授業科目 担当教員 開講期
有機工業化学
(Industrial Organic Chemistry)
(前期)中川 克彦
(後期)兵田 俊治
通年
科目番号 対象学年 必修・選択の別 単位数
16340 5年 生物応用化学科   2単位
授業目標
現在、身の回りの生活用品の8割以上が有機化合物から製造されている。有機工業化学では、有機化学及び合成化学で学んだ基礎知識を基にして、石油化学製品の反応や製造法を学び、さらに高分子物質及び機能性物質の標準的な製造法及び基礎的な性質を学び、自ら化学技術者として化学工業、社会に貢献できる実践的な知識・素養を身に付けることを目標とする。
教科書
有機工業化学  園田昇 他編  (化学同人) および配布プリント
参考書
有機工業化学概論  吉田高年 他著  (培風館)
授業の進め方
授業は、教科書・プリント・板書を中心に講義を進めるが、2週に1回程度の小テスト又は課題に対する解答を発表し、その理解度を確認する。教科書に記載されていない資料(製造法、物質収支計算、生産量、用途等)は主としてプリントを用いて講義する。
授業内容
前期 後期
1 基礎(1):有機工業化学とは 1 パルプ・紙 (再生可能な原料と枯渇性の原料の用途について理解することを目標とする)
2 基礎(2):基礎的用語 2 プラスチック・可塑剤(1)
3 基礎(3):化学式・官能基 3 プラスチック・可塑剤(2)
4 基礎(4):電子軌道・化学結合剤 4 プラスチック・可塑剤(3)(トピックスとして環境ホルモンについて概説し、環境への影響について理解することを目標とする)
5 基礎(5):化合物命名法 5 ゴム・エラストマー
6 基礎(6):反応と合成 6 繊維
7 知的所有権の概要(主として知的財産の保護の重要性と特許制度について理解することを目標とする) 7 染料
8 中間試験 8 中間試験
9 燃料・潤滑油(1) 9 染色加工
10 燃料・潤滑油(2) (石油代替エネルギーと環境問題との関わりについて理解することを目標とする) 10 塗料
11 環境浄化システム (トピックスとして環境バイオテクノロジー、ニューセラミックス等を紹介し、環境浄化システムについて理解することを目的とする) 11 接着剤
12 油化学 12 医薬品・農薬(1)(毒性と人体および環境への影響について理解することを目標とする)
13 石油化学(1) (歴史的な地場産業の環境への取り組姿勢について学ぶ) 13 医薬品・農薬(2)
14 石油化学(2)(環境への負荷と経費の軽減を可能にする触媒の機能及び安全を最優先する工場運営等について理解することを目標とする) 14 工業廃水処理(化学物質を分解する微生物の処理能力と環境への負荷軽減について理解することを目標とする)
15 期末試験 15 期末試験
成績評価の方法
定期試験、小テスト及び各章毎の発表の評価(80%)、他に課題提出物(10%)、平常点(10%)を含めて評価する。
学生へのメッセージ
有機工業化学は幅広い学問だが、その中心となる反応や製造法は有機化学や合成化学を基礎としている。また、身の回りのほとんどが工業製品、中でも有機工業製品で構成されている。それらは、どんな物質で構成されているか、どのようにして作るのか、どんな性質を有しているか、どんな用途が有るか、使い勝手はどうか、いろいろ考える所に進歩があり、次の課題を見つけることができる。大学・公的機関・会社での研究・仕事を通して社会に貢献する為の基礎として、有機工業化学は有意義な科目である。
学習・教育目標(デザイン工学)   学習・教育目標(生物応用化学) A-1、B-4、C-1