平成29年度 シラバス
授業科目
材料力学1
担当教員
玉男木 隆之
開講期
通年
科目番号
110306
対象学年・学科・コース
3年 機械工学科
単位区分

単位数
2単位
授業概要・授業方針
 外力(あるいはモーメント)が作用すると、材料の内部は応力で抵抗し、必ずひずみを生じること、材料力学は、応力とひずみが比例するという基本的な仮定に基づく学問であることを理解する。 次に、引張り・圧縮の静定および不静定、丸棒のねじり、についてその理論を理解し、問題演習を通じて具体的問題を解決する基礎能力を身に付ける。
到達目標
  1. 棒の引張、圧縮に対して応力、ひずみ等が計算できる。
  2. 公称応力−ひずみ、真応力−ひずみについて説明と計算ができる。
  3. 応力集中、許容応力について説明と計算ができる。
  4. 引張、圧縮に対する不静定問題を解くことができる。
  5. トラスの問題を解くことができる。
  6. モールの応力円を用いて応力,ひずみの計算ができる。
  7. 内圧が作用する薄肉の円筒や球殻の設計計算ができる。
  8. 円形断面棒のねじり応力やねじり角を求めることができる。
  9. 動力伝達軸について,ねじり応力やねじり角を求めることができる。
教科書
材料力学(改訂版)  中島 正貴著(コロナ社)
配布資料
参考書
材料力学 第3版 黒木 剛司郎著(森北出版) 
図解でやさしい入門材料力学 有光隆著(技術評論社)
授業要目 到達目標
との対応
自己点検
前期
1 ガイダンス、材料力学とは、ものづくりとの関わり 1
2 静力学の基礎、材料力学で用いる単位と記号 1
3 応力とひずみ、フックの法則と弾性係数 1
4 材料の機械的性質と材料試験、応力ーひずみ線図、安全率 2
5 引張り(圧縮)応力とひずみ 1
6 せん断応力とせん断ひずみ 1
7 中間試験 1, 2
8 許容応力と安全率 3
9 応力集中 3
10 簡単な不静定問題 4
11 熱応力 4
12 簡単なトラス 5
13 傾いた面の応力 4
14 2軸応力とひずみ 4
15 問題演習 3, 4, 5
16 期末試験 3, 4, 5
17 試験返却および解説 3, 4, 5
後期 自己点検
1 モールの応力円 6
2 薄肉の円環 7
3 問題演習 6, 7
4 薄肉の円筒 7
5 問題演習 7
6 薄肉の球殻 7
7 問題演習 7
8 中間試験 6, 7
9 円形断面棒のねじり(剛性の式) 8
10 円形断面棒のねじり(強度の式) 8
11 問題演習 8
12 動力伝達軸 9
13 問題演習 8, 9
14 コイルばね 9
15 問題演習 8, 9
16 期末試験 8, 9
17 試験返却および解説 8, 9
到達達成度の指標(ルーブリック)
到達
目標
理想的なレベル(A)の目安 標準的なレベル(B)の目安 未到達なレベル(C)の目安 自己評価
1 自重を考慮した場合の応力、ひずみ等が計算できる。 自重を考慮しない場合の応力、ひずみ等が計算できる。 応力、ひずみ等の計算方法が分からない。 A・B・C
2 公称応力−ひずみ、真応力−ひずみについて、実験データ、もしくは理論式を用いて計算し、グラフを作成できる。 公称応力−ひずみ、真応力−ひずみについて、違いを説明できる。 公称応力−ひずみ、真応力−ひずみの違いが説明できない。 A・B・C
3 安全率を考慮した設計計算ができる、また、応力集中係数を用いて最大応力が計算できる。 許容応力の説明ができる、また、最大応力と公称応力の違いを説明できる。 応力集中や許容応力が説明できない。 A・B・C
4 熱変形を考慮した不静定問題を解くことができる。 簡単な不静定問題を解くことができる。 静定、不静定の違いが理解できない。 A・B・C
5 簡易的なトラスの問題について、各部材に生じる応力、ひずみを計算できる。 各部材に生じる力の関係を自由物体線図を用いて説明できる。 トラスに生じる力関係が理解できない。 A・B・C
6 モールの応力円のメリットを説明できる、また、応力円を用いて応力、ひずみを計算できる。 モールの応力円とは何かを説明できる。 モールの応力円が何かを説明できない。 A・B・C
7 薄肉構造の圧力容器などの設計計算ができる。 薄肉の円筒や球殻の面内応力が計算できる。 薄肉の円筒や球殻の面内応力が計算できない。 A・B・C
8 極断面二次モーメントを理解し、ねじりが生じる中実、中空棒について設計計算ができる。 せん断応力やねじりモーメント、極断面二次モーメントの公式を用いて、応力やねじり角を求めることができる。 極断面二次モーメントが何かを説明できない。 A・B・C
9 動力や回転数、トルクなどの単位換算を理解し、正しく動力伝達軸の設計計算ができる。 公式を用いて、ねじり応力やねじり角を計算できる。 ねじり応力やねじり角の計算ができない。 A・B・C
到達度評価
定期試験ごとに、定期試験を80%、提出物を20%として評価する。年4回の評価の平均を学年の評価とする。
履修上の注意
 材料力学は機械・構造物の設計における基礎的かつ重要な内容を含み、機械工学の柱となる科目である。材料力学2、3に続くため、この科目の基礎となる材料力学1の内容の十分な理解が不可欠である。
事前学習・自己学習・関連科目
事前学習:微積分や力学など、数学(数学A、B)や物理(物理1、2)の知識を必要とするため、しっかりと復習をしておくこと。
関連科目:材料力学2、材料力学3