平成27年度 シラバス
授業科目 担当教員 開講期
回路理論2 香川 福有 通年
科目番号 対象学年 履修上の注意 単位数
121302 3年 電気情報工学科 専門基礎 2単位
授業概要
 交流・直流における電気回路網に対し、電圧・電流に関する方程式を立て、回路の諸状態を解析する手法を会得するように講義する。また、種々の定理を活用し、問題解決のためのアプローチを講義する。さらに、三相交流の概念および基本的な計算方法についても講義する。
  到達目標
   1. 交流回路に対し、複素数を用いた電圧、電流方程式が立てられ、閉路方程式による回路解析が行えること。
   2. 節点方程式による回路解法を理解し、電流源と電圧源の等価変換及びこれらが混ざった回路網の解析が行えること。
   3. テブナンの定理等の種々の定理を理解し、実際の計算に応用できること。
   4. 平衡三相交流に関して、電圧、電流、位相、電力などの基本的な回路計算ができること。
   5. 2端子対回路の行列表現ができること。
教科書
例題と演習で学ぶ電気回路(森北出版)
例題と演習で学ぶ続電気回路(森北出版)
参考書
トレーニングノート 電気基礎(下)  (コロナ社)
授業の進め方
教科書に沿って板書で進めるが、現象を物理的に把握、理解できるようにポイントを板書に記載する。また、演習を交え、学んだことがどのように使われるのかを理解させる。講義内容の丸暗記ではなく、基本的な考え方の展開が重要であり、この点を確認するための小テストも行う。
授業内容
前期 自己点検 後期 自己点検
1  回路方程式(交流回路のキルヒホッフの法則・枝電流法・クラーメルの公式) 1  対称三相交流回路(Y結線電源-Y結線負荷)
2  回路方程式(閉路電流法) 2  対称三相交流回路(Δ結線電源-Δ結線負荷)
3  回路方程式(節点電位法) 3  対称三相交流回路(三相電力)
4  回路方程式(Δ-Y変換・Y-Δ変換) 4  電気回路における双対性(双対性・双対回路の作り方)
5  交流回路の定理(重ね合わせの理) 5  電気回路における双対性(相反定理)
6  交流回路の定理(テブナンの定理) 6  電気回路における双対性(逆回路)
7  交流回路の定理(ノートンの定理) 7  電気回路における双対性(定抵抗回路)
8  中間試験 8  中間試験
9  相互誘導回路(自己誘導・相互誘導) 9  2端子対回路の行列表現(2端子対回路とは・Z行列)
10  相互誘導回路(直列接続したインダクタンスの合成) 10  2端子対回路の行列表現(Y行列)
11  相互誘導回路(電源と負荷を持つ相互誘導回路) 11  2端子対回路の行列表現(F行列)
12  三相交流電源と結線方法(Y結線による三相交流の表現) 12  2端子対回路の行列変換(相反性と対称性・諸行列の関係)
13  三相交流電源と結線方法(Δ結線による三相交流の表現) 13  2端子対回路の行列変換(負荷のY-Δ変換)
14  三相交流電源と結線方法(電源のY-Δ変換・負荷のY-Δ変換) 14  2端子対回路の行列変換(対称格子形回路)
15  前期末試験 15  学年末試験
成績評価の方法
(1)定期試験60%
(2) 課題または小テスト40%
で評価する。
学生へのメッセージ(事前学習・関連科目・履修上の注意等)
事前学習:回路理論1を理解しておくこと。
関連科目・履修上の注意:電気回路は、電気の基礎科目として必要不可欠なものであり、電子回路、電気機器、電力工学などほとんどの電気の応用科目に必要とされる知識である。また、電気に関わる各種資格試験の共通の基礎科目ともなっており、それだけ、重要度の非常に高い科目であり、しっかりと身に付けることが必要である。無線従事者・電気工事士・電気主任技術者関連科目である。