授業科目 物理化学1 |
担当教員 (前期)松口正信・(後期)青野宏通 |
開講期 通年
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科目番号 140305 |
対象学年・学科・コース 3年 生物応用化学科 |
単位区分 選択必修 |
単位数 2単位 |
授業概要・授業方針
気体と液体の性質、および電池・電気分解について取り上げる。原子・分子の立場から解説することにより、気体や液体の化学的・物理的現象および電池・電気分解の原理を微視的立場からイメージできるようになることを目的とする。
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到達目標
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授業要目 | 到達目標 との対応 |
自己点検 |
前期 |
1 | 物理化学の目的と役割、物質のとらえ方(巨視的・微視的) | ||
2 | 有効数字 | 1 | |
3 | 単位と記号 | 1 | |
4 | 主な物理量 | 1 | |
5 | 物質の状態(クラペイロン‐クラウジウスの式) | 2 | |
6 | 理想気体(ボイルの法則、シャルルの法則) | 3 | |
7 | 理想気体の状態方程式 | 3 | |
8 | 中間試験 | ||
9 | 気体分子運動論 | 4 | |
10 | 分子の速度と分布 | 4 | |
11 | 衝突頻度と平均自由行程 | 4 | |
12 | 実在気体とファン・デル・ワースルの状態式 | 5 | |
13 | 実在気体とビリアル方程式 | 5 | |
14 | 気体の液化と臨界現象 | 6 | |
15 | 対応状態の原理 | 6 | |
16 | 期末試験 | ||
17 | 試験返却、復習 |
後期 | 自己点検 |
1 | 溶液の束一的性質1(蒸気圧降下、沸点上昇) | 7 | |
2 | 溶液の束一的性質2(凝固点降下、浸透圧) | 7 | |
3 | 電解質溶液の電気伝導性(抵抗率と電気伝導率) | 8 | |
4 | 弱電解質と強電解質 | 9 | |
5 | イオン独立移動の法則 | 9 | |
6 | イオンの移動度と輸率 | 10 | |
7 | アレニウスの電離説 | 9,10 | |
8 | 中間試験 | ||
9 | 酸と塩基の電離平衡 | 9,10 | |
10 | 電池、電池の起電力 | 11 | |
11 | 半電池の種類 | 11 | |
12 | 電極電位と標準電極電位 | 11 | |
13 | 実用電池の種類(リチウムイオン電池、燃料電池) | 12 | |
14 | 電気分解の原理(ファラデーの法則) | 13 | |
15 | 電気分解の応用(電解製錬、電気めっき) | 13 | |
16 | 期末試験 | ||
17 | 試験返却、復習 |
到達達成度の指標(ルーブリック) |
到達 目標 |
理想的なレベル(A)の目安 | 標準的なレベル(B)の目安 | 未到達なレベル(C)の目安 | 自己評価 |
1 | 有効数字の計算法を理解し、指定された桁数において数値を求めることができる。数値に異なった表し方で正しい単位をつけることができる。 | 有効数字を考慮して数値計算することができる。数値に正しい単位をつけることができる。 | 有効数字を考慮して数値計算することができない。数値に正しい単位をつけることができない。 | A・B・C |
2 | クラペイロン‐クラウジウスの式を用いて蒸気圧と沸点、外圧と凝固点の関係が説明でき、これらの値が計算できる。 | クラペイロン‐クラウジウスの式を用いて、蒸気圧や沸点が計算できる。 | クラペイロン‐クラウジウスの式を用いて、蒸気圧や沸点を計算できない。 | A・B・C |
3 | ボイルの法則とシャルルの法則にアボガドロの法則を組み合わせることで、気体定数を与えることができる。 | ボイルの法則とシャルルの法則より、理想気体の状態方程式を導くことができる。 | ボイルの法則とシャルルの法則より、理想気体の状態方程式を導くことができない。 | A・B・C |
4 | 圧力と分子の平均速度の関係式を導き、根平均二乗速度を求めることができる。マクスウェル‐ボルツマンの速度分布式を用いて、平均速度、最大確率速度を求めることができる。 | 気体分子運動論を用いて、圧力と分子の平均速度の関係式を示し、根平均二乗速度を求めることができる。 | 気体分子運動論を用いて、圧力と分子の平均速度の関係式を示し、根平均二乗速度を求めることができない。 | A・B・C |
5 | 理想気体と実在気体の違いを説明できる。ファンデルワールスの状態方程式を導くことができる。 | 理想気体と実在気体の違いを説明できる。ファンデルワールスの状態方程式を示すことができる。 | 理想気体と実在気体の違いを説明できない。ファンデルワールスの状態方程式を示すことができない。 | A・B・C |
6 | ファンデルワールスの状態方程式を用いて、臨界圧力、臨界温度、臨界体積を導くことができる。 | ファンデルワールスの状態方程式を用いて、臨界圧力、臨界温度、臨界体積を表すことができる。 | ファンデルワールスの状態方程式を用いて、臨界圧力、臨界温度、臨界体積を表すことができない。 | A・B・C |
7 | 束一的性質と具体例について説明ができる。 | 束一的性質について説明ができ、具体例を挙げることができる。 | 束一的性質について説明ができず、具体例を挙げることができない。 | A・B・C |
8 | 抵抗値の測定方法、セル定数の求め方を説明でき、抵抗値から電気伝導率、モル伝導率が計算できる。 | 抵抗値から電気伝導率、モル伝導率が計算できる。 | 抵抗値から電気伝導率、モル伝導率が計算できない。 | A・B・C |
9 | 弱電解質と強電解質の違いをモル伝導率と濃度の関係を用いて説明ができる。 | 弱電解質と強電解質の違いを電離の点から説明ができる。 | 弱電解質と強電解質の違いを電離の点から説明ができない。 | A・B・C |
10 | 1−1型電解質について、無限希釈におけるイオン移動度と輸率を与える式を導き、これらの値が計算できる。 | 無限希釈におけるイオンの移動度と輸率が計算できる。 | 無限希釈におけるイオンの移動度と輸率が計算できない。 | A・B・C |
11 | 異なった半電池を組み合わせた電池について、構造と正極と負極の反応が説明でき、起電力が計算できる。 | ダニエル電池について、構造と正極と負極の反応が説明でき、起電力が計算できる。 | ダニエル電池について、構造と正極と負極の反応が説明できす、起電力が計算できない。 | A・B・C |
12 | 一次電池、二次電池、燃料電池の違いを説明でき、具体例について説明することができる。 | 一次電池、二次電池、燃料電池の違いを説明でき、具体例を挙げることができる。 | 一次電池、二次電池、燃料電池の違いを説明できず、具体例を挙げることができない。 | A・B・C |
13 | ファラデーの法則を説明でき、電気分解によって析出する物質量を計算できる。電気分解の応用例を挙げ、説明することができる。 | ファラデーの法則を説明でき、電気分解によって析出する物質量を計算できる。電気分解の応用例を挙げることができる。 | ファラデーの法則を用いて電気分解によって析出する物質量を計算できない。電気分解の応用例を挙げることができない。 | A・B・C |
到達度評価
中間試験と期末試験の結果を80〜90%、授業において行う小テストやレポートなどを10〜20%として評価し、その比率は学生の理解度を見ながら調整し、その都度学生には連絡する。 |
履修上の注意
授業内容の多くはすでに化学1と化学2で学習していますが、結果を覚えることよりも、なぜそうなるのかを考えることが大切です。
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事前学習・自己学習・関連科目
本科目で学習した束一的性質や電池の原理に関する内容は、4年生、5年生の物理化学2と生物物理化学2の授業で化学熱力学を学ぶことにより、より厳密に理解できるようになります。 |