授業科目 担当教員 開講期
理論有機化学
(Theoretical Organic Chemistry)
中川 克彦 前期
科目番号 対象学年 必修・選択の別 単位数
63330 1年 生物応用化学専攻 選択(SC-1) 2単位
授業目標
理論有機化学では、有機電子論、化学結合論、熱力学、反応速度論、立体化学などを発展させた知識・思考力を身につけ、有機化学の反応機構を考察する能力を修得させることを目的とする。
教科書
基礎有機反応論  橋本静信 他著  (三共出版)および配布プリント
参考書
有機反応機構  右田俊彦、永井洋一郎 共著  (裳華房)
その他化学結合、分子軌道、有機電子理論、物理化学などに関する参考書は図書館に多数ある。
授業の進め方
授業は、教科書・プリント及び演習問題を中心としたゼミ方式の講義を進め、学生は随時、授業中の課題および講義内容のまとめについて発表を行う。
授業内容
1 有機化学の反応機構の考え方の復習
2 化学結合論:軌道および混成軌道の概念
3 化学結合論:電気陰性度と分極および双極子モーメント
4 化学結合論:分子間力
5 有機電子理論:共鳴理論
6 有機電子理論:誘起効果と共鳴効果
7 有機電子理論:超共役
8 酸と塩基の定義
9 酸解離に対する溶媒効果および立体効果
10 酸解離平衡と熱力学:エンタルピーとエントロピーの変化
11 有機化学反応と速度論:遷移状態説とエネルギー相関図、反応制御による省エネ対策
12 求核置換反応の反応機構(1):速度論と立体化学、環境問題と脱離基の選択
13 求核置換反応の反応機構(2):溶媒効果と隣接基効果、環境にやさしい溶媒と反応条件
14 脱離反応の反応機構:速度論と立体化学、溶媒効果と隣接基効果、脱離分子の環境への影響
15 期末試験
成績評価の方法
期末試験、随時行う課題およびまとめの発表の評価(80%)、課題提出物(10%)、平常点(10%)を含めて評価する。
学生へのメッセージ
本科目では、有機電子論、化学結合論、立体化学などの有機化学の知識、熱力学、反応速度論などの物理化学の知識を下にして、有機化学の反応機構に関する基本項目を理解する。さらにそれらを応用する力をつけるため、授業で学んだことはその都度復習・演習する必要がある。そのため、学生は講義内容を自分自身でまとめたプリントや課題の解答を配布し、輪番制で発表を行う。最新の有機反応機構の分析方法に関するトピックスも交えて講義を行うので機器分析の教科書と分子模型は毎回必ず持ってくること。
学習・教育目標(デザイン工学)   学習・教育目標(生物応用化学) A-1、B-4、C-1