平成29年度 シラバス
授業科目
物理2
担当教員
大村 泰,安里光裕,山下慎司
開講期
通年
科目番号
102420
対象学年・学科・コース
2年 全学科
単位区分

単位数
3単位
授業概要・授業方針
 前期は, 物理1から続く力学を平面(2次元)上に拡張しベクトル的な取り扱いの方法について学ぶ。力のモーメントによるつり合いや円運動の基本,非慣性系の考え方についても学習を深めて行く。
 後期は, 熱力学について学習し、エネルギー全体としての保存の法則を理解する。さらに波の基本的な性質,正弦波による表現法と波形の読み取りを学び,音や光の基礎となる波の諸法則についての理解を深める。
到達目標
  1. ベクトルの合成・分解ができ、平面(2次元)上の力のつりあいや運動についての計算ができる。
  2. 回転運動の基礎を理解し,等速円運動に関する諸元を求めることができる。
  3. 流体に働く力を求めることができる。
  4. 剛体に働く力のモーメントとそのつり合いに関する式が立てられる。
  5. 熱量保存の法則に基づいた基礎的な計算ができる。
  6. 理想気体の状態方程式ほか熱力学の法則に基づいた基礎的な計算ができる。
  7. 波の基本的性質と波で起こる現象について説明や計算ができる。
教科書
高専テキストシリーズ 物理上 力学・波動  潮 秀樹 他 森北出版
高専テキストシリーズ 物理下 熱・電磁気・原子  潮 秀樹 他 森北出版
参考書
高専テキストシリーズ 物理問題集 潮 秀樹 他 森北出版
授業要目 到達目標
との対応
自己点検
前期
1 ガイダンス、ベクトルとスカラー 1
2 ベクトルの合成と分解、力のつり合い 1
3 2次元の運動1(合成速度と相対速度) 1
4 2次元の運動2(運動方程式、斜面の運動) 1
5 2次元の運動3(運動量、仕事) 1
6 2次元の運動4(水平投射と斜方投射) 1
7 中間試験 1
8 試験返却 復習 演習問題 1
9 等速円運動1 1, 2
10 等速円運動2 1, 2
11 万有引力と惑星の運動1 1, 2
12 万有引力と惑星の運動2 1, 2
13 単振動、慣性力 1, 2
14 圧力と浮力 3
15 演習問題 1, 2, 3
16 期末試験 1, 2, 3
17 試験返却 復習 演習問題 1, 2, 3
後期 自己点検
1 力のモーメント      /   剛体のつり合い1 4
2 剛体のつり合い2    /   温度と熱 4, 5
3 熱容量と比熱      /   熱量保存の法則 5
4 相変化と潜熱      /   理想気体の法則 5, 6
5 気体の分子運動    /   熱力学第1法則(エネルギー保存の法則) 5, 6
6 気体の圧力と仕事   /   気体の熱力学過程1 3, 5, 6
7 気体の熱力学過程2  /   熱機関と熱力学第2法則 3, 5, 6
8 中間試験         /   試験返却 復習 演習問題  3, 5, 6
9 波の基本的性質    /   単振動と波 7
10 正弦波          /   波形の読み取り 7
11 縦波の性質       /   横波と縦波 7
12 重ね合せの原理    /   波の反射 7
13 反射波と定常波    /   ホイヘンスの原理 7
14 波の干渉        /   波の回折 7
15 平面波の反射と屈折 /   波の全反射 7
16 問題演習        /   期末試験 7
17 試験返却 復習    /   物理2のまとめ 演習問題 7
到達達成度の指標(ルーブリック)
到達
目標
理想的なレベル(A)の目安 標準的なレベル(B)の目安 未到達なレベル(C)の目安 自己評価
1 ベクトルの合成および分解ができ、斜面上の物体の運動や斜方投射はどの応用問題を解くことができる。 ベクトルの合成および分解ができる。 ベクトルの合成や分解ができない。 A・B・C
2 回転運動についての基礎知識を具体的な問題に応用して必要な物理量を算出できる。 等速円運動について、基礎的な物理量を算出できる。 等速円運動について、基礎的な物理量を計算できない。 A・B・C
3 パスカルの原理やアルキメデスの原理について説明でき、応用問題を解くことができる。 圧力や浮力の計算ができる。 圧力や浮力の計算ができない。 A・B・C
4 力のモーメントの計算、および、剛体のつり合いに関する計算ができる。 力のモーメントの計算ができる。 力のモーメントの計算ができない。 A・B・C
5 熱量保存の法則に基づいた応用問題を解くことができる。 熱量に関する基礎的な計算ができる。 熱量に関する基礎的な計算ができない。 A・B・C
6 理想気体の状態方程式、熱力学の法則を用いて応用問題を解くことができる。 理想気体の状態方程式を用いた基礎的な計算ができる。 理想気体の状態方程式を用いた基礎的な計算ができない。 A・B・C
7 波動に関する応用問題について、波の式を利用して必要な物理量を算出できる。 波の基本的性質と波で起こる現象について説明でき、基礎的物理量の計算ができる。 波の基本的性質の理解が十分でなく、基礎的な物理量を計算できない。 A・B・C
到達度評価
試験成績を80%、小テスト、課題等を20%で評価する。
履修上の注意
物理では式や解き方を暗記するのではなく、式の意味(法則)を理解し問題解決の手順を学んでほしい。
物理2は専門基礎科目であるため、卒業までに必ず単位を修得しなければならない。単位を修得せず進級した場合は単位追認試験に合格する必要がある。欠課時数が超過し単位を修得できなかった場合は、単位追認試験も受験することができなくなるので休まないこと。
また,後期は週に2回の授業となるため前期の2倍の速さで進むことになり,しっかりと復習を行い知識を定着させてほしい。
事前学習・自己学習・関連科目
 前期は物理1の力学の続きとなり,1次元から2次元の運動に発展するので,1年生での学習内容を十分に復習しておくこと。また,三角関数を多用するので数学においてこの分野の理解を深めておくこと。
 後期は熱と波動の分野となるが,熱では単位や気体分子の運動を考える上でそれまでの力学の知識が必要となる。また,波動では正弦波を基本として考えるため波形としての観点から三角関数の知識も必要となる。