1. 生産工学プログラム(Production Engineering Program)について



図1 本プログラムで養成する技術者像
 個々の製品のデザインと社会との関連性が問われる次世代の生産に向けて、いかに作るかに注目した従来型の生産者主体の技術者育成プログラムから、利用者主体への取組み方、すなわち、技術者倫理に則り、環境への影響や循環型社会を配慮した材料設計やものづくりができる技術者の育成プログラムへとシフトしていく必要があります. また、製造の現場では、製造コストを削減して、グローバルな競争に勝ち抜くために、組み立てラインにおいても自動化や省人化に取組む製造業が増えてきており、更に進めて、試作品をなくすための試作レスなどの取組みも始められています. これらの取り組みには、従来にはそれほど重要ではなかった、製造現場と設計・開発部門との密なコミュニケーションが必要となり、単に製造知識・技術だけを身につけた技術者ではなく、図1に示すようなデザイン能力に長けた人材が必要です. 
 また、このような人材であれば、製造工程の内製化や、IT技術を駆使したより高度な生産支援に係わることも期待できます. そこで、本プログラムでは、環境への影響や循環型社会を配慮しつつ、与えられた制約条件の下での人的・物的・知的資源を有効に活用しものづくりができる、デザイン能力に秀でた技術者すなわち「資源活用型技術者」の養成を目指します。  具体的には、機械・材料専門分野の基礎知識・技術を活用し,問題解決に向けて自主的に考え,計画を立案・実行できる力すなわち 「デザイン能力」を、 「計画能力」 「情報編集・問題解決能力」 および 「ITツール活用力」 の三つに分け、それぞれの能力を養成します.