平成29年度 シラバス
授業科目
計測制御実習
担当教員
粂野 紘範・今西 望
開講期
通年
科目番号
610013
対象学年・学科・コース
1年 生産工学専攻
(機械工学コース)
単位区分
必修
単位数
2単位
授業概要・授業方針
企業においては,製造部門ではシーケンス制御装置が多用されており,設計・開発部門では,CADやCAEなど支援ツールを活用して製品開発を行う場面が多くなってきている.教育現場では,ブラックボックス的に便利なツールを使いこなすだけではなく,できる限り学生自身でゼロから開発し,本質的理解を深めることが重要である.本実習では,PLCによるシーケンス制御実習やマイコンによる温度制御システムの構築・実験を通して、計測・制御の知識・技術を身につける.
到達目標
  1. シーケンス制御の考え方が理解できる
  2. 実態配線図どおりに配線し,動作を確認することができる
  3. PLCラダープログラムを作成し,動作を確認することができる
  4. マイコンを用いた計測・制御の原理が理解できる
  5. マイコンによる計測・制御システムの構築手順が理解できる
  6. マイコンによる計測・制御プログラムが理解できる
  7. 温度制御系のパラメータを調整する方法が理解できる
教科書
オムロン社製PLC取扱説明書
シーケンス制御の課題集(新居浜高専専攻科生産工学機械工学コース版)
温度制御実験システムの製作マニュアル(新居浜高専専攻科生産工学機械工学コース版)
参考書
なし
授業要目
 下記の昨年の実施例である.学生のレベルに応じて講義の進行を調整しますので,
個々の実施時間は不定であることに注意してください.

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前半
1. シーケンス制御の基礎
(ア) スイッチとは
(イ) シーケンス回路とは
(ウ) リレーとは
(エ) タイマとは
(オ) カウンタとは
(カ) センサとは
2. ワイヤードロジックによる演習
3. PLCによる演習

後半
1. マイコン(Arduino)とは?
2. Arduinoによるマイコン制御
3. 課題演習(1)
4. 課題演習(2)
5. 課題演習(3)
6. SCRスイッチング用Trと熱電対用アンプの選定および回路製作と動作確認
7. ArduinoをI/OデバイスとしたPCによる手動ON/OFF制御
8. ArduinoをI/OデバイスとしたPCによる自動ON/OFF制御システムの構築
(ア) VBによる操作画面の設計・プログラムの設計製作
(イ) VBによる温度トレンド作図プログラムの製作
(ウ) 自動ON/OFF制御実験(実習)
9. ArduinoをI/OデバイスとしたPCによるPID制御システムの構築
(ア) PID制御フローチャートの作成
(イ) VBによるPID制御プログラムの製作
(ウ) PID制御実験(実習)
(エ) 試行錯誤によるPIDパラメータの調整(実習)
(オ) 限界感度法を用いたPIDパラメータの調整(実習)
10. 温度制御実験システムの設計資料および取扱説明書の作成
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到達達成度の指標(ルーブリック)
到達
目標
理想的なレベル(A)の目安 標準的なレベル(B)の目安 未到達なレベル(C)の目安 自己評価
1 シーケンス制御の回路を実装できる シーケンス制御の考え方が理解できる シーケンス制御の考え方が理解できていない A・B・C
2 実態配線図どおりに配線し,動作を確認することができる 実態配線図どおりに配線することができる 実態配線図どおりに配線できない A・B・C
3 PLCラダープログラムを作成し,動作を確認することができる PLCラダープログラムを作成できる PLCラダープログラムを作成できない A・B・C
4 マイコンを用いた計測・制御の原理が理解できる マイコンを用いた計測・制御が理解できる マイコンを用いた計測・制御が理解できていない A・B・C
5 マイコンによる計測・制御システムの構築できる マイコンによる計測・制御システムの構築手順が理解できる マイコンによる計測・制御システムの構築手順が理解できていない A・B・C
6 マイコンによる計測・制御プログラムができる マイコンによる計測・制御プログラムが理解できる マイコンによる計測・制御プログラムが理解できていない A・B・C
7 温度制御系のパラメータを調整することができる 温度制御系のパラメータを調整する方法が理解できる 温度制御系のパラメータを調整する方法が理解できていない A・B・C
到達度評価
提出物(レポート、取扱説明書、プログラム等)を100%とする。
授業の欠席回数が1/4を超えた場合は原則として単位を認定しない。
履修上の注意
マイコンを使った計測制御は,機械や設備を思いどおりに動かすために必須の要素技術である.しかしながらこのような技術を,独学で勉強するには広範な知識と経験ではなく,疑問に的確に答えてくれるコーチ役が必要となる.本実習では,教員をコーチ役とし,グループ実習する形式をとっており,手作りのシステム構築の実体験をとおして,計測制御の本質を理解させるものなので,学生諸君も,本科目履修前後の自身の技術レベルの向上を実感して欲しい.
事前学習・自己学習・関連科目
本科で学習したメカトロニクス基礎,応用,制御工学や工学実験1,2の制御分野の実験に関連しているので,よく復習しておくこと.
学習・教育目標
(生産工学・機械工学コース) C-3
(生産工学・環境材料工学コース)
(生物応用化学)
(電子工学)