授業科目 担当教員 開講期
有機合成化学
(Synthetic Organic Chemistry)
中川 克彦 後期
科目番号 対象学年 必修・選択の別 単位数
63190 1年 生物応用化学専攻 必修 2単位
授業目標
有機合成化学では、生物応用化学科の合成化学に続いて、グリーンケミストリー(環境にやさしい化学)の哲学を有機合成へ展開した実例を紹介しながら、人名反応により分類した有機合成法の基礎知識などの習得を目的とする。さらに、目標とする有機化合物をどのような化合物から、どのような方法で合成するかを決めるための、いわゆる逆合成的手法を考察する能力を修得させることを目的とする。
教科書
ビギナーのための有機合成反応  太田博道、西山繁 共著  (三共出版)および配布プリント
参考書
有機合成化学  飯田弘忠 著  (培風館)
グリーンケミストリー  渡辺正、北島昌夫 訳  (丸善)
その他有機合成、有機工業化学などに関する参考書は図書館に多数ある。
授業の進め方
授業は、教科書・プリント及びCGアニメーションを中心としたゼミ方式の講義を進め、学生は授業中の課題および隔週毎のまとめについて随時、発表を行う。
授業内容
1 有機合成反応の分類(1):イオン反応、ラジカル反応
2 有機合成反応の分類(2):付加反応、置換反応
3 有機合成反応の分類(3):脱離反応、転位反応
4 グリーンケミストリー(1):定義とその哲学
5 グリーンケミストリー(2):その精神である“12箇条”と合成反応の実例
6 人名反応(1):Williamson 反応、Sandmeyer 反応 (以下の人名反応について、グリーンケミストリーの概念を合成法に応用する能力を養う〕
7 人名反応(2):Saytzeff 則、Hofmann 則
8 人名反応(3):Aldol 反応、Wittig 反応
9 人名反応(4):Grignard 反応、Cannizzaro 反応
10 人名反応(5):Claisen 縮合反応、Michael 付加
11 人名反応(6):Markovnikov 則、anti-Markovnikov 則
12 人名反応(7):Hammett 則、Friedel-Crafts 反応、Woodward-Hoffmann 則
13 逆合成の考え方(1):脆い(tender)結合と粘い(tough)結合
14 逆合成の考え方(2):単官能基の逆合成の演習
15 期末試験
成績評価の方法
期末試験と随時行う課題試験および講義のまとめの発表評価(80%)、課題提出物(10%)、平常点(10%)を含めて評価する。
学生へのメッセージ
有機合成化学はこれまで学んだ有機化学、合成化学および有機工業化学の発展科目である。有機化合物の合成法に関する基本項目を理解しそれらを応用する能力を修得するため、授業で学んだことはその都度復習・演習する必要がある。そのため、学生は随時行う課題問題の解答や講義内容を自分自身でまとめたプリントを翌週の講義において配布し輪番制で発表を行う。最新の有機合成法に関するトピックスも交えて講義を行うので、有機化学と有機工業化学の教科書と英語辞書は毎回必ず持ってくること。
学習・教育目標(デザイン工学)   学習・教育目標(生物応用化学) A-1、B-4、C-1