平成26年度 シラバス
授業科目 担当教員 開講期
物理化学 朝日太郎 通年
科目番号 対象学年 履修上の注意 単位数
151304 3年　環境材料工学科 2単位
授業概要
物理化学は全ての化学分野の理論的な面を担う科目であり、材料系分野の学習においても極めて重要な科目である。化学は物質を扱う学問であるが、まず、物質を構成する最小単位である原子・分子構造の考察を扱う「構造論」から入り、次に、これらが集合体をなしてマクロな状態となった物質の性質を扱う「物性論」を学習する。さらに、化学反応に伴う物質の変化をエネルギー論的に扱う「化学熱力学」分野を学習し、物理化学の基礎を理解することを目標とする。
　　到達目標
　　　1. 原子構造と電子配置について理解できること。
　　　2. 各種化学結合（共有結合、イオン結合、金属結合）について理解できること。
　　　3. 混成軌道の概念とそれらから成る各種分子の構造について理解できること。
　　　4. 物質の三態と理想気体の状態方程式について理解できること。
　　　5. 熱力学第1および第2法則、及びエントロピーの概念について理解できること。
　　　6. ギブズ自由エネルギーと化学ポテンシャルについて理解できること。
　　　7. 溶液論（溶解度、蒸気圧、浸透圧）について理解できること。
　　　8. 酸・塩基、酸化・還元反応について理解できること。
　　　9. 反応速度論に関する事項（遷移状態、律速反応、化学平衡）が理解できること。
教科書
理系学生の基礎化学、姫野貞之・内野隆司、学術図書
参考書
図解雑学　物理化学のしくみ、齋藤勝裕　著、ナツメ社
化学の新研究、卜部吉庸　著、三省堂
はじめて学ぶ化学　「物理化学」、齋藤勝裕　著、ナツメ社
原点からの化学　化学の発想法、石川正明 著、駿台文庫
フレンドリー物理化学、田中潔・荒井貞夫　著、三共出版
理系なら知っておきたい化学の基本ノート 物理化学編、岡島光洋 著、中経出版
ステップアップ　大学の物理化学、齋藤勝裕・林　久夫　著、裳華房
わかる×わかった！　物理化学、齋藤勝裕、長谷川美貴、オーム社　
授業の進め方
授業は、1・2年生で履修した物理，化学の内容を適時盛り込みながら、教科書・プリント・板書を中心に講義を進める。また、毎回課題や演習問題を与え、それらを通じて基礎力の定着を図る。
授業内容
前期 自己点検 後期 自己点検
1 物理化学の概要 1 ギブズエネルギー、化学ポテンシャル��
2 原子構造（原子核と電子、電子殻と量子数） 2 ギブズエネルギー、化学ポテンシャル��
3 原子の性質（電子配置、元素の周期性、イオン化エネルギー、電気陰性度） 3 物質の3態、気体の状態方程式
4 化学結合�　雰觜腓亮鑪燹� 4 溶液の性質�　瞥浪鯏戞⊂�気圧）
5 化学結合�◆淵轡哀涎觜腓肇僖し觜隋� 5 溶液の性質�◆癖�点上昇・凝固点降下、浸透圧）
6 分子構造�　丙�成軌道） 6 酸・塩基�　閉蟲繊�HSAB則）
7 分子構造�◆粉靄榲�な分子の構造） 7 酸・塩基�◆平紊離ぅ�ン積、水素イオン濃度、中和反応）
8 中間試験 8 中間試験
9 固体の構造と性質�　雰訃醜渋ぁ� 9 酸化・還元反応�　併晴戎堯�
10 固体の構造と性質�◆陛典づ�性質） 10 酸化・還元反応�◆淵ぅ�ン化傾向）
11 熱力学第一法則�　米睇凜┘優襯�ー、エネルギー保存則） 11 酸化・還元反応��（化学電池、ファラデーの法則、電気分解）
12 熱力学第一法則�◆淵┘鵐織襯圈次▲悒垢遼‖А� 12 反応速度論�　僻娠�速度、遷移状態、律速段階）
13 エントロピー�　焚諜嬖儔修班垈諜嬖儔宗� 13 反応速度論�◆焚蹴慂森奸∧森嫩蠖堯�
14 エントロピー�◆雰呂諒儔修砲茲襯┘鵐肇蹈圈爾侶彁察� 14 反応速度論��（ルシャトリエの法則）
15 期末試験 15 期末試験
成績評価の方法
定期テスト80％、課題・小テスト等20％として評価する。課題等の提出物は期限内に提出されたものを評価の対象とする。
学生へのメッセージ(事前学習・関連科目・履修上の注意等)
本科目は低学年で学習した物理・化学の内容の復習が必須である。また、予習と復習を十分に行い、毎週実施予定の課題と小テストにしっかりと取組むこと。高学年に続く専門科目（材料物理化学、表面工学、有機化学、無機材料学など）の基礎となる内容を多く含んだ科目なので、学習内容の確実な理解が望まれる。また、低学年次で学んだ物理や化学の復習が必須である。紹介した参考書も大いに活用すべきである。
授業中は私語や居眠り、無断退出等の行為を慎むこと。周囲への迷惑行為と受け取れる受講態度だと判断する場合には、途中退室を命じることがある。授業に集中するよう心掛けること。