平成28年度 シラバス
授業科目
基礎電子回路
担当教員
和田 直樹
開講期
通年
科目番号
121310
対象学年・学科・コース
3年 電気情報工学科
単位区分

単位数
2単位
授業概要・授業方針
電子回路は電磁気や電気回路と同様に電気工学での基礎科目である。本基礎電子回路では、半導体素子(ダイオード、トランジスタ、FETなど)の基本特性とそれらを用いた小信号増幅回路の動作原理と基本特性を理解する。
授業は重要事項を板書して説明する。回路を数式で解析して物理的に理解できるようにする。
到達目標
  1. ダイオードの特徴を説明できる。
  2. バイポーラトランジスタの特徴と等価回路を説明できる。
  3. トランジスタ増幅器のバイアス方法を説明できる。
  4. 負帰還増幅回路の原理、電圧利得、周波数帯域を説明できる。
  5. コレクタ接地回路の特徴を説明できる。
  6. FETの特徴と等価回路を説明できる。
教科書
電子回路 稲見和生著
参考書
なし
授業要目 到達目標
との対応
自己点検
前期
1 ガイダンス、導体、半導体、絶縁体 1
2 ダイオードの基本特性 1
3 整流回路 1
4 バイポーラトランジスタの基本特性 2
5 トランジスタの静特性とhパラメータ 2
6 トランジスタの等価回路 2
7 まとめと演習 1,2
8 前期中間試験
9 テスト返却、トランジスタの等価回路 2,3
10 2電源バイアス方式エミッタ接地増幅回路の直流動作 2,3
11 2電源バイアス方式エミッタ接地増幅回路の交流動作  2,3
12 2電源バイアス方式エミッタ接地増幅回路の交流動作 2,3
13 電流帰還方式エミッタ接地増幅回路の直流動作 2,3
14 電流帰還方式エミッタ接地増幅回路の直流動作 2,3
15 まとめと演習 2,3
16 前期末試験
17 テスト返却、電流帰還方式エミッタ接地増幅回路の交流動作(1) 2,3
後期 自己点検
1 電流帰還方式エミッタ接地増幅回路の交流動作(2) 2,3
2 電流帰還方式エミッタ接地増幅回路の周波数特性 2,3
3 負帰還増幅回路の原理 4
4 負帰還増幅回路の電圧利得 4
5 負帰還増幅回路の低域周波数特性 4
6 負帰還増幅回路の高域周波数特性 4
7 まとめと演習 2,3,4
8 後期中間試験
9 テスト返却、コレクタ接地回路の特性 5
10 コレクタ接地回路の応用 5
11 電界効果トランジスタ(FET)の特性 6
12 FETの動作と等価回路 6
13 ソース接地増幅回路(1) 6
14 ソース接地増幅回路(2) 6
15 まとめと演習 5,6
16 学年末試験
17 試験返却 5,6
到達達成度の指標(ルーブリック)
到達
目標
理想的なレベル(A)の目安 標準的なレベル(B)の目安 未到達なレベル(C)の目安 自己評価
1 ダイオードの特徴を理解して、複数の整流回路方式を説明できる。 ダイオードの特徴を説明できる。 ダイオードの特徴を説明できない。 A・B・C
2 バイポーラトランジスタの特徴と等価回路を理解して、エミッタ接地増幅回路の動作を説明できる。 バイポーラトランジスタの特徴と等価回路を説明できる。 バイポーラトランジスタの特徴と等価回路を説明できない。 A・B・C
3 トランジスタ増幅器の複数のバイアス方法を説明でき、バイアス回路を設計できる。 トランジスタ増幅器のバイアス方法を説明できる。 トランジスタ増幅器のバイアス方法を説明できない。 A・B・C
4 負帰還増幅回路の原理、電圧利得、周波数帯域を理解して、電圧利得の周波数特性が書ける。 負帰還増幅回路の原理、電圧利得、周波数帯域を説明できる。 負帰還増幅回路の原理、電圧利得、周波数帯域を説明できない。 A・B・C
5 コレクタ接地回路の特徴を理解して、バッファー回路の動作を説明できる。 コレクタ接地回路の特徴を説明できる。 コレクタ接地回路の特徴を説明できない。 A・B・C
6 FETの特徴と等価回路を理解して、ソース接地増幅回路の動作を説明できる。 FETの特徴と等価回路を説明できる。 FETの特徴と等価回路を説明できない。 A・B・C
到達度評価
定期試験80%、小テスト20%で評価する。
履修上の注意
電気主任技術者関連科目である。暗記や現象論だけでなく、自ら数式を建てて物理的に理解することが重要である。また、授業は先生からの一方通行ではなく、疑問に思ったことはその場で質問して、クラス全体で理解する雰囲気が重要である。
事前学習・自己学習・関連科目
2年生の回路理論と3年生の基礎半導体工学を結びつけた簡単な実用回路を学ぶ。そこで、これらの科目と関連づけた復習が重要である。4年生の「電子回路」に継続される。