平成29年度 シラバス
授業科目
数学B-3
担当教員
三井正、柳井忠、千葉克夫、岩本豊
開講期
通年
科目番号
102370
対象学年・学科・コース
3年 全学科
単位区分
専門基礎
単位数
2単位
授業概要・授業方針
工学技術者の基礎素養として、線形代数の基礎と微分方程式を学習する。前期は行列・行列式の計算法に習熟し、また、線形変換、行列の固有値・対角化について理解する。後期は1階および2階微分方程式を学習する。変数分離形を基礎として、主として線形微分方程式の解法を習得する。
到達目標
  1. 行列式の性質を理解し、計算および応用ができること
  2. 行列の基本変形を利用した連立1次方程式の解法と逆行列の計算ができること
  3. 線形変換について理解し、計算および応用ができること
  4. 行列の固有値、固有ベクトルを理解し、求めることができること
  5. 基本的な1階微分方程式が解けること
  6. 基本的な2階微分方程式が解けること
教科書
高専テキストシリーズ 線形代数 高専の数学教材研究会編(森北出版)
高専テキストシリーズ 微分積分2  高専の数学教材研究会編(森北出版)
高専テキストシリーズ 線形代数 問題集 高専の数学教材研究会編(森北出版)
高専テキストシリーズ 微分積分2  問題集 高専の数学教材研究会編(森北出版)
参考書
大学・高専生のための解法演習線形代数 堂平良一著(森北出版)
大学・高専生のための解法演習微分積分〈2〉 糸岐宣昭、三ツ広孝著(森北出版)
ドリルと演習シリーズ 線形代数日本数学教育学会高専・大学部会教材研究グループ編(電気書院)
ドリルと演習シリーズ 微分積分日本数学教育学会高専・大学部会教材研究グループ編(電気書院)
授業要目 到達目標
との対応
自己点検
前期
1 学習の心構え、n次正方行列の行列式
2 行列式の性質
3 行列の基本変形と行列式
4 行列の積と行列式
5 行列式の展開
6 余因子による逆行列の計算
7 基本変形による連立1次方程式の解法
8 中間試験
9 試験返却、連立1次方程式の解の分類
10 斉次連立1次方程式の解
11 基本変形による逆行列の計算
12 ベクトルの線形独立と線形従属
13 線形変換とその表現行列
14 いろいろな線形変換
15 合成変換と逆変換
16 期末試験
17 試験返却
後期 自己点検
1 固有値と固有ベクトル
2 2次正方行列と固有ベクトル
3 3次正方行列と固有ベクトル
4 行列の対角化
5 (ここから「微分積分2」)微分方程式
6 変数分離形
7 線形微分方程式 4、5
8 中間試験
9 試験返却、斉次2階線形微分方程式
10 定数係数斉次2階線形微分方程式
11 非斉次2階線形微分方程式の解
12 定数係数非斉次線形微分方程式(1)
13 定数係数非斉次線形微分方程式(2)
14 同次形の微分方程式
15 その他の微分方程式 5、6
16 期末試験
17 試験返却、2階線形微分方程式の応用
到達達成度の指標(ルーブリック)
到達
目標
理想的なレベル(A)の目安 標準的なレベル(B)の目安 未到達なレベル(C)の目安 自己評価
1 行列式の性質を発展問題に応用できる 行列式の性質を理解し、行列式の値を求めることができる 行列式の計算ができない A・B・C
2 行列の基本変形を利用して、様々な連立1次方程式を解くことができる 行列の基本変形を使って3元連立1次方程式を解き,逆行列を求めることができる 行列の基本変形を使って連立1次方程式の解や逆行列を求めることができない A・B・C
3 線形変換をさまざまな平面図形の変換に応用できる 線形変換について理解し、基本的な計算ができる 線形変換についての計算ができない A・B・C
4 固有値、固有ベクトルの性質と意味について説明できる 2次、3次の正方行列の固有値、固有ベクトルを求めることができる 行列の固有値、固有ベクトルを求めることができない A・B・C
5 1階微分方程式を物理や工学の問題に応用することができる 微分方程式について理解し、基本的な変数分離形、1階線形の微分方程式を解くことができる 1階微分方程式を解くことができない A・B・C
6 2階微分方程式を物理や工学の問題に応用することができる 基本的な定数係数2階線形微分方程式を解くことができる 定数係数2階線形微分方程式を解くことができない A・B・C
到達度評価
年4回の定期試験の点数を70%、小テスト、課題提出、受講状況30%で評価する。
履修上の注意
この科目は専門基礎科目であり、4年終了時までに修得する必要があります。
また、欠課超過となった場合は進級できません。
事前学習・自己学習・関連科目
数学B−3では、数学A−2、B−2で学んだ内容を発展させ、行列・行列式(線形代数) および微分方程式について学びます。これらは物理や工学のあらゆる場面で登場し、工学系技術者にとっての基本的な道具となります。事前学習として授業で扱う内容を教科書で確認することを習慣にして、授業で確実に理解するようにしてください。また、行列・行列式の計算や微分方程式を解くことは少々煩雑ですが、決まった手順で行われるので、授業後にも復習し、反復練習を行うことで計算力を養ってください。