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【12/1】第48回新居浜高専工業技術懇談会を開催しました。

 新居浜高専では、平成3年度から工業技術懇談会を開催しており、地域のみなさまへのシーズ情報提供と共に、産学官の情報交流を通じて、地域産業の発展を目指しております。今回は、平成12年に山口大学に設置された「時間学研究所」から所長の辻正二教授、藤澤健太教授をお招きし、御講演いただきました。

 講演では、辻正二教授に「超高齢社会の生き方:時間学からの提案」と題し、高齢化の現実を直視し、われわれ日本人が今後どのような生き方をしていけばよいか、時間学の視点からお話しいただきました。自然の時間を考慮に入れながら、生命的時間と社会的時間の調和がもたらせるような生き方が必要であり、そのためには、生涯現役に努め、リズミカルな生活をしていくことが大切であると締めくくられました。

 また、藤澤健太教授は「電波で見た宇宙の姿」と題し、天文学の分野から時間を捉え、宇宙の広さと時間の関係についてお話しいただきました。星が発しているのは光だけではなく、電波、赤外線、紫外線、X線、ガンマ線、そしてニュートリノや重力波など、様々なものが天体から地球にやってきています。光以外は私たちの目で感じられないので、普段はその事に気づきません。もし私たちが光以外の方法で宇宙を「見る」事が出来たら、宇宙はどのように見えるのだろうといった視点にある「電波天文学」の研究について山口大学時間学研究所における取り組みを紹介いただきました。

 なお、今回の工業技術懇談会はこれまでと異なり、地域企業関係者のみならず地域住民の方も多く聴講され、教職員合わせて70名を超える出席者が会場を埋め尽くしました。

 聴講者からは、ただ過ごしている時間でも、学問として捉えたことは無く、高齢社会における時間管理や社会参加の必要性など、聞いていても非常に有意義な講演会だったといった感想が聞かれ、山口大学時間学研究所における研究内容にも強い関心を持たれた方も少なくないようでした。

 時間学研究所参照HP:http://www.rits.yamaguchi-u.ac.jp/introduction/index.html

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