の「電気機器A」「回路理論3」「電力工学A」、5年の「電気機器B」「電力工学B」に必要ですので、ここでの学習が、上級学年での理解を助けることになります