平成28年度 シラバス
授業科目
電子工学
担当教員
和田 直樹
開講期
前期
科目番号
121309
対象学年・学科・コース
3年 電気情報工学科
単位区分
選択必修
単位数
1単位
授業概要・授業方針
 材料の性質や半導体素子の動作を理解するために必要な物性理論の基本を学ぶ。半導体の基本的特性が、原子構造、結晶構造、エネルギーバンド構造、電気伝導現象などによっていることを学ぶ。
 教科書に沿って、物理的に理解できるようにポイントを板書して説明する。学生に質問し、理解度を確認しながら授業を進める。
到達目標
  1. 電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる。
  2. エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算等の計算ができる。
  3. 原子の構造を説明できる。
  4. パウリの排他律を理解し、原子の電子配置を説明できる。
  5. 結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。
  6. 金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。
  7. 半導体中の電気伝導現象について説明できる。
教科書
基礎電子工学  藤本晶   森北出版
参考書
基礎半導体工学  小林敏志、金子双男、加藤景三 著  (コロナ社)
授業要目 到達目標
との対応
自己点検
1 電子の性質 1,2
2 原子の構造と電子配列 3,4
3 原子の結合と結晶構造 5
4 結晶の周期性と電子 5
5 エネルギー帯の形成(1) 5
6 エネルギー帯の形成(2) 5
7 まとめと演習 1,2,3,4,5
8 前期中間試験
9 試験返却、状態密度関数 5
10 フェルミ準位と分布関数、電子密度と正孔密度 5
11 真性半導体と不純物半導体のバンド構造(1) 5
12 真性半導体と不純物半導体のバンド構造(2) 5
13 電子・正孔の有効質量と移動度 6,7
14 拡散電流とドリフト電流、キャリアの発生と再結合 7
15 まとめと演習 6,7
16 前期末試験
17 試験返却 6,7
到達達成度の指標(ルーブリック)
到達
目標
理想的なレベル(A)の目安 標準的なレベル(B)の目安 未到達なレベル(C)の目安 自己評価
1 電子の電荷量や質量などの基本性質を理解して、電磁界中の電子の運動を説明できる。 電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる。 電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できない。 A・B・C
2 エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算の計算ができ、電界中の電子の運動速度を説明できる。 エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算等の計算ができる。 エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算等の計算ができない。 A・B・C
3 原子の構造をボーアモデルにしたがって電子の軌道エネルギーを説明できる。 原子の構造を説明できる。 原子の構造を説明できない。 A・B・C
4 パウリの排他律を理解し、Si原子の電子配置とsp3混成軌道を説明できる。 パウリの排他律を理解し、原子の電子配置を説明できる。 パウリの排他律を理解し、原子の電子配置を説明できない。 A・B・C
5 結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、半導体のエネルギーバンド図を説明でき、金属と絶縁体との違いを説明できる。 結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。 結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できない。 A・B・C
6 金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができ、半導体との違いを説明できる。 金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。 金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができない。 A・B・C
7 半導体中の電気伝導現象について説明でき、拡散電流とドリフト電流、発生再結合電流の違いを説明できる。 半導体中の電気伝導現象について説明できる。 半導体中の電気伝導現象について説明できない。 A・B・C
到達度評価
小テストを20%、定期試験を80%で評価する。
履修上の注意
電気主任技術者関連科目である。授業中、教員からの一方通行ではなく、なぜそうなるのか等の物理現象を自分で考える習慣を付け、必要なら質問をして、自分に取り込んだ形で講義を聴くように意識的に努力すること。
事前学習・自己学習・関連科目
電気電子材料・基礎半導体工学と密接に関連しており、それらの科目の教科書も活用して学習すること。なお、物理1と2、化学1と2の知識を持っていることを前提としているので、基礎知識として充分に予習、復習すること。