平成28年度 シラバス
授業科目
基礎半導体工学
担当教員
和田 直樹
開講期
通年
科目番号
121314
対象学年・学科・コース
3年 電気情報工学科
単位区分
選択必修
単位数
2単位
授業概要・授業方針
 半導体物性に関する基礎知識をベースとして、pn接合ダイオード、バイポーラトランジスタ、電界効果トランジスタ、光半導体素子の原理と動作を説明する。
 教科書に沿って現象を物理的に理解できるようにポイントを板書で説明する。学生に質問し、理解度を確認しつつ進める。
到達目標
  1. 半導体のエネルギーバンド図とキャリア濃度を説明できる。
  2. 真性半導体と不純物半導体を説明できる。
  3. pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流−電圧特性を説明できる。
  4. バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を説明できる。
  5. 電界効果トランジスタの構造と動作を説明できる。
  6. 太陽電池と発光ダイオードの構造と動作を説明できる。
教科書
基礎半導体工学 小林敏志、金子双男、加藤景三 著(コロナ社)
参考書
半導体工学 高橋清 森北出版株式会社
授業要目 到達目標
との対応
自己点検
前期
1 ガイダンス、半導体の特徴と性質、結晶構造 1
2 半導体のエネルギーバンドの形成 1
3 真性半導体と不純物半導体、キャリア濃度 1,2
4 キャリアの発生と消滅 1,2
5 電気伝導 1,2
6 pn接合と空乏層、拡散電位 3
7 まとめと演習 1,2,3
8 前期中間試験
9 テスト返却、pn接合ダイオードの構造と動作原理(1) 3
10 pn接合ダイオードの構造と動作原理(2) 3
11 pn接合ダイオードの特性(1) 3
12 pn接合ダイオードの特性(2) 3
13 金属と半導体接触(1) 3
14 金属と半導体接触(2) 3
15 まとめと演習 3
16 前期末試験
17 テスト返却、バイポーラトランジスタの構造と動作原理(1) 4
後期 自己点検
1 バイポーラトランジスタの構造と動作原理(2) 4
2 バイポーラトランジスタの特性(1) 4
3 バイポーラトランジスタの特性(2) 4
4 接合形電界効果トランジスタの構造と動作原理 5
5 MOS電界効果トランジスタの構造と動作原理(1) 5
6 MOS電界効果トランジスタの構造と動作原理(2) 5
7 まとめと演習 4,5
8 後期中間試験
9 テスト返却、MIS特性(1) 5
10 MIS特性(2) 5
11 MOS電界効果トランジスタの特性(1) 5
12 MOS電界効果トランジスタの特性(2) 5
13 太陽電池 6
14 発光ダイオード 6
15 まとめと演習 5,6
16 学年末試験
17 テスト返却 5,6
到達達成度の指標(ルーブリック)
到達
目標
理想的なレベル(A)の目安 標準的なレベル(B)の目安 未到達なレベル(C)の目安 自己評価
1 半導体のエネルギーバンド図とキャリア濃度を理解して、p形とn形半導体のエネルギーバンド構造を説明できる。 半導体のエネルギーバンド図とキャリア濃度を説明できる。 半導体のエネルギーバンド図とキャリア濃度を説明できない。 A・B・C
2 真性半導体と不純物半導体を理解して、ドナーとアクセプターの振る舞いを説明できる。 真性半導体と不純物半導体を説明できる。 真性半導体と不純物半導体を説明できない。 A・B・C
3 pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合と金属半導体接触の電流−電圧特性の違いを説明できる。 pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流−電圧特性を説明できる。 pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流−電圧特性を説明できない。 A・B・C
4 バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性とベースコレクタエミッタそれぞれの電流成分を説明できる。 バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を説明できる。 バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を説明できない。 A・B・C
5 電界効果トランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いて電界効果トランジスタの動作を説明できる。 電界効果トランジスタの構造と動作を説明できる。 電界効果トランジスタの構造と動作を説明できない。 A・B・C
6 太陽電池と発光ダイオードの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いて太陽電池と発光ダイオードの動作を説明できる。 太陽電池と発光ダイオードの構造と動作を説明できる。 太陽電池と発光ダイオードの構造と動作を説明できない。 A・B・C
到達度評価
定期試験を80%、小テストを20%として評価する。
履修上の注意
 電気主任技術者関連科目である。授業中、先生からの一方通行ではなく、なぜそうなるのか等、物理現象を自分で考える習慣を付け、必要なら質問をし、自分に取り込んだ形で講義を聴くように、意識的に努力すること。
事前学習・自己学習・関連科目
 電気電子材料・電子工学と密接に関連しており、それらの教科書も活用して学習を進めること。なお、物理1と2、化学1と2の知識を持っていることを前提としているので、基礎知識として充分に予習、復習すること。