平成29年度 シラバス
授業科目
機能性材料学1
担当教員
矢野 潤
開講期
後期
科目番号
610101
対象学年・学科・コース
2年 生産工学専攻
単位区分

単位数
2
授業概要・授業方針
白川英樹先生のノーベル化学賞受賞で脚光をあびた導電性高分子は、その導電性はもちろん多種多様な実用面への応用が可能な機能性材料である。この導電性高分子の基礎と電気化学測定法による機能評価法を学び、いかに実用面におうようできるか、またその原理などについても学ぶ。
本科目は機械工学コースの学生に対しては自由選択科目、環境材料工学コースの学生には選択必修科目である。
到達目標
  1. 導電率の意味と計算や測定法を理解できること。
  2. 結晶中の電子のバンド構造を理解できること
  3. 金属と半導体のキャリアを理解し、それらと導電率の関係を理解できること。
  4. 電器化学系における電位の意味と標準電極電位の意味を理解できること。
  5. 電解電流や電池電流と反応速度および電気量と物質量の関係が理解できること。
  6. 各種電気化学測定法の原理を理解できる。
  7. 導電性高分子の機能やその評価法を理解できる。
教科書
これでわかる電気化学  矢野 潤・木谷 晧  (三共出版)
参考書
導電性有機薄膜の機能と設計  山下和男・木谷 晧  (共立出版)
導電性ポリマー  吉村 進  (共立出版)
授業要目 到達目標
との対応
自己点検
1 電気抵抗と導電率
2 4端子法による導電率の測定法とその原理
3 半導体と金属のバンド構造
4 半導体と金属のキャリアと導電率 1、2、3
5 電解質溶液の導電率
6 電極電位とその意味
7 標準電極電位と参照電極
8 ボルツマン因子とネルンストの式
9 電解電流と反応速度
10 電解電流と物質の量的変化
11 導電性高分子の種類と機能
12 機能評価のための電気化学測定法の理論と実際
13 二次電池への応用 6、7
14 エレクトロクロミックディスプレーへの応用 6、7
15 電解効果トランジスタへの応用 6、7
16 期末試験 1、2、3、4、5、6、7
17 期末試験の解答と解説 1、2、3、4、5、6、7
到達達成度の指標(ルーブリック)
到達
目標
理想的なレベル(A)の目安 標準的なレベル(B)の目安 未到達なレベル(C)の目安 自己評価
1 導電率を求める諸式を理解し、導電率の計算や測定法を理解できる。 導電率の計算や測定法を理解できる。 導電率の意味と計算や測定法を理解できない。 A・B・C
2 結晶中の電子のバンド構造の形成とバンド構造と導電性との関係を理解できる。 結晶中の電子のバンド構造と導電性との関係を理解できる。 結晶中の電子のバンド構造を理解できない。 A・B・C
3 金属と半導体のキャリアを理解し、それらと導電率の関係を理解し計算できる。 金属と半導体の導電率を計算できる。 金属と半導体のキャリアを理解し、それらと導電率の関係を理解できない。 A・B・C
4 電器化学系における電位の意味と標準電極電位の意味を理解できる。 電器化学系における電位が物質のエネルギーを表すことが理解できる。 電器化学系における電位の意味と標準電極電位の意味を理解できない。 A・B・C
5 電解電流や電池電流と反応速度および電気量と物質量の関係が理解でき、計算できる。 電解電流や電池電流から反応速度を、電気量から物質量を計算できる。 電解電流や電池電流と反応速度および電気量と物質量の関係が理解できない。 A・B・C
6 各種電気化学測定法の原理を理解できる。 サイクリックボルタモグラムの原理を理解できる。 各種電気化学測定法の原理を理解できない。 A・B・C
7 導電性高分子の機能と原理やその評価法を理解できる。 導電性高分子の機能とその原理を理解できる。 導電性高分子の機能やその評価法を理解できない。 A・B・C
到達度評価
試験80%、課題20%で評価する。
欠課時間数が総授業時間数の1/4を超えた場合は、原則として単位を認めない。
履修上の注意
化学-1、化学-2で学んだ化学の基礎を復習しておくとよい。
事前学習・自己学習・関連科目
化学-1、化学-2で学んだ化学の基礎を復習しておくとよい。
学習・教育目標
(生産工学・機械工学コース) B-2
(生産工学・環境材料工学コース) B-3
(生物応用化学)
(電子工学)