平成29年度 シラバス
授業科目
環境材料工学実験1
担当教員
新田敦己、朝日太郎、當代光陽
開講期
前期
科目番号
151309
対象学年・学科・コース
3年 環境材料工学科
単位区分
必修
単位数
3単位
授業概要・授業方針
講義を通して学ぶ基礎的な事項について実験により事実を確かめ、理解を深めると同時に基本的な実験技術を習得する。実験は物理化学と材料科学に関する内容であり、実験の過程や結果及びその解析を通して、どのような知識、情報が得られるかを体験する。
到達目標
  1. 実験の目的を理解できること。
  2. 実験テキストを読んで、手順に従って実験が進められること。
  3. 実験データを記録、整理できること。
  4. 実験結果を理解し考察ができること。
  5. 実験結果をまとめて報告書が作成できること。
  6. 基本的な実験器具について操作方法を習得すること。
教科書
環境材料工学実験1  新居浜高専・環境材料工学科編集
参考書
なし
授業要目
 実験内容の説明

実験関連事項の講義、簡単な見本実験

実験テーマ

 1. 結晶模型と結晶化学:構造の立体感覚を身につけ、原子配列や配位について学ぶ。
 
 2. 溶解熱の測定:実験を通じ、熱量変化の計算法を理解する。

 3. ガラス球の充填率:粒径の異なるガラス球の充填率を測定し、粉末粒子の充填について考察する。

 4. サーミスタの温度特性評価:PTCサーミスタ素子の抵抗を測定し、素子の温度特性評価について理解を深める。

 5. 電気分解:実験により、電気化学反応を理解する。

 6. 固体の比熱:各種金属の比熱を水熱量計を用いて測定し、熱量保存法則の理解を深める。

 7. 冷却曲線の測定:純金属を対象に相律や凝固潜熱について学ぶ。

 8. 冷却曲線の測定:2成分系合金について、2相および3相共存の凝固過程について学ぶ。

9. 材料組織の観察:鋼の組織観察を通して組織観察の一般的手法を学ぶ。

10. 共晶組織の観察:純成分とその共晶組織の観察を通して、合金組織について学ぶ。

11. X線回折結果の解析:基本原理について学ぶとともに、bcc、fcc格子の格子定数を算出する。

12. データ処理法:格子定数の最小2乗法処理について学ぶ。

実験の総括
到達達成度の指標(ルーブリック)
到達
目標
理想的なレベル(A)の目安 標準的なレベル(B)の目安 未到達なレベル(C)の目安 自己評価
1 実験の目的が理解でき、関連する理論が分かること。 実験の目的が理解できること。 実験の目的が理解できない。 A・B・C
2 実験テキストを読んで、手順に従って実験を進めることができ、実験を進める上で注意すべき手順が分かること。 実験テキストを読んで、手順に従って実験を進めることができる。 実験テキストを読んで、手順に従って実験を進めることができない。 A・B・C
3 実験データを記録、整理することができ、さらに報告書に必要なデータとしてまとめることができる。 実験データを記録、整理できること。 実験データを記録、整理できない。 A・B・C
4 実験結果を理解し、考察ができること。また、資料や文献調査により関連する理論を調べたりさらに深く考察ができること。 実験結果を理解し、考察ができること。 実験結果を理解し、考察ができない。 A・B・C
5 実験結果をまとめて報告書が作成でき、十分な考察が書けること。 実験結果をまとめて報告書が作成できること。 実験結果をまとめて報告書が作成できない。 A・B・C
6 基本的な実験器具について操作ができ、操作における注意点が分かること。 基本的な実験器具について操作ができること。 基本的な実験器具について操作ができない。 A・B・C
到達度評価
実験まとめ・考察(実験レポート)(60%)、実験操作・結果(実験ノート) (40%)により評価する。
履修上の注意
必修科目であるので、特別な理由がない限り、欠席は認めない。また、決められた服装等で実験すること。
事前学習・自己学習・関連科目
事前に実験テキストを必ず読み、必要事項を実験ノートにまとめ、実験に臨むこと。実験に積極的に取り組み、基本的な機器の操作に習熟するとともに実験結果に考察を加え、まとめること。実験内容と「材料科学2」や「物理化学」科目の講義内容を関連づけて、基礎的事項の理解を深めて欲しい。「環境材料工学実験基礎」から発展させた実験であり、「環境材料工学実験2」の基礎となる実験である。