平成29年度 シラバス
授業科目
電気工学概論
担当教員
久持 信
開講期
通年
科目番号
151306
対象学年・学科・コース
3年 環境材料工学科
単位区分

単位数
2単位
授業概要・授業方針
電気の基本となる現象(電磁気・静電気を含む)と、この量的取り扱い方、および電気的ないろいろな量の相互関係を理解するとともに、環境材料工学の専門分野において、これらを活用する能力と知識を養うことを目標とする。
到達目標
  1. 直流回路における電圧、電流、抵抗の基本を理解できること。
  2. 直流電流における発熱作用や化学作用を理解できること。
  3. 磁気と電流の相関について、基本特性を理解できること。
  4. 電磁誘導の原理やその応用の実際について、基本的原則を理解できること。
  5. 静電気の性質と静電容量の基本について理解できること。
  6. 正弦波交流の性質や交流回路の基本的な理論を理解できること。
  7. 交流回路の電力、特に三相交流回路についてその特性を理解できること。
教科書
わかりやすい電気電子基礎 武藤高義他共著(コロナ社)
参考書
なし
授業要目 到達目標
との対応
自己点検
前期
1 直流回路の電圧・電流・抵抗 1
2 電気抵抗 1
3 オームの法則、抵抗の直列接続 1
4 抵抗の並列接続および直並列接続 1
5 キルヒホッフの法則、ブリッジ回路 1
6 電流による発熱作用、電力と電力量 2
7 電気のいろいろな作用 2
8 中間試験
9 電流の化学作用 2
10 磁気に関するクーロンの法則、磁界と磁力線 3
11 磁束と磁束密度、磁気誘導 3
12 電流による磁界、アンペアの右ネジの法則 3
13 磁気回路 3
14 電磁力 4
15 直流電動機の原理 4
16 期末試験
17 試験返却、復習
後期 自己点検
1 電磁誘導、レンツの法則、フレミングの右手の法則、発電機の原理 4
2 自己誘導と相互誘導 4
3 静電気の基礎とクーロンの法則 5
4 静電誘導、静電容量とコンデンサ 5
5 コンデンサの接続 5
6 交流波形 6
7 交流のベクトル表示 6
8 中間試験
9 交流の基礎:抵抗、インダクタンスだけの回路 6
10 静電容量だけの回路、R−L直列回路他 6
11 RLC直列回路と直列共振回路 6
12 RLC並列回路と並列共振回路 6
13 交流回路の電力、三相交流発生の原理 7
14 三相交流の結線法 7
15 三相交流電力 7
16 期末試験
17 試験返却、復習
到達達成度の指標(ルーブリック)
到達
目標
理想的なレベル(A)の目安 標準的なレベル(B)の目安 未到達なレベル(C)の目安 自己評価
1 直流回路の原理、法則を理解し、電圧、電流、抵抗などの計算ができる。
直流回路の基本的な公式を使い、電圧、電流、抵抗などの計算ができる。 直流回路の基本的な公式が使えない。
A・B・C
2 直流電流の発熱、化学作用の法則を理解し、電力(量)、熱(量)や化学計算などができる。
直流電流の発熱、化学作用の基本的な公式を使い計算ができる。
直流電流の基本的な公式が使えない。 A・B・C
3 磁気と電流の法則を理解し、磁界、磁束、電磁力、磁気回路などの計算ができる。
磁気と電流の基本的な公式を使い計算ができる。 磁気と電流の基本的な公式が使えない。 A・B・C
4 電磁誘導の原理、法則を理解し、インダクタンスや誘導起電力などどの計算ができる。
電磁誘導の基本的な作用が分かり、公式を使い計算ができる。 電磁誘導の基本的な理解と公式を使った計算ができない。 A・B・C
5 静電気の原理と法則を理解し、電界、電束、静電力、静電容量(コンデンサ)回路の計算ができる。 静電気とコンデンサの基本的な働きが分かり、公式を使い計算ができる。
静電気の基本的な働きの理解と公式を使った計算ができない。 A・B・C
6 正弦波交流の原理、波形や各値を理解し、ベクトル表記、RLC交流回路の計算ができる。
正弦波交流の基本的性質が分かり、公式を使い交流回路の計算ができる。 正弦波交流の基本的な性質の理解と公式を使った計算ができない。 A・B・C
7 三相交流の原理や性質を理解し、電力や送電方式による三相交流回路の計算ができる。
三相交流の基本的性質が分かり、公式を使い計算ができる。 三相交流の基本的な性質の理解と公式を使った計算ができない。 A・B・C
到達度評価
定期試験80%、小テスト(又は課題提出)20%で評価する。
履修上の注意
メカトロニクスに見られるように、すべての産業分野で、電気技術は広く利用され、重要な役割を果たしている。基礎的な知識・活用能力を身につけ、実用能力の高い技術者として成長することを期待する。なお、出された課題は学習内容の理解を確実にするためのものであるから、期限内に必ず提出すること。
事前学習・自己学習・関連科目
「授業内容」に対応する教科書及び配布プリントの内容を事前に読んでおくこと。また単元ごとに課題として演習問題を課すので、授業内容を必ず復習して、しっかり解けるようになっておくこと。
本科目の理解には、数学、物理、化学の基礎的な素養を必要とし、内容分野は電子、電磁気、制御と連携しており、次に学習する電子材料学、計測制御工学などの理解を深める基礎となる。
自分の専門分野(環境材料工学)のみにこだわらず、電気工学の分野にも目を向け、幅広い学問形成をして欲しい。