エネルギー材料工学シラバス

授業科目エネルギー材料工学	担当教員朝日太郎		開講期後期
科目番号 151504	対象学年・学科・コース 5年環境材料工学科	単位区分	単位数 1単位

授業概要・授業方針

物質文明の進歩とともにエネルギー資源の枯渇が問題視されるようになり、社会・経済的な側面からもエネルギー問題を総括的に理解する必要が生じている。この授業では、持続可能な循環型社会の構築に向けて、各種エネルギーの基礎と利用技術について学ぶこととする。また、東日本震災後にともなう福島原発の事故を受けて、原子力や放射線、放射能に関する知識は不可欠なものとなっている。このような背景を踏まえ、正しい放射線や放射能の知識を理解することも目的とする。

到達目標

各種エネルギーの利用方法や代替技術について理解できること。
各種化学プロセスにおけるエネルギー収支について理解できること。
放射線の発生する原理やその種類、単位について理解できること。
放射線の計測方法や、計測器に使用されている材料について理解できること。　
放射線の工業的な利用方法について理解できること。

教科書: 放射線の科学、小澤・安西・松本　著、東京化学同人; 配布プリント
参考書: トコトンやさしいエネルギーの本、山崎耕造著、日刊工業新聞社; ベーシック化学工学、橋本健治著、化学同人; 知っておきたいエネルギーの基礎知識、齋藤勝裕著、ソフトバンククリエイティブ（株）; 絵解き放射線のやさしい知識、飯田博美、安齋育郎著、オーム社; 現在放射化学、海老原著、化学同人

授業要目

到達目標
との対応

自己点検

1	エネルギーの基礎（環境とエネルギー問題、エネルギーの種類と分類）	1
2	物質収支とエネルギー①(物質収支とエネルギー収支)	2
3	物質収支とエネルギー②(化学プロセスのおける物質収支)	2
4	流体の流れによるエネルギー移動①（管内の流体のエネルギー収支）	2
5	流体の流れによるエネルギー移動②（粘度の定義、層流と乱流）	2
6	熱の流れによるエネルギー移動①（伝導、対流、輻射）	2
7	熱の流れによるエネルギー移動②（調湿・乾燥）	2
8	中間試験
9	原子核のエネルギー①（原子物理学の基礎）	3
10	原子核のエネルギー②（半減期、核反応式）	3
11	原子核のエネルギー③（放射線と放射能）	3
12	原子核のエネルギー④（放射線の測定(１）蛍光作用を利用する測定)）	4
13	原子核のエネルギー⑤（放射線の測定(２）化学作用を利用する測定)）	4
14	原子核のエネルギー⑥（放射線の利用）	5
15	全体のまとめ	1,2,3,4,5
16	期末試験
17	試験返却、復習

到達達成度の指標（ルーブリック）

到達目標	理想的なレベル（Ａ）の目安	標準的なレベル（Ｂ）の目安	未到達なレベル（Ｃ）の目安	自己評価
1	各種エネルギー（熱、電気、化学など）の利用方法を省エネルギーの観点からも説明できる。	各種エネルギー（熱、電気、化学など）の発生原理や利用方法について、事例を挙げて説明できる。	各種エネルギー(熱、電気、化学など）の発生原理や利用方法を、種類に分けて説明できない。	Ａ・Ｂ・Ｃ
2	各化学プロセスにおける物質収支計算ができ、エネルギーの流れが計算できる。	各化学プロセスにおける物質収支が把握できる。	各化学プロセスのおける物質収支が理解できない。	Ａ・Ｂ・Ｃ
3	放射線の発生する原理が理解でき、それに伴う現象について説明できる。	放射線の発生する原理について理解できる。	放射線の発生する原理について説明できない。	Ａ・Ｂ・Ｃ
4	放射線の測定手法について事例を挙げて説明でき、それが放射線と物質とのエネルギー的な相互作用から発生する現象を利用していることが説明できる。	放射線の測定手法について事例を挙げて説明できる。	放射線の測定手法について事例を挙げて説明することができない。	Ａ・Ｂ・Ｃ
5	放射線の利用について、工業・農業・医学などの各分野においてどのように利用されているか事例を挙げて説明できる。	放射線の利用について、どのような分野で利用されているか事例を挙げることができる。	放射線の利用について、どのような分野で利用されているか具体的な事例を挙げることができない。	Ａ・Ｂ・Ｃ

到達度評価

この科目は学修単位科目であるので、（４５時間－講義時間）以上の自学自習を必要とする。したがって、科目担当教員が課した課題の内、{（４５時間－講義時間） ×3 /4}時間以上に相当する課題提出がないと単位を認めない。（各課題ごとの時間は担当教員が設定する。）
成績は、定期試験80%、課題・小テスト等20%として評価する。課題等の提出物は期限内に提出されたものについて評価する。

履修上の注意

毎週、授業に関連した内容の課題を提出するので、課題に関連したプラスアルファの内容についても調査・学習してほしい。授業で履修する内容の学習を通じて、これまでに学習した専門科目の関連する分野の復習をしてほしい。参考書も大いに活用すべきである。
なお、私語や居眠り、無断退席等の行為は厳禁である。周囲への配慮が見られない受講態度だと判断した場合には、退席を命じることもある。

事前学習・自己学習・関連科目

これまでに学習した関連周辺分野（無機・有機化学、物理化学、環境科学など）の復習が必須である。これらの内容を統合して、原子力発電を通じたエネルギー問題に関しても、身近な例を通じて興味・関心を持って正しい理解をして欲しい。また、X線作業主任者試験の内容とも重なる内容が多いので、資格取得にも積極的にチャレンジしてほしい

学習・教育目標

（生産工学・機械工学コース）
（生産工学・環境材料工学コース）
（生物応用化学）
（電子工学）