平成27年度 シラバス
授業科目 担当教員 開講期
物理化学2 河村 秀男 通年
科目番号 対象学年 履修上の注意 単位数
140410 4年 生物応用化学科 学修単位・必修 2単位
授業概要
物理化学の柱の1つである熱力学について、その基本的原理である熱力学第一法則、第二法則、第三法則とそれらの化学への応用について授業をおこない、物理変化や化学変化を理解する上で熱力学の知識が役立つことを理解させる。図や具体例を用いた説明、演習問題を解かせることにより、基礎的問題を理解して解ける能力を身につけさせる。
  到達目標
   1. 状態量について説明でき、示量性状態量と示強性状態量の違いと例を上げられること
   2. 体積変化に伴う仕事と熱量を計算できること
   3. 熱力学第一法則を説明できること
   4. 状態変化に伴う内部エネルギー変化とエンタルピー変化を計算できること
   5. 標準反応熱と任意の温度における反応熱を計算できること
   6. 熱力学第二法則を説明できること
   7. 理想気体の体積変化、温度変化、相変化、理想気体の混合および反応に伴うエントロピー変化を計算できること
   8. 熱力学第三法則を説明できること
   9. 体積変化や圧力変化に伴う自由エネルギー変化を計算できること
   10. 人名のついた基本的な熱力学の関係式を導くことができること
教科書
基礎物理化学 杉原剛介 他著 (学術図書出版)
物理化学2配布プリント 河村作成
参考書
化学熱力学 原田義也 著 (裳華房)
演習 化学熱力学(新訂版) 渡辺 啓 著 (サイエンス社)
化学・生命科学系のための物理化学 Raymond Chang 著 岩澤康裕 他訳 (東京化学同人)
物理化学上 桐野 豊 編 (共立出版)
物理化学の基礎 柴田茂雄 著 (共立出版)
化学を学ぶ人のための基礎数学 ピータ・デビット 著 北浦和夫 他著(化学同人)
授業の進め方
各授業において配布するプリントに沿って授業を進める。各授業における重要な点や理解度を確認させる目的で、各授業ごとに演習問題を与え、レポートとして提出させる。
授業内容
前期 自己点検 後期 自己点検
1 熱力学で使用される用語の説明:系、外界、状態量、状態変数の数(自由度) 1 カルノーサイクルの効率
2 熱と仕事の定義:体積変化に伴う仕事 2 熱力学第一法則では説明できない現象例
3 熱力学第一法則の説明:熱、仕事、内部エネルギーの関係、第一種永久機関 3 熱力学第二法則:トムソンの原理とクラウジウスの原理、第二種永久機関
4 準静的変化の説明:理想気体の体積変化を例に上げて 4 可逆過程と不可逆過程:理想気体の等温での体積変化を例に上げて
5 内部エネルギーおよびエンタルピーの定義:定積条件と定圧条件において 5 エントロピー:熱力学第二法則の数学的表現
6 熱容量の説明:定積熱容量、定圧熱容量及びその関係 6 定温条件における理想気体の体積変化に伴うエントロピー変化
7 温度変化に伴う熱量の計算:定積条件と定圧条件において 7 定積、定圧条件における温度変化に伴うエントロピー変化と相変化に伴うエントロピー変化
8 中間試験 8 中間試験
9 気体分子運動論:理想気体の並進運動エネルギー、根平均2乗速度 9 理想気体の混合に伴うエントロピー変化
10 ジュールの実験:理想気体の内部エネルギーの分子論的解釈と理想気体の熱容量(マイヤーの関係式) 10 エントロピーの分子論的解釈
11 理想気体の断熱変化(ポアソンの式) 11 熱力学第三法則:ネルンストの熱定理とプランクの表現
12 標準状態における反応熱の計算 12 標準エントロピーと化学反応に伴うエントロピー変化
13 任意の温度における反応熱の計算:キルヒホッフの式 13 自由エネルギー:ギブズ(の自由)エネルギーとヘルムホルツ(の自由)エネルギー
14 熱機関とカルノーサイクル 14 熱力学の関係式:マックスウェルの関係式、ギブズーヘルムホルツの式
15 期末試験 15 期末試験
成績評価の方法
この科目は学修単位科目であるので、(90時間―講義時間)以上の自学自習を必要とする。したがって、科目担当教員が課した課題の内、{(90時間―講義時間)x3/4}以上に相当する課題提出がないと単位を認めない。
成績は、中間試験と期末試験の結果を80%、小テストを10%、各授業において課したレポートを10%として評価する。
学生へのメッセージ(事前学習・関連科目・履修上の注意等)
偏微分と全微分をよく使用するので、3年生の数学(数学A‐3)の授業で学習した偏導関数の内容を復習しておくこと。式を記憶すること以上に式の物理的意味を理解しようとすることが大切です。なぜそうなるのかということを常に意識しながら、レポート、課題を自分で解いてください(定期試験の勉強にもなります)。
学習・教育目標 (生産工学) 学習・教育目標
(電子工学)
学習・教育目標
(生物応用化学)
機械工学コース 環境材料工学コース
      B-1、B-2、B-4