平成26年度 シラバス
授業科目 担当教員 開講期
有機機能化学 (前期)中川克彦・(後期)兵田 俊治 通年
科目番号 対象学年 履修上の注意 単位数
140521 5年 生物応用化学科
(応用化学コース)
選択必修 2単位
授業概要
高分子は、自然界に見られる繊維や食品、人間の手によって合成されたプラスチックやフィルムなど、生活に欠かせない材料となっている。本授業では、高分子の科学史、高分子合成法(高分子のラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合、金属触媒、開環重合、重縮合、重付加など)、分子量の概念、共重合体の性質、立体構造、熱力学的挙動等の基礎的な知識や、最近の機能性材料への応用についての学ぶ。さらに、高分子に関するグリーンケミストリーの概念を学び、環境保護の歩みや環境分野法令(例、化審法)について基本的な知識を習得を目指す。これらを通じて、高分子化学などの専門知識とそれらを応用化学と生物工学の諸問題の解決に利用できる能力を培う。さらに、特許等の知的財産権と高分子化学工業の関連性を学ぶ。
  到達目標
   1. 合成高分子化合物の生い立ちを理解し、説明できること。
   2. 高分子化合物の特徴(熱的および力学的性質など)を理解し、説明できること。
   3. 合成高分子の基本的な化合物の名称および構造式を書くことができること。
   4. 合成高分子の基本的な化合物の合成反応式を書けることができること。
   5. 合成高分子化合物の合成法(例、ラジカル重合、イオン重合、重縮合など)に関する基本的な知識を習得し、説明できること。
   6. 高分子の分子量やその立体構造についての基本的な知識を習得し、説明できること。
   7. 高分子の機能性材料への応用について基本的な知識を習得し、説明できること。
   8. 高分子に関するグリーンケミストリーの概念を理解し、説明することができること。
   9. 環境保護の歩みや環境分野法令(例、化審法)について基本的な知識を習得し、説明できること。
   10. 知的財産権について基本的な知識を習得し、説明できること。
教科書
新高分子化学序論  伊勢典夫 他著  (化学同人)
参考書
機能高分子材料の化学 戸嶋直樹 著 (朝倉書店)
グリーンケミストリー P.T. Anaatas, J.C. Warner 渡辺正・北島昌夫 訳 (丸善)
エンジニアのためのプラスチック教本 中條澄 著 (工業調査会)
沈黙の春 Rachel Carson 著 (新潮社)
環境と化学 柘植秀樹・荻野和子・竹内茂彌 著 (東京化学同人)
産業財産権標準テキスト 総合編 特許庁 著 (工業所有権情報・研修館)
女子大生マイの特許ファイル 稲森謙太郎 著 (楽工社)
授業の進め方
教科書やプリントを中心にした講義に加え、演習を随時行うことにより理解を深める。また、特許等の知的財産権と高分子化学工業との関連課題についてプレゼンテーションを行う。
授業内容
前期 自己点検 後期 自己点検
1 高分子概念の確立の歴史 1 合成高分子の生い立ち(ナイロン、ポリエチレン)
2 高分子とは何か(分類の概念について) 2 高分子合成法と特許等の知的財産権との関連について
3 高分子とは何か(分子構造について) 3 高分子合成:ラジカル重合(1)
4 高分子とは何か(分子量の概念について) 4 高分子合成:ラジカル重合(2)
5 高分子とは何か(分子量分布の概念および計算方法について) 5 高分子合成:ラジカル重合(3)
6 高分子とは何か(熱安定性について熱力学的視点から考えよう) 6 高分子合成法(ラジカル重合)の特許を含むインターネット検索結果をまとめ、プレゼン
7 高分子とは何か(幾何学的構造、高次構造について考えよう) 7 高分子合成:重付加・付加重合(熱硬化性高分子、耐熱性高分子)
8 中間試験 8 中間試験
9 高分子とはなにか(固体構造について考えよう) 9 高分子合成:イオン重合(アニオン重合)
10 高分子とはなにか(力学的性質、電気的性質について考えよう) 10 高分子合成:イオン重合(カチオン重合)
11 高分子の成形加工について(射出成形、押出成形などについて) 11 高分子合成:イオン重合(開環重合)
12 高分子の成形加工について(成形加工用原材料について) 12 高分子と環境負荷との関連について(例、生分解性高分子など)
13 高分子に関する法規制について(PL法、MSDSシート、RoHSなどについて) 13 高分子と環境保護の歩みや環境分野法令(例、化審法)について
14 高分子に関する製品規格について(ISO, JIS, ASTMなどについて) 14 高分子の環境負荷と特許等の知的財産権との関連について
15 期末試験 15 期末試験
成績評価の方法
前期中間:定期試験(80%)、小テスト(10%)、課題提出物(10%)、前期末:定期試験(90%)、課題提出(10%)により評価する。後期:定期試験(75%)、プレゼンテーション(10%)、課題提出物(15%)により評価する。
学生へのメッセージ(事前学習・関連科目・履修上の注意等)
身の回りの材料や先端技術に使用される材料として高分子は非常に重要である。巨大な分子になることによって独特の性質が現れ、様々な機能を持つようになることを多角的に学ぶ。本科目は、有機化学、合成化学、物理化学の基礎知識があらかじめ必要とされる。有機工業化学とも密接な関連があり、生物応用化学専攻の理論有機化学、有機合成化学および高分子化学概論、特許化学概論とも関連する。
学習・教育目標 (生産工学) 学習・教育目標
(電子工学)
学習・教育目標
(生物応用化学)
機械工学コース 環境材料工学コース
      B-4